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第三次ソロモン海戦 : ミニ英和和英辞書
第三次ソロモン海戦[だいさんじそろもんかいせん]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [だい]
 (n,pref) ordinal
第三 : [だいさん]
 (n) the third
第三次 : [だいさんじ]
 【名詞】 1. the third .. 2. tertiary
: [み]
  1. (num) three 
三次 : [さんじ, みよし]
 【名詞】 1. three times 2. cubic 
: [つぎ]
  1. (n,adj-no) (1) next 2. following 3. subsequent 4. (2) stage 5. station 
海戦 : [かいせん]
 【名詞】 1. naval battle 
: [いくさ]
 【名詞】 1. war 2. battle 3. campaign 4. fight 

第三次ソロモン海戦 : ウィキペディア日本語版
第三次ソロモン海戦[だいさんじそろもんかいせん]

第三次ソロモン海戦(だいさんじソロモンかいせん)は、1942年11月12日~15日にソロモン海で行われた日本海軍アメリカ海軍との間で行われた海戦のこと。アメリカ軍の勝利により日本軍増援部隊は阻止され、ガダルカナルの戦いはアメリカ軍優勢となった。
== 経緯 ==

1942年8月、アメリカ軍はウォッチタワー作戦を発動し、ガダルカナル島フロリダ諸島を占領した。日本軍はガダルカナル島の戦力を増強して米海兵隊から占領地を奪還しようと試みたが、その意図は同島のヘンダーソン飛行場から発進したアメリカ軍機によって輸送船団が撃退されて阻止される(第二次ソロモン海戦)。日本軍は、アメリカ軍機に襲撃されると大きな損害を出す輸送船による兵力増強を諦めた。代替手段として、日本海軍は駆逐艦を輸送船のかわりに用いる鼠輸送(連合軍側名称『トーキョーエクスプレス』)で補給を続けたが、敵主力艦を撃沈するために建造された艦隊型駆逐艦にとって不向きの任務だったことは否めない〔#吉田比叡p.188-189〕。また駆逐艦の輸送力は輸送船に比べてあまりにも小さく、その補給効果は限定的だった〔#8艦隊日誌(3)p.13〕。さらにアメリカ海軍の迎撃やアメリカ軍魚雷艇の活動によって駆逐艦の損害も増えた〔#8艦隊日誌(3)p.5〕。
日本海軍は制空権掌握の障害となるヘンダーソン飛行場に対し4回の艦砲射撃をおこなっていた。特に1942年10月13日深夜から翌14日にかけて金剛型戦艦2隻(金剛榛名)が砲撃を行い、一時的に飛行場を使用不能とした(ヘンダーソン基地艦砲射撃)〔#豊田撃沈p.90。弱装薬での発射。〕。それでも飛行場の機能を完全に奪うには至らず、日に日に機能の修繕及び防衛の増強が行なわれていた。海上からの砲撃と並行して、ニューブリテン島のラバウル基地から日本軍ラバウル航空隊第十一航空艦隊第二五一海軍航空隊等)、ニューギニア島のブナ基地から第二〇四航空隊や空母隼鷹、飛鷹の航空隊がガダルカナル島上空に出撃して飛行場爆撃やアメリカ軍戦闘機駆逐を試みたが失敗し〔「204空飛行機隊戦闘行動調書(1)」等〕、アメリカ軍の航空戦力は健在だった。戦争初期、空中格闘戦能力の高さで連合軍機を圧倒した零式艦上戦闘機(以下、零戦)も、制空戦闘では「往路2時間、ガダルカナル上空での空中戦(滞在時間約30分以下)、帰路2時間」〔「204空飛行機隊戦闘行動調書(1)」p.9等〕、零戦より速度のでない一式陸上攻撃機爆撃隊を掩護する任務では「片道4時間、直掩戦闘、帰路4時間、合計8時間」〔「飛鷹飛行機隊戦闘行動調書(1)」p.43
 「252空 飛行機隊戦闘行動調書(2)」pp.8-9〕という長時間の任務となり、損害を増やした。
日本軍が航空戦に苦戦する一方、アメリカ軍はエスピリトゥサント島を基地とするB-17大型爆撃機(通称、フライングフォートレス=空飛ぶ要塞)の活動とアメリカ軍潜水艦の遊弋によって〔#4水雷詳報(2)p.6「敵潜水艦の活動は終始活発にして積極的に攻撃行動に出てその技量もまた侮り難きものあり、警戒を要す」〕、日本軍の行動力を著しく妨げていた〔#愛宕日誌(6)p.5〕。ガダルカナル島の日本陸軍に補給物資を届けることがますます難しくなり〔#4水雷日誌(1)p.3〕、日本軍にとってガダルカナル島の戦局は悪化の一途を辿っていった。そこで日本海軍(連合艦隊)は、大口径砲を装備した戦艦による艦砲射撃をふたたび実施して飛行場を破壊、同時に陸軍第三十八師団と大量の補給物資をガダルカナル島に強行輸送し、同島のアメリカ軍を圧倒するという決断を下す〔#戦藻録(九版)p.227、#4水雷日誌(1)p.3、#8艦隊日誌(3)pp.11-17〕。第十一戦隊の金剛型戦艦2隻(比叡霧島)を中核として「第五次挺身隊」を編成し、彼らに第三十八師団上陸の前にヘンダーソン基地の砲撃を命じた。比叡、霧島とも就役してから30年が経過していたが、改装によって速力30ノットを発揮する高速戦艦となり、真珠湾攻撃ミッドウェー海戦で空母機動部隊の護衛艦をつとめるなど、第一線級の能力を持っていた。特に比叡は大和型戦艦のテスト艦として装備が改良されていた。
吉田俊雄(海軍少佐、軍令部勤務)は「本来海軍が担当すべきガダルカナル島で陸軍が苦労している。せめて海軍は艦砲射撃で掩護しなければならない」という、陸軍に対する日本海軍の引け目が作戦の背景にあったと指摘している〔#吉田比叡195-196頁〕。比叡、霧島を擁する第十一戦隊や各艦将校は「柳の下のドジョウ掬いで2回目は危ないのではないか」と懸念を示していたが、山本五十六連合艦隊司令長官がみずから陣頭指揮をとることを示唆すると、作戦を了承したという〔#怒りの海p.67、#吉田比叡p.196、#豊田撃沈pp.124-125〕。それでも、日本海軍はアメリカ軍の空母機動部隊が10月26日の南太平洋海戦で壊滅したとみて、アメリカ軍による妨害を排除可能と判断〔#吉田比叡185-186頁、#夕立詳報p.3、#ワシントンp.134〕。第三十八師団は最大速力15ノット以下の輸送船11隻に分乗し、11月13日を上陸予定日としてショートランド泊地を出港。南東に針路をとりガダルカナル島へ向かった〔#2水雷詳報(2)pp.1-2〕。11月9日、第四戦隊、第三戦隊、第十一戦隊、第八戦隊、第十戦隊(軽巡長良、第十六駆逐隊)、第三水雷戦隊(軽巡川内、第六駆逐隊、第十五駆逐隊、第十一駆逐隊)、第二航空戦隊・空母隼鷹がトラック泊地を出撃した〔#愛宕奮戦記p.229、#戦藻録(九版)p.228〕。
アメリカ海軍は日本軍の動きを察知すると、機先を制するように動き出した。ニューカレドニアヌーメアにいたウィリアム・ハルゼー提督がガダルカナル島にいるアメリカ海兵隊のバンデクリフト少将との約束を守るべく行動を開始し、ハルゼー提督はリッチモンド・K・ターナー少将に陸軍第182歩兵連隊、第4海兵隊補充大隊、第1海兵隊航空技術者大隊をガダルカナルに投入するよう命じ、また南太平洋海戦で受けた損傷を修理中の空母エンタープライズを中核に、新世代のノースカロライナ級戦艦ワシントンサウスダコタ級戦艦サウスダコタ、巡洋艦ノーザンプトン、サンディエゴ、駆逐艦8隻をもって、第16任務部隊を編成した〔#ワシントンp.134〕。ダニエル・キャラハン少将に対しては、指揮下の巡洋艦サンフランシスコ、ペンサコラ、ポートランド、ヘレナ、ジュノー、駆逐艦10隻の第67任務部隊4群をもってターナー輸送船団の護衛を命じた〔。海兵隊航空地上要員部隊は、輸送艦ゼイリン(''USS Zeilin, APA-3'')、リブラ (''USS Libra, AK-53'') 、ベテルギウス(''USS Betelgeuse, AK-28'')に乗艦し、ノーマン・スコット少将が率いる第62任務部隊第4群(巡洋艦アトランタ、駆逐艦4隻)に護衛され、ガダルカナル島へ向かった〔#ワシントンp.135〕。
11月11日、第16任務部隊はダンベア湾を出港した〔。日本艦隊も米艦隊の出撃を第十一航空艦隊の偵察により察知した。当初は「戦艦3、巡洋艦1、駆逐艦4」という規模の艦隊と「重巡洋艦2隻、軽巡洋艦3隻、駆逐艦11隻」に守られた10隻程度の輸送船団がガダルカナル島に接近しているという情報だったが〔#4水雷日誌(2)p.13、#2水雷詳報(3)p.23、#五月雨p.136、#戦藻録(九版)p.229、#豊田撃沈p.129〕、12日に「戦艦は防空巡洋艦の誤り」という訂正電報が入った〔#戦藻録(九版)p.230、#豊田撃沈p.129、#4水雷日誌(2)p.15、#4水雷詳報(2)p.1〕。また第八五一航空隊の偵察機は「敵大機動部隊発見」を報告し、日本軍は米空母の出現を知った〔「851空 飛行機隊戦闘行動調書(1)」p.15〕。その一方で、日本軍はガダルカナル島のアメリカ軍航空戦力を戦闘機20、艦上爆撃機20程度と推測し〔#2水雷詳報(3)p.21〕、11日には第十一航空艦隊がアメリカ軍戦闘機11機を撃墜〔#2水雷詳報(3)p.23〕、第二〇四空が24機撃墜を報じた〔「204空飛行機隊戦闘行動調書(1)」p.12〕。空母飛鷹の航空隊(陸上基地発進。零戦12、艦上爆撃機9)に至っては、ガダルカナル島周辺のアメリカ軍巡洋艦1隻、駆逐艦5隻、輸送船3隻を攻撃して「米軍機撃墜25、駆逐艦1隻、輸送船1隻撃沈(零戦3、艦爆4喪失)」を報告している〔「飛鷹飛行機隊戦闘行動調書(1)」pp.48-49〕。宇垣纏連合艦隊参謀長は、航空隊の戦果報告と、ガ島日本軍陸上部隊からの戦果報告が全く一致しないことに「全然別個の一群存在するや否や総合判断に苦しむ」と困惑していた〔#戦藻録(九版)p.230〕。このような状況下、日米両軍は期せずして、船の墓場と両軍がよぶ「アイアンボトム・サウンド(鉄底海峡)」(サボ島とガダルカナル島周辺海域)に引き寄せられていった〔#ワシントンp.136〕。
11月12日、日本艦隊は戦艦比叡を旗艦とするガダルカナル島砲撃艦隊(挺身艦隊)と、第三戦隊(金剛型戦艦金剛榛名)と空母隼鷹を含む支援艦隊の二手にわかれた〔#3戦隊日誌(2)p.8、#愛宕奮戦記p.234、#11戦隊詳報(5)p.6〕。日本軍より一足はやくガダルカナル島に到着したアメリカ軍は、島で待つアメリカ軍海兵隊に増強兵力、補給物資の揚陸を開始した。9:30(アメリカ軍時刻)、ブナ基地から発進した空母飛鷹航空隊の九九式艦上爆撃機9機が攻撃したが、戦果なく撃退された。11:00、ラバウルから飛来した第十一航空艦隊の一式陸上攻撃機27機が方面からガダルカナル島上空に出現したが、アメリカ軍輸送船団を識別できずヘンダーソン飛行場を爆撃して去った。午後12時30分、第二〇四空の攻撃隊がガダルカナル島に向かったが、天候不良のため引き返した〔「204空飛行機隊戦闘行動調書(1)」p.14〕。14:10(日本時間午後12時~12時30分)、第二五三海軍航空隊第五八二海軍航空隊の零戦18機に護衛された29機の一式陸攻が出現〔「253空 飛行機隊戦闘行動調書(1)」pp.14-15
「582空 飛行機隊戦闘行動調書(1)」pp.3-4〕。29機の所属は、9機が第七〇三空(8機喪失)〔「703空 飛行機隊戦闘行動調書(1)」pp.41-43〕、7機は第七〇五空(5機喪失)〔「705空 飛行機隊戦闘行動調書(1)」pp.7-8〕、4機は第七〇七空(3機喪失)〔「707空 飛行機隊戦闘行動調書」p.8〕である(残9機所属不明)。攻撃隊はフロリダ諸島上空で二手に分かれると、8メートルから16メートルの超低空から攻撃を仕掛けた。アメリカ軍戦闘機の迎撃と、防空巡洋艦アトランタ、ジュノーをふくめたアメリカ軍艦艇の対空砲火により一式陸上攻撃機は戦果なく撃退されたが、1機の一式陸攻がサンフランシスコに体当たりし火災を発生させた。日本挺身艦隊もアメリカ軍輸送船団の揚陸作業と護衛巡洋艦について情報を得ていたが〔#4水雷日誌(2)pp.15-17〕、航空攻撃に対する戦果は実際のアメリカ軍被害にくらべてかなり大袈裟だった。攻撃隊は「重巡洋艦1、軽巡洋艦1撃沈、輸送船3炎上」と報告〔「703空 飛行機隊戦闘行動調書(1)」p.42等〕、日本軍第十一航空艦隊は「米重巡洋艦1隻撃沈、重巡洋艦4隻炎上中」と各部隊に通知した〔#4水雷日誌(2)p.17〕。第十八戦隊は「米軍輸送船1隻撃沈、米軍重巡洋艦1隻、輸送船1隻大火災、重巡洋艦1隻黒煙噴出、駆逐艦2隻白煙、米軍戦闘機19機撃墜」と受信している〔#18戦隊日誌(6)p.13〕。
こうして日本軍の航空攻撃は失敗し、アメリカ軍はガダルカナル島に増援兵力を輸送することに成功した。12日午後、アメリカ軍はB-17爆撃機による航空偵察をおこない、ガダルカナル島に接近する日本軍艦隊を発見する〔#ワシントンp.138〕。そこでターナーは自身の護衛艦隊から巡洋艦3隻(アトランタ、ジュノー、ヘレナ)、駆逐艦2隻を分離させ、キャラハン少将の艦隊に加えた〔。一方、12日午後3時30分、田中少将率いる輸送船団と護衛艦隊はショートランド泊地を出港した〔#2水雷詳報(3)p.24〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「第三次ソロモン海戦」の詳細全文を読む




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