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艦砲射撃 : ミニ英和和英辞書
艦砲射撃[かんぽうしゃげき]
(n) bombardment
===========================
: [かん]
  1. (n,n-suf) warship 
艦砲 : [かんぽう]
 (n) ship's guns
艦砲射撃 : [かんぽうしゃげき]
 (n) bombardment
: [ほう]
  1. (n,n-suf) gun 2. cannon 
射撃 : [しゃげき]
  1. (n,vs) firing 2. shooting 3. fire 4. gunshot 5. marksmanship 
艦砲射撃 : ウィキペディア日本語版
艦砲射撃[かんぽうしゃげき]

艦砲射撃(かんぽうしゃげき)は、軍艦が搭載する大砲(すなわち艦砲)で射撃を実施することである。本来の意味としては、標的が艦船であるか地上目標であるかは問わない〔海軍砲術学校『艦砲射撃心得』p.5〕。ただし、昨今では艦砲射撃と言えば軍艦を浮き砲台として使用し、陸上の目標を海上から攻撃するニュアンスを含んでいることが多い。対地射撃を実施する場合は、上陸前支援や、沿岸部での戦闘における支援射撃に活用される。
== 概要 ==
この項においては、対地射撃としての艦砲射撃を解説する。
艦砲射撃は、戦艦主砲など、陸上の野砲などと比べ口径の大きな大威力の大砲が使用できるため、支援射撃としてはかなりの効果があり、一説には「戦艦の主砲は4個師団に匹敵する」と言われたほどであった。2006年に戦艦「アイオワ」を最後に世界の戦艦が全て退役したため、第二次世界大戦時における戦艦の主砲で行ったような大打撃力の艦砲射撃はできなくなった。
尼港事件では、中国海軍日本軍兵営を砲撃し、装備の劣る赤軍パルチザンの勝利に貢献した〔 外務省 『日本外交文書 大正9年』第一冊下巻p773〕。
第二次大戦で有名なものでは、ドイツ海軍ポーランド侵攻時に準弩級戦艦シュレスヴィヒ・ホルシュタインで行ったのが同大戦最初の艦砲射撃であった。有力な敵勢力に対し行ったものであればフランス海軍が行った「ヴァード作戦」が世界初である。続いて、アメリカ海軍太平洋戦争朝鮮戦争ベトナム戦争および湾岸戦争で戦艦を利用し、アメリカ海兵隊上陸前支援として行ったものなどが挙げられる。沖縄戦では、艦砲射撃で地形が変わったとも言われており、生き残った沖縄の人間は戦後自分たちのことを「カンポーヌクェーヌクサー(艦砲射撃の喰い残し)」と表現した例がある。
第二次大戦後は、各種ミサイルの発展により、地対艦ミサイルによる沿岸防御、巡航ミサイルという攻撃手段の獲得により水上艦艇による艦砲射撃は終焉を迎えようとしていたが、1982年フォークランド紛争で上陸部隊の支援のために艦砲射撃が何度か行われている。その戦訓を取り入れて、イギリス海軍艦砲を搭載していなかった22型フリゲートの後期建造艦へ114mm砲を搭載している。戦艦については、その主砲が持つ大火力を天候に左右されず長時間にわたって投射し続ける能力や、航空機を用いた作戦と比較してコストパフォーマンスが良いことが注目されたが、戦艦自体のコストパフォーマンスの悪さもあり、戦艦が再び主力となることはなかった。
アメリカ海軍では、ベトナム戦争で地上部隊支援のため艦砲射撃を実施している。湾岸戦争においても再就役したアイオワ級戦艦2隻が陽動の意味も込めてクウェート沿岸へ艦砲射撃を行っている〔海兵遠征旅団の湾岸戦争&戦艦の艦砲射撃 軍事情報研究会 軍事研究 2012年7月号 P123-146 株式会社ジャパン・ミリタリー・レビュー〕。湾岸戦争では、有人機またはRQ-2 パイオニアによる弾着観測支援を受けており、約3週間にわたり計1,102発の16インチ砲弾を発射した〔。
127mm艦砲の射程は、通常砲弾では30kmほどだが、アメリカ海軍のアーレイ・バーク級ミサイル駆逐艦の後期建造艦(DDG-81以降)ではロケットモーターを使用し、射程を100キロ以上に延長する対地攻撃用誘導砲弾(ERGM)の使用が可能なMk45 Mod4 5インチ(127mm)砲を搭載していて、2015年頃から就役予定のズムウォルト級ミサイル駆逐艦では新型の155mm砲の搭載が計画されている。ズムウォルト級ミサイル駆逐艦に搭載される155mm砲の誘導砲弾では、精度の高い長距離射撃ができるようになり、艦砲射撃の精密性が向上する。ロケット補助推進弾を用いた場合、射程は約137km、半数必中界(CEP)は数十メートル以内となり、同時弾着能力も有する計画である〔。
低強度紛争武装組織に対抗するために、安価で過剰な破壊力を持たない艦砲の存在意義が再評価されるようになってきている最近の風潮がその背景としてあると言われている。結果的に艦砲の復権は、かつて艦砲を花形から裏方へ追いやった存在であるミサイルが、技術の発展のために当初の低コスト兵器とはあまりにもかけ離れた高価な兵器となったがゆえに起こった回帰と取られている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「艦砲射撃」の詳細全文を読む




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