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食用昆虫 : ミニ英和和英辞書
食用昆虫[むし]
edible insect
===========================
: [しょく]
 【名詞】 1. meal 2. (one's) diet 3. food 4. foodstuff(s) 
食用 : [しょくよう]
 【名詞】 1. for use as food 2. edible 
: [よう]
  1. (n,n-suf) task 2. business 3. use 
: [むし]
 【名詞】 1. insect 
食用昆虫 ( リダイレクト:昆虫食 ) : ウィキペディア日本語版
昆虫食[こんちゅうしょく]

昆虫食(こんちゅうしょく、)とは、ハチの幼虫、イナゴなど、昆虫を食べることである。食材としては幼虫(さなぎ)が比較的多く用いられるが、成虫も対象とされる。アジア29国、南北アメリカ23国で食べられ、アフリカの36国では少なくとも527の昆虫が食べられており、世界で食用にされる昆虫の種類を細かく集計すると1,400種にものぼるといわれる〔Beastly bugs or edible delicacies Workshop considers contribution of forest insects to the human diet :FAO〕〔害虫か珍味か 〕。野生動物においては、アリクイセンザンコウなど、昆虫食が専門の動物のみならず、キツネタヌキ霊長類などの雑食性の動物においても昆虫は常に食べられている。
== 概要 ==

昆虫食は世界各地で行われており、中国の『周礼』「天官冢宰〔:「」〕」で「蚳醢」と呼ばれたシロアリの卵の塩辛で客をもてなしたとあり、ヨーロッパにおいても古代ギリシャや古代ローマセミなどを食べたという記録が残っている。アフリカ諸国、南米アマゾンメキシコメラネシアなどの熱帯亜熱帯地域などの多くの地域で常食されている。アフリカ北部などでは、しばしばサバクトビバッタが大発生により農作物を食い尽くされる蝗害が発生するが、こういう場合には、農作物の代わりにサバクトビバッタを緊急食料として食べ、飢饉の軽減が行われる。また、アジアにおいてもラオスベトナムタイ中国タガメを食べたり、中国、東南アジアなどでセミを食べたりするように、一部の民族、または民族集団の一部が食べる例がある。日本においても同様で、現代日本人の多くは日常的には昆虫食をしていないが、群馬県長野県岐阜県宮崎県等の一部地域において、地方の食文化として現存しており、また、土産物などとしても売られている。2008年現在、はちの子、イナゴの缶詰はともに1トン弱、カイコのサナギ300キロ、まゆこ(カイコのガ)100キロ、ザザムシ300キロが加工、製造されているという記録がある。〔野中
現代社会では、一部地域、民族を除いて共通的、日常的には昆虫は食べられていないが、これは人口の大部分が昆虫から充分な栄養分をまかなえるだけの供給機構が構築されていないことと、他の食材が豊富となったためと考えられる。日本では一般的においしくない、気持ち悪いなどの心理的嫌悪が強い。また、日常的な昆虫食が貧困の象徴や時代遅れの習慣と考えられていたり、ユダヤ教キリスト教セブンスデー・アドベンチスト教会など特定の宗教・宗派によっては特定の種類の昆虫がタブーとされている場合もある。イスラム教では、アリやハチを食べることは禁じられているが、バッタを食べることは明確に許可されており、ハディースにも預言者ムハンマドがバッタを食べ、遠征を行ったことが記されている。
近年では地域固有の食文化として積極的に見直されている例もある。中国では、昔の質素な食事を再現した都市部のレストランで昆虫がメニューに載っていることがよくある。雲南省では、訪れた観光客が昆虫食を食べてみる姿をよく目にする。タイの都市部では、調理済みの昆虫を屋台やレストランで観光客や都市部の住民に売っている光景がしばしば見られる。
EUでは2011年に新規輸入と区別するため在来の食用昆虫の種類を調べている〔Views wanted on edible insect consumption 〕〔食用昆虫について意見募集 〕。
また、昆虫を食用家畜として捉えた場合、少ない飼料で生育可能なこと等から資源が限られる宇宙などでも得られる動物性食物として優れており、将来人類が長期の宇宙ステーション滞在や火星などへ移住する際の食糧としての研究もされている。
栄養学的には、例えばの蛹や幼虫では、乾燥重量の50%以上がタンパク質であり、ミネラル類にも富む。加熱することで雑菌等の問題もなくなるので、食品として摂取にはなんら問題はない。生態学的に見ると、昆虫が食べた植物のエネルギーを体質量(ボディマス)に変換する二次生産の効率は平均40%で、魚類の10%や恒温動物の1 - 3%に比べ非常に優れているため、昆虫類は生態学的および経済的に効率の良い動物性蛋白質の供給源となりうる。ただし、農地周辺から昆虫を採って食べる場合は、農作物を育てる過程で使用する農薬が昆虫に残留、蓄積している可能性があるため、健康への害に留意すべきである。同様に、肉食性ないし腐植食性の昆虫に対しても、あらかじめ絶食させたり内臓を取り去るなどして、内臓の内容物を除去しておく場合がある。
味に関しては様々に言われており、扱う種の範囲が広いため一括りにすることもできないが、ハチなどを美味とする資料では、同じく節足動物である甲殻類(エビ、カニ)に近い味がするとされる。はちのこは高級珍味として食され、特に秋はクロスズメバチの幼虫の旬で、美味になり、その味を求めて採集をしたり、飼育をしたりする人たちがいる。旬のムネヒロウスバカミキリの幼虫は『ファーブル昆虫記』でも試食して美味であった旨が記されている。昆虫は変態をするため、同じ種でも時期によって風味が変わり、美味な時期が限られるものも多い。また、おいしく食べるために、羽根をむしったり、内臓を絞り出したりという工夫を各民族が行っている。昆虫食がある地域でも、食用とする種や時期には限定性があるのが普通で、食べるものがないから虫を食べているという見方は、正しくない場合が多い。
加工食品などに使われる着色料、光沢剤などの添加物に昆虫由来の成分が使われている場合もある。昆虫由来の着色料の中では、カイガラムシの一種エンジムシから採れる赤紫色のコチニール色素が最も有名である。蜂蜜はおそらく最も有名な昆虫関連の食品であるが、ローヤルゼリーのような昆虫の分泌物ではなく、植物由来の蜜がミツバチ酵素で変化したものである。
昆虫の中には、各種の寄生虫がいる例もあり、また雑菌を保有していることも考えられるため、生食するのは他の動物同様それなりに危険である。ただし、昆虫を中間宿主とし、ヒトを終宿主とする寄生虫は知られていない。これはまた、昆虫食がヒトの食として恒久的かつ安定に存在していなかったことを意味するのかも知れない。ガ、ハチ、カミキリムシの幼虫など、生であるがゆえに美味なものもある。
このほか、アリ、ガの幼虫、ゴキブリ、昆虫ではないがサソリムカデなどを、蒸留酒に付けて、酒に溶け込んだ成分を飲む例もある。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「昆虫食」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Entomophagy 」があります。




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