翻訳と辞書
Words near each other
・ 脱感作量
・ 脱感受性
・ 脱慣れ
・ 脱抑制
・ 脱文
・ 脱晶油
・ 脱果粒
・ 脱果粒現象
・ 脱核
・ 脱植民地化
脱構築
・ 脱構築主義
・ 脱構築主義建築
・ 脱歴
・ 脱毛
・ 脱毛 (美容)
・ 脱毛、抜毛
・ 脱毛の治療
・ 脱毛剤
・ 脱毛娘。


Dictionary Lists
翻訳と辞書 辞書検索 [ 開発暫定版 ]
スポンサード リンク

脱構築 : ミニ英和和英辞書
脱構築[だつこうちく]
=====================================
〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

構築 : [こうちく]
  1. (n,vs) construction 

脱構築 : ウィキペディア日本語版
脱構築[だつこうちく]
脱構築(だつこうちく、、)は、「静止的な構造を前提とし、それを想起的に発見しうる」というプラトン以来の哲学の伝統的ドグマに対して、「我々自身の哲学の営みそのものが、つねに古い構造を破壊し、新たな構造を生成している」とする、20世紀哲学の全体に及ぶ大きな潮流のこと。
19世紀まで、論理整合性を重視する英米哲学と、主観性社会性を問題にする独仏哲学は、それぞれ独自に議論を重ねてきたが、この問題に至り、活発に相互参照と議論交流が起こる。
しかしながら、脱構築という思想においては、「脱構築という思想そのものもまた、つねに脱構築され、つねに新たな意味を獲得していく」ということを意味しており、それぞれの哲学者によって、またその発言の機会によって、主張の主眼が異なる。だが、この不定形さを受容することそのものが、脱構築である。
== デリダによる脱構築 ==
あるテキストがある事柄を伝える内容として読めるとき、それとは矛盾を起こす別のパラドキシカルな内容がテキスト中に含まれているとする。
マルティン・ハイデッガーの『存在と時間』において西洋の形而上学伝統が論じられる際にあらわれる「Destruktion」の仏語訳として採用されたもの。デリダは、直訳の「解体 Destruction」がもつ破壊的で否定的な意味合いを避け、「脱構築 Déconstruction」(dé-「分離、除去」 / construction「構築、建設」)を造語した。その意味で、彼の脱構築はハイデッガーの試みを継承するものと言える。
脱構築は、言葉の内側から''階層的な二項対立を崩していく''手法である、といえる。それはすべてを併置し「と」という接続詞を重視するドゥルーズの思想と呼応する。デリダは、プラトン以降の哲学が、王探し、ロゴス中心主義に陥っているとし、また、エクリチュール(書き言葉、デリダにおいては二項対立で劣位に位置する概念全てに当てはまる)に対するパロール(話し言葉、王の言葉。エクリチュールとは逆に、二項対立の優位に位置する概念)の優越を批判した。とはいえ、この批判は、エクリチュールのパロールに対する優越を意味するのではない。それでは単なる階層的な二項対立の優劣逆転に過ぎない。
デリダは、プラトンの中期対話篇の一つ『パイドロス』をモティーフに、古代ギリシア語の「パルマコン」という言葉を使って、脱構築を試みている。『パイドロス』の末尾では、ソクラテスがエクリチュールを批判し、パロールの優越を掲げているが、同作品の冒頭で、イリソス川を渡りながらソクラテスとパイドロスが古い言い伝えについて雑談する際に登場する言葉が「パルマコン」である。「パルマコン」は「」を意味すると同時に「」をも意味する点で、''決定不可能性''をもつ。この多義性は豊かさでもある。エクリチュールは文字であるから、人の記憶を保つとともに、記憶しようという意志を奪い取る。ここに、エクリチュールのもつ「薬」でありかつ「毒」のパルマコン的意味合いがある(多義性)。パロールはエクリチュールに先立って優越するといわれるが、その劣位のエクリチュールが逆にパロールを侵食している事態をデリダは暴き出す。パロール / エクリチュールという階層的二項対立は、原―エクリチュールに先立たれ、それがこの二項対立をむしろ生み出しているのである(しかしこの生み出すものは「根源」ではない)。このエクリチュールの概念は、そのまま存在に対する差延の概念に対応する。エクリチュールの海のような多様性の中から、存在―パロールが生まれいずるのである。
ヨーロッパで伝統的だった階層的な二項対立の形而上学システムは、こうした脱構築によって批判される。脱構築によってデリダは、二項対立によって回収されえない他者(差延)へのまなざしを呼び起こし、さらなる哲学の活性化を目指そうとした。したがってデリダの真意は形而上学の転覆にあるのではなく、むしろ真の意味での形而上学の新たな可能性を開くところと見るべきである。
脱構築は、哲学のみならず、人文系・社会系の学問でも広く応用され、有力な批評理論の一つともなっている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「脱構築」の詳細全文を読む




スポンサード リンク
翻訳と辞書 : 翻訳のためのインターネットリソース

Copyright(C) kotoba.ne.jp 1997-2016. All Rights Reserved.