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第一号型輸送艦 : ミニ英和和英辞書
第一号型輸送艦[だいいちごうがたゆそうかん]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [だい]
 (n,pref) ordinal
第一 : [だいいち]
  1. (adv,n) first 2. foremost 3. # 1 
: [いち]
  1. (num) one 
一号 : [いちごう]
 (n) number one
: [ごう]
  1. (n,n-suf) (1) number 2. issue 3. (2) sobriquet 4. pen-name 
: [かた]
 【名詞】 1. mold 2. mould 3. model 4. style 5. shape 6. data type 
: [かん]
  1. (n,n-suf) warship 

第一号型輸送艦 : ウィキペディア日本語版
第一号型輸送艦[だいいちごうがたゆそうかん]


第一号型輸送艦(だいいちごうがたゆそうかん)は、大日本帝国海軍輸送艦の艦級〔#内令昭和19年2月(1)p.47『内令第二百九十六號 艦艇類別等級別表中左ノ通改正ス|昭和十九年二月五日 海軍大臣嶋田繁太郎|軍艦、航空母艦大鷹型ノ項中「、冲鷹」ヲ削ル|輸送艦、一等峯風型ノ項中「、沼風」ヲ、同二等若竹型ノ項中「、芙蓉」ヲ削ル|潜水艦、二等呂百型ノ項中「呂號第百、」ヲ削ル|海防艦ノ項ノ次ニ左ノ一項ヲ加フ |輸送艦|一等|第一號型|第一號| 』〕。昭和19年度(1944年)に計画された強行輸送艦で、一等輸送艦に分類された〔。当初は「特務艦特型」を略して「特々」と呼ばれていた。なお、一等輸送艦に分類された艦級が他に無いため、単に一等輸送艦と呼ばれることも多い〔#日本補助艦艇物語109-110頁『(1)第一号型(一等輸送艦)』〕。日本海軍の公式分類は種別「輸送艦」、等級「一等」、艦型名「第一號型」〔海軍大臣官房編集「艦艇類別等級(別表)」(昭和19年2月5日付 内令第296号に係る改訂分以降に収録)、および本艦型艦名の加除に係る各内令による。〕、艦名は「第○號輸送艦〔昭和19年2月5日付 内令第297号ほか、本艦型艦名の命名もしくは各艦本籍地の決定に係る各内令による。「○」の部分には漢数字が入る。また「輸送艦」を追加した後の「艦艇類別等級(別表)」の【備考欄・四】において砲艦、海防艦、輸送艦を呼称するには「砲艦何」「海防艦何」「第何号輸送艦」を以てすと明記されている。〕」である。
日本海軍で最初にブロック工法を導入した艦型とされる〔#主要々目及特徴一覧表p.11『摘要(特徴)|敵制空下ヲ突破シ第一線ニ高速補給ヲス。大発4隻艦尾ヨリ発進可能又特型戦車ノ発進可能。多数建造ノ為模型ニヨリ艦体ヲ陸上ブロックニヨリ加工、艤装後ノ一部ヲ取付ケル方式ヲ採用セル最初ノ艦型。工数5900、期間4ヶ月』〕。
== 概要 ==
日本海軍はガダルカナルの戦いニュージョージア島の戦いなどソロモン諸島の戦いにおいて航空優勢の獲得に失敗し、敵制空権下に海上輸送を行うこととなった。低速の輸送船は航空攻撃を受けて容易に撃退されてしまい(第二次ソロモン海戦等)、高速駆逐艦を用いた輸送(鼠輸送)では大量の物資を運ぶことができなかった。そのため、高速大量の輸送ができる新型輸送艦の開発と配備が各方面から求められていた〔#日本補助艦艇物語107-108頁『輸送艦』〕。例えば1943年(昭和18年)3月3日のビスマルク海海戦で駆逐艦「時津風」以下護衛駆逐艦4隻・輸送船8隻を撃沈された第八艦隊戦闘詳報の中で『高速小型輸送船(差當リ駆逐艦巡洋艦ノ改装ニ依リ)ニ依リ輸送力強化ヲ要ス』と訴えている〔#昭和17年9月~第8艦隊日誌(6)pp.24-25『八十一号「ラエ」作戦々訓ニ鑑ミ左ノ件至急実現ノ要アリト認ム』〕。これらの要望に応える形で、「敵制空権下で最前線に高速補給を行う」ことを主任務とする本型が登場した〔〔。また同様の経緯で、日本陸軍と共同使用を前提としたSB艇(二等輸送艦)も開発され、最前線に投入されている〔。
本型は1943年(昭和18年)から設計に入っている〔小艦艇入門―海軍を支えた小艦徹底研究 木俣滋郎 光人社 ISBN 9784769822547〕。当初は丁型駆逐艦(松型駆逐艦)の主機械を一軸に減らし、空いた部分に物資を搭載するという計画だったが、のちに輸送能力を強化した新艦型を設計することになった〔#戦史叢書海軍戦備(2)98頁『一等輸送艦』〕。本来の任務たる急速補給任務にくわえ、大発動艇水陸両用戦車を搭載しての攻撃的運用も要求されたため、艦尾発進のためのスロープを設けることにしたのである〔。
第一号艦は昭和18年11月5日に起工、1944年(昭和19年)2月5日、一等輸送艦・第一号型という艦種が制定〔。2月8日に進水、5月10日に竣工した〔。前甲板には自衛用の12.7cm連装高角砲を装備し、対潜装備として爆雷や水中探信儀も装備された〔。輸送船団と行動を共にする場合、護衛艦としての任務も兼ねることが出来た〔。後期艦には四式水中聴音機も装備されるなど、対潜兵装は強化されている〔〔。大発動艇などの上陸用舟艇搭載のためデリック3基を装備し、後部甲板がスロープになっている。揚陸作業の際はスロープ上からそれらを泛水させる。速力10ノット程度ならば甲標的の洋上発進可能と判明したため、太平洋戦争末期にはここに甲標的回天を搭載・輸送した艦もあった〔。同様にスロープを流用して機雷敷設艦任務にも使われた。大発動艇4隻、補給物件300トンの輸送を可能としている〔〔#日本補助艦艇物語109頁(14m大発動艇四隻、自艦用13m中発動艇1隻)〕。ブロック建造方式を採用し、生産性も考慮されていた〔。呉海軍工廠で建造された第一号型は、大和型戦艦1番艦「大和」を建造した船渠で二隻ずつまとめて建造され、約1ヶ月での船台工程約1ヶ月での完成を目指したという〔。同地では海岸に本型の実物大模型を製造し、各種の試験や実験をおこなった〔。
46隻が計画され、21隻が建造〔#日本補助艦艇物語110頁(三菱横浜5隻、呉工廠16隻)〕。未成1隻。21隻中16隻が戦没した。完成後、僅かな訓練時間を経て戦地に投入され、その作戦性格上、強行輸送に投入され、二等輸送艦と共に殆どの艦が失われた〔。また、敗戦時の軍部の内部文書焼却で、沈没位置や最後の様子、正確な乗員の名簿、乗員の構成すら残っていないものも多い。
戦後、特別輸送艦の指定を受けた艦は「輸第何号」と改称のうえ復員輸送や捕鯨に従事した〔昭和20年12月20日付 第二復員省 内令第12号。〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「第一号型輸送艦」の詳細全文を読む




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