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牧野信一 : ミニ英和和英辞書
牧野信一[まきの しんいち]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ぼく, まき]
 【名詞】 1. pasture 2. grazing land
牧野 : [ぼくや, まきの]
 【名詞】 1. pasture land 2. ranch 
: [の]
 【名詞】 1. field 
: [まこと, しん]
  1. (adv,n) truth 2. faith 3. fidelity 4. sincerity 5. trust 6. confidence 7. reliance 8. devotion 
: [いち]
  1. (num) one 

牧野信一 : ウィキペディア日本語版
牧野信一[まきの しんいち]

牧野 信一(まきの しんいち、1896年明治29年)11月12日 - 1936年昭和11年)3月24日)は、日本の小説家神奈川県足柄下郡小田原町(現:小田原市)出身。自然主義的な私小説の傍流としてみなされることが多く、17年間の作家生活の中で珠玉の短編十数編を残して早逝したマイナーポエトといわれている〔千石英世「牧野信一・人と文学」『昭和文学全集7』(小学館、1989年)〕〔柳沢孝子「解説」(『日本文学研究資料新集25 宇野浩二と牧野信一 夢と語り』)(有精堂出版、1988年)〕。「ギリシャ牧野」とも呼ばれた中期の幻想的な作品で新境地を拓いたが、最後は小田原の生家で悲劇的な縊死自殺を遂げた。享年39歳〔〔柳沢孝子「ゼーロン 解説」(『短編の愉楽2―近代小説のなかの異空間』)(有精堂出版、1991年)〕。
決して大作家とはいえない一詩人的な作家ではあるが、その「内発的な自我破り、想像力の開放、分裂に処するパロディの方法の発見」などは文学史的には重要な意味があると磯貝英夫は考察し〔磯貝英夫「私小説の克服――昭和文学の一系統をめぐって」(文學 1960年1 - 2月号に連載)。『現代文學史論』(明治書院、1980年)に所収。〕、その後継者的な作家として、井伏鱒二坂口安吾石川淳太宰治らの名を挙げている〔。また、「ときにデフォルメされた笑いに身をよじり、ときに救いも見えない焦燥に身をこがす」ような、一種の「動的な精神の燃焼の場」としての牧野の小説は、上記の作家の他、稲垣足穂小島信夫野坂昭如後藤明生などの先駆者的なものがあると千石英世も指摘し〔、石川淳の他、島尾敏雄吉行淳之介安岡章太郎種村季弘池内紀ら、熱心な牧野信一ファンの作家が輩出されている〔堀切直人「荒武者マキノ」(文庫版『ゼーロン・淡雪』)(岩波文庫、1990年)〕。
なお、牧野信一は、坂口安吾の『風博士』をいち早く絶賛し、坂口が新進作家として世に出るきっかけを作った他、宇野浩二井伏鱒二青山二郎小林秀雄河上徹太郎らと交流を持ち、雑誌『文科』を創刊主宰して、これらの作家の作品発表の場を作った。牧野の代表作には、『地球儀』、『父を売る子』、『西瓜喰ふ人』、『村のストア派』、『ゼーロン』、『バランダ物語』『酒盗人』、『鬼涙村(きなだむら)』、『裸虫抄』などがある。
== 作風 ==
牧野信一の文学は、通常おおまかには、初期私小説、中期幻想小説、後期私小説への復帰、と分類されている〔〔。初期と後期における私小説的作品のいくつかは、「家族と血族の因縁」を扱い、牧野の文学の「深い暗部」を垣間見せている〔〔。
基本的に牧野は「自然主義的な作風」の作家とみなされることが多いとする堀切直人は、大正期の『父を売る子』をはじめとした牧野初期の私小説では、「自分の家庭の内幕を大胆にさらけ出した、すこぶる露悪的自虐的な」作品が特徴だとし、晩年には再び、『鬼涙村』、『裸虫抄』などの佳作で「暗鬱な土俗の世界に肉薄」していると考察し〔、柳沢孝子も、牧野の初期作品は、「自虐的饒舌および劇画」や「鋭敏な末梢神経描写」にあふれた私小説の体裁を持ち、晩年の作品も「朗らかな夢」が涸れていると解説している〔。
それらの初期や晩年の作風と違う、文壇の通称として「ギリシャ牧野」と呼ばれていた中期の浪漫的幻想小説は、そうした暗部の反転であり、「濃厚なナンセンスによる笑いの文学」、「夢魔的世界」を実現させており〔〔、中期の傑作といわれる『ゼーロン』をはじめとする、その時期に位置する作品は、自然主義的私小説の奔流とは趣の異なる「幻想的」な作品群と目され、「古代ギリシャ中世ヨーロッパの古典」に題材を借りた作風となっている〔〔〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「牧野信一」の詳細全文を読む




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