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後期クイーン的問題 : ミニ英和和英辞書
後期クイーン的問題[こうきくいーんてきもんだい]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [のち]
  1. (n,adj-no) afterwards 2. since then 3. in the future 
後期 : [こうき]
 【名詞】 1. latter period 2. final 
: [き]
  1. (n,n-suf) period 2. time
: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)
: [まと, てき]
 【名詞】 1. mark 2. target 
: [もん]
 【名詞】 1. problem 2. question 
問題 : [もんだい]
 【名詞】 1. problem 2. question 
: [だい]
  1. (n,vs) title 2. subject 3. theme 4. topic 

後期クイーン的問題 : ウィキペディア日本語版
後期クイーン的問題[こうきくいーんてきもんだい]

後期クイーン的問題(こうきクイーンてきもんだい、「後期クイーン問題」とも)は、推理作家エラリー・クイーンが著した後期作品群に典型的に見られる〔この語のもとでの議論の分類について、法月は2006年に以下のように発言している。「議論のレベルもいくつかあって、ニセの証拠・ニセの解決が用意され、真相は系のなかでは決定できないという問題がひとつ。それといわゆる<あやつり>の構造にまつわる議論ですね。あともうひとつは、探偵が事件のなかでどんな立場に置かれるかという倫理的な問題。それらは別の話ではないかと小森健太朗さんに指摘されたんですが、確かにその通り」(瀬名秀明、法月綸太郎「『デカルトの密室』/二一世紀本格/クイーン」『瀬名秀明ロボット学論集』勁草書房、2008)〕。。
== 概要 ==
推理作家法月綸太郎が論文「初期クイーン論」〔『現代思想』1995年2月号 特集「メタ・ミステリー」(青土社)初出。〕で『ギリシア棺の謎』『Yの悲劇』『シャム双子の謎』といった作品について分析する中で指摘した問題である。なお、法月の論文の段階で「後期クイーン的問題」という語は使われておらず、この語の出所は定かではないが、諸岡卓真は笠井潔の評論がその流通のきっかけとしており、笠井が連載「本格探偵小説の「第三の波」」第七回〔『野生時代』1996年4月号(角川書店)〕において、法月が提起した問題を(クイーンの後期作品を例に挙げて)「後期クイーン的問題」と呼んで扱い、また『探偵小説論Ⅱ』として書籍化した際に「後期クイーン的問題」と題した章を設けたことによって、この名称が推理小説ジャンル内に定着していったとされる。
笠井のほか、巽昌章小森健太朗飯城勇三など多くの評論家がその論考においてこの問題に言及している。またこの問題に意識的な実作〔講談社文庫版(1998年)あとがきで「いわゆる後期クイーン的な問題にSF的な解決がつけられないものか」と述べている西澤保彦『完全無欠の名探偵』(講談社ノベルス、1995年)、作中で後期クイーン的問題に言及する氷川透『最後から二番めの真実』(講談社ノベルス、2001年)など。〕も多く書かれるようになり、1990年代後半以降のミステリシーン、特にいわゆる「新本格ミステリ」において大きな影響を与えたとされる。
「初期クイーン論」での法月が柄谷行人に依拠し、「形式化(フォーマライゼーション)」についての議論と、ゲーデルの不完全性定理に因んだ「ゲーデル的問題」の枠組を援用して論を進めたことから、この問題が「探偵小説におけるゲーデル的問題」(あるいは「ゲーデル問題」)などと呼ばれることがある〔綾辻行人「SESSION10 With竹本健治」『セッション―綾辻行人対談集』(集英社、1996年)など。『探偵小説論Ⅱ』p.205でも「探偵小説形式は「ゲーデル的問題」に直面し」という記述がみられる。〕。しかしこれに対しては、ゲーデルの論と「後期クイーン的問題」には隔たりがあり、推理小説への援用には不正確な点があるとの批判がある〔諸岡(2010)、小森健太朗『探偵小説の論理学』(南雲堂、2007年)など。〕。法月も議論のこのような側面は認識しており、「初期クイーン論」において、柄谷のゲーデル理解や敷衍について「『あやうさ』を感じざるをえなかった」「エピゴーネンたちによって(略)安易なメタファーとして一人歩きし始めた」と述べた野家啓一の文を引用している〔「ゲーデル問題」問題 - 研究会日乗 〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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