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整体 : ミニ英和和英辞書
整体[せいたい]
(n) chiropractic整体 : [せいたい]
 (n) chiropractic
整体 : ウィキペディア日本語版
整体[せいたい]

整体(せいたい)とは、日本語では主に手技を用いた民間療法代替医療を指す。日本語としては、大正時代に用いられるようになった用語で、アメリカで誕生したカイロプラクティックオステオパシースポンディロセラピーなどを日本古来の手技療法と組み合わせ、「整体」や「指圧」と名付けたのが始まりのようである〔丁 宗鐵 監修 『手技療法年鑑』、たにぐち書店、2008年〕。現在俗に用いられる意味では、カイロプラクティック(脊椎指圧療法〔大谷晃司・菊池臣一 「カイロプラクティックとオステオパシー」、今西二郎 編『医療従事者のための補完・代替医療』 金芳堂、2009年、改訂2版〕)に似た骨格の矯正(主に脊椎)を目的とした手技療法を指してつかわれることが多い〔。を指しているという意見もある。
なお、中国語の「整体」は全体、総体、または全体観(ホーリズム)という概念を意味しており、日本語の体の筋骨を整える治療技術を指す整体とは意味が異なる〔三浦於菟 著 『東洋医学を知っていますか』 〈新潮選書〉、新潮社、1996年〕。たとえば「整体看護」は、プライマリーナーシング(受持看護師制、看護過程〔1人の患者の入院から退院まで、1人の看護師が継続して受け持つこと。〕)の中国語訳である〔「中国における整体看護の普及に向けての青年海外協力隊の取り組み : 看護過程学習会における質問紙調査からの検討」 辻村弘美 群馬大学医学部保健学科臨床看護学 〕。中国語の整体は手技療法を意味しない。中国医学や中医学では、「整体」(整体観、整体観念)は基本概念のひとつである。人間の身体を一つの統一性ある有機体と見なし、万物を相互に関連付けるといった考え方を意味しており〔漢方の基礎 第6回 河村昭 別府薬剤師会〕、ユナニ医学(ギリシャ・アラビア医学)やアーユルヴェーダ(インド伝統医学)にも同様の概念が見られる〔梶田昭 著 『医学の歴史』 〈講談社学術文庫〉、講談社、2003年〕。全体観は、伝統医学においてはよく見られる考え方である。
日本語の「整体」と中国語の「整体」(整体観、整体観念)の意味は異なるが、本記事では主に日本語の整体について説明する。整体観についてはホーリズムを参照のこと。
== 概説 ==
現在の日本で俗に用いられる整体という用語は、カイロプラクティックに似た骨格の矯正(主に脊椎)を目的とした手技療法をさしてつかわれることが多い〔。を意味しているという意見もあるが、統一された体系はない。野口晴哉による整体操法(野口整体)が戦後有名になったことで、知られるようになった用語である〔。
京都府立医科大学大学院教授今西二郎編『医療従事者のための補完・代替医療 改訂2版』でボディワークの項を執筆した鍼灸師津田昌樹〔鍼灸師のご紹介 〕は、整体という日本語は、大正時代にアメリカで誕生した手技療法オステオパシーを「整体」と訳したのが始まりのようであると述べている〔今西二郎 編『医療従事者のための補完・代替医療』 金芳堂、2009年、改訂2版〕〔命名者や命名の経緯、意図などが不明であり、当時中国医学の「整体観」が日本でどの程度一般的であったかわからないため、整体が中国医学の整体観に由来する用語であるかは不明である。〕。または、同じくアメリカで誕生した手技療法・カイロプラクティックの訳語としても用いられたともいわれる〔。(2001年の『プログレッシブ和英中辞典(第3版)』では、「整体術」に当たる英語として、chiropractic(カイロプラクティック)、osteopathy(オステオパシー)が掲載されている〔『プログレッシブ和英中辞典(第3版)』 小学館、2001年〕。)
大正期には、カイロプラクティックオステオパシー、同じく脊椎に働きかける手技療法・スポンディロセラピー(脊椎反射療法)〔脊椎の棘突起やその両側の皮膚 ・筋肉に叩打、押圧、振動法、温熱 ・冷却などの刺激をおこない脊髄反射中枢に刺激を与え治癒をうながす療法。現在では衰退しているが、指圧や整体、身体均整法の源流のひとつといわれる。“あんま・マッサージ・指圧師” の国家資格を取得するための教科書にも、指圧に影響を与えたものとしてオステオパシー、カイロプラクティックと共に名前を挙げられている。(指田)〕などがアメリカから導入された。これらの理論と技法を学んだ人々が、中国や南蛮(ヨーロッパ)の技術・理論を取り入れて発展した日本の手技療法などを導入してアレンジを施し、アレンジした自らの療法も整体、整体術と呼んだようである〔カイロプラクティックあれこれ 前田滋 〕〔日本のカイロプラクティックの歴史 カイロジャパンどっとコム〕。オステオパシーを日本に紹介したパイオアニアで、後に整体操法制定委員会に参加した山田信一は、1921年(大正10年)の『山田式整體術講習録』(山田式整体術講習録)で、オステオパシー、プラナ療法(プラーナ療法)〔吉永進一「近代日本における神智学思想の歴史(<特集>スピリチュアリティ)」 宗教研究 84(2), 579-601, 2010-09-30 日本宗教学会 によると、プラナ療法は、ヨギ・ラマチャラカを名乗る人物による療法である。インド人ヨガ行者とされたラマチャラカの正体は、アメリカ人ニューソート教師で、フリーメーソン団員にして神智学協会会員、ペンシルヴァニア州の弁護士で催眠学の教授であった である。プラナ療法は、西洋のエソテリシズム(秘教)の生命エネルギー概念をインド思想に読みこんだもので、インドの療法ではない〕〔バラ十字会の歴史 その15 ハーヴェイ・スペンサー・ルイス(後半)クリスチャン・レビッセ キバリオン 〕、精神療法を紹介し、オステオパシーは「整体術」「山田式整体術」などの名で日本に広まった〔日本におけるオステオパシー医学の歴史 日本オステオパシー医学会〕〔日本のオステオパシーの歴史 日本オステオパシー連合〕〔オステオパシーの歴史と世界の大学 〕。
「整体」という言葉が普及する契機となった野口晴哉による整体操法(野口整体)は、愉気といわれる触手療法(手当て療法)、操法と呼ばれる手技療法、行気法、活元運動、整体体操、体癖論、潜在意識教育などの独特のアプローチからなり、人間に内在するという自然治癒力を発揮させることを目指すものである〔。野口は非常に多忙であったため、1回の施術に3分以上かけることはまれであったといわれ、整体操法はシンプルなものになった〔。また、整体法治療家の指田太志は、カイロプラクティックは日本で一定の知名度を得るまで 「整体」 と名乗って施術しているところが多く、混乱を招いていたと述べている〔整体操法整体委員会.2 指田太志〕。
徒手的治療法により種々の症状を改善することを目指す治療法は「マニピュレーション」と総称されるが、この代表的なものがカイロプラクティックオステオパシーである〔。自然治癒力を活かすことと手技療法が中心であるという共通点があるが、治療哲学やアプローチの仕方は異なる。どちらも19世紀後半にアメリカで誕生した療法である〔。カイロプラクティックは脊椎間のサブラクセーション(亜脱臼、不全脱臼)〔カイロプラクティックでは、脊椎間のサブラクセーションが最終的に神経機能の失調をもたらし、身体機能の障害・免疫力の低下などを引き起こすと考えている。誤解が起きやすいが、カイロプラクティックのサブラクセーションと整形外科のサブラクセーションは、全く異なる概念である。整形外科におけるサブラクセーションは、「不完全または部分的な脱臼」でX線写真でとらえることができる。カイロプラクティックでは「隣接関節構造の正常な動力学的、解剖学的あるいは生理学的な関係の変調」とされ、脊椎椎間関節などの関節の脱臼には至らない変異や正常な可動域の減少・増加であるとしている。この定義では、X線写真だけではカイロプラクティックのサブラクセーションをとらえることはできない。オステオパシーでは同様の概念を、「リージョン」または「体性機能異常」と呼んでいる。(大谷晃司・菊池臣一)〕を徒手的手技によって矯正(アジャストメント)し、身体機能を治そうとするものである。オステオパシーは、身体の異常な構造は体循環に悪影響を及ぼし、神経伝達や内分泌、体液の循環を阻害すると考え、脊椎だけでなくすべての筋肉や骨格、内臓器、頭蓋骨が手技の対象となる。脳髄液の循環の改善やリンパの流れの改善も目的とされる〔。カイロプラクティックオステオパシーの理論・技法は、整体や指圧といった日本の手技療法に大きな影響を与えた。
整体に定まったやり方はなく、人によって理解・解釈は異なる。大正時代に日本に伝わったオステオパシーカイロプラクティックなどの欧米伝来の手技療法を中心とする整体、日本武術柔術骨法などの流派に伝わる手技療法を取り入れた整体、中国医学の手技療法を用いる整体、各団体の独自の理論や思想などを加えた整体などが存在するともいわれる。民間療法であり、医療制度から見れば補完代替医療の一種〔代替医療の項を参照。〕であるが、保険適用外であるため、通常医療と共に病院で補助療法として用いられることはない。制度からは医業類似行為の一種とされる。「整体術」・「整体法」・「整体療法」 とも呼ばれる。明治末ごろから市井に出現した民間療法で、指圧、カイロプラクティックオステオパシー、光線療法、電気治療などの手段を用いて保険治病の目的で業となす行為を「療術」というが〔井村宏次 著『霊術家の黄金時代』 ビイング・ネット・プレス、2014年〕、整体もこの一つとされた〔井村宏次『霊術家の饗宴』〕 。療術は免許給付の法律もなく、昭和期まで法的には野放しになっていた〔。整体やカイロプラクティック等と呼ばれる法的資格制度のない手技による医業類似行為は、施術者の技術水準や施術方法がばらばらな状況にあり、健康被害が問題となっている。
なお柔道整復(接骨・整骨)は法的資格制度のある手技であり、整体とは区別される。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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