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二村山 : ミニ英和和英辞書
二村山[ふたむらやま]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [に]
  1. (num) two 
: [むら]
 【名詞】 1. village 
: [やま]
 【名詞】 1. (1) mountain 2. (2) pile 3. heap 4. (3) climax 5. critical point 

二村山 : ウィキペディア日本語版
二村山[ふたむらやま]

二村山(ふたむらやま)は、愛知県豊明市にある標高71.8メートルのである。
豊明市の最高地点であり、眼下に広がる濃尾平野岡崎平野のかなたに猿投山伊吹山地御嶽山までを一望にしうる景観は名勝として古くから知られる。歌枕ともなり、平安時代の頃から数多くの歌や紀行文の題材にされてきた。現在でも山頂から山麓にかけて、その長く風趣な歴史を物語る歌碑・石碑がいくつか残されている。
== 概要 ==

=== 自然 ===
豊明市の北東から南西にかけて続く緩やかな丘陵群は、豊田市藤岡地区付近から南知多町付近まで北東-南西方向に伸びる「猿投-知多上昇帯」と呼ばれる隆起帯の一部とされる〔『豊明市史 本文編』:3-4ページ〕。「猿投-知多上昇帯」は大府市付近を境に南北に分けられ、豊明市が立地する北部の猿投上昇帯は、この上昇帯の隆起軸と併走する活断層「猿投-境川断層」の影響を受けながら、北西側の地塊が南東側の地塊を覆い被すように隆起を続けているという〔『豊明市史 総集編』:89ページ〕。丘陵地一面の地層をみると、下部では、東海層群に属しおよそ400-250万年前に堆積したとみられる「矢田川累層」のシルト層や層などが複数の層にわたって重なり合い、その上部は砂礫層が覆い、頂上近くで更新世の「八事層」と呼ばれる赤褐色の砂礫層が散在する〔『豊明市史 総集編』:199-200ページ〕。
これらの丘陵地において、山麓の多くは宅地造成などのために開発され、現在残された緑地をかろうじて保持している数少ない丘陵の頂上部分のひとつが二村山である。植物・野鳥の生育地として認識されており、都市計画上では12.2ヘクタールが「二村山緑地」に指定されているほか、豊明市による用地買収も進んでいる〔二村山保全整備の基本的考え方 二村山環境保全推進協議会ウェブサイトより、2012年5月28日閲覧〕。土壌はおおむね乾燥しているものの一部に湿地があり、崖地や急傾斜地のような変形地も見られる〔。全般的な植生では、高木層で落葉広葉樹針葉樹が広がり、低木層は常緑広葉樹が優勢である。ササセイタカアワダチソウによる草地、一部シュロの混在した竹林なども随所に見られる。
近世以降、人家が近い里山では一般的に、燃料や暖房、緑肥などに用いるためる枝葉・下草といった有用資源が採集され尽くしたことで荒廃した箇所が多く〔『豊明市史 資料編補七 自然』:56ページ〕、二村山もまた同様の理由から、むき出しの地肌にところどころ背の低いコナラやアカマツが点在するようなはげ山であったといわれる〔。しかし1960年代頃より、エネルギー革命を経て燃料媒体が石油などにとって替わられ、また化学肥料が普及してきたことで、山野でのむやみな伐採や採集が収束、二村山の姿は徐々に成長した高木で覆われた緑豊かな姿に変貌している。景観保全の面では、江戸時代の頃からソメイヨシノ植樹が行われるなどされ〔、後年にはツツジの植裁・展望台散策路整備、近年でも北東側山麓に自然散策路が整備されるなどしている。春にはヤマザクラコバノミツバツツジなどの花が咲き誇り、初夏になると新緑が映え、秋にはコナラハゼノキタカノツメアオハダが色とりどりに紅葉するなど四季の魅力に富んでいるが、他方で柴刈りや落葉かきなどの人の手による維持が加えられなくなった雑木林では遷移が進み、低木層の常緑広葉樹や竹林の繁栄によって他の生物相の存続が危ぶまれる箇所も多くなり〔、計画的な伐採間引き植林などによって、行政と二村山環境保全推進協議会といった民間の団体が共同で自然の形態を保持しようとしている。
植生を詳しく見ていくと、西側山麓では、5メートル以上の高木層は大部分のコナラの中にサクラカキノキなどが混じり、おおむね落葉広葉樹が広がっている。低木層では常緑広葉樹のカクレミノ、落葉広葉樹のヤマウルシムラサキシキブの姿が見られ、林床にはネザサが一面に生え広がっている〔二村山の植生調査 平成17年10月~18年2月 二村山環境保全推進協議会ウェブサイトより、2012年5月28日閲覧〕。北側山麓では、5メートル以上の高木層ではクリ・アオハダ・サクラなどの落葉広葉樹とクロマツオキアガリネズなどの針葉樹が混在する中で、竹林の進出も見られる。低木層では常緑広葉樹であるヒサカキの分布がいちじるしく、地上への光を遮っているためか林床に自生する植物は少なく、マンリョウヤブニッケイが多少見られる程度である〔。ごくわずかながら湿地帯があり、モウセンゴケギボウシといった希少な湿性植物が自生している〔。北東側山麓では、近年竹林の進出がすさまじく、他の植生への悪影響が危惧されたことを受けて2003年平成15年)頃に大量伐採されている。高木層でハゼノキ、ヒサカキなどが少量見られるほかは、竹林伐採後に成長した低木の割合が非常に多く、イソノキカクレミノ・コナラの稚樹などが主である〔。一部では、スギヒノキなどの植林も行われている。

File:Cliff of Futamurayama, Toyoake 2012.JPG|小峠と呼ばれる南東麓に見られる崖地の露頭
File:Rhus Succedanea (Hazenoki) Futamurayama, Toyoake 2012.JPG|二村山駐車場付近にあるハゼノキ(6月)
File:Paulownia Tomentosa (Kiri) Futamurayama, Toyoake 2012.JPG|二村山駐車場付近にあるキリ(6月)
File:Futamurayama Kamakura Kaidou3, Toyoake 2012.JPG|西麓の鎌倉街道沿いにあるコナラの群落(6月)
File:Dendropanax Trifidus (Kakuremino) Futamurayama, Toyoake 2012.JPG|散策路で見られるカクレミノ(5月)
File:Ilex Macropoda (Aohada) Futamurayama, Toyoake 2012.JPG|散策路で見られるアオハダ(5月)
File:Quercus Serrata (Konara) Futamurayama, Toyoake 2012.JPG|散策路途中にある広場に茂るコナラ(5月)
File:Dicranopteris Linearis (Koshida) Futamurayama, Toyoake 2012.JPG|散策路で見られるコシダ(6月)
File:Futamurayama Observation Deck with the Cherry Blossoms, Toyoake 2011.JPG|ソメイヨシノで覆われた二村山展望台(4月)


抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「二村山」の詳細全文を読む




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