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中性子星 : ミニ英和和英辞書
中性子星[ちゅうせいしせい]
(n) a neutron star
===========================
: [なか]
 【名詞】 1. inside 2. middle 3. among 
中性 : [ちゅうせい]
 【名詞】 1. neuter gender 2. neutral (chem.) 3. indifference 4. sterility 
中性子 : [ちゅうせいし]
 【名詞】 1. neutron 
中性子星 : [ちゅうせいしせい]
 (n) a neutron star
: [こ, ね]
 (n) first sign of Chinese zodiac (The Rat, 11p.m.-1a.m., north, November)
: [ほし]
 【名詞】 1. star 
中性子星 : ウィキペディア日本語版
中性子星[ちゅうせいしせい]

中性子星〔(ちゅうせいしせい、neutron star〔)とは、質量の大きな恒星が進化した最晩年の天体の一種である。中性子星は質量が太陽程度、半径程度、大気の厚さは程度で、中性子が主な成分の天体である。密度は太陽の密度の倍以上もあるとされている。およそとその桁外れに大きい密度のため、中性子星の表面重力は地球の表面重力の倍もの大きさがあり、脱出速度はに達する。中性子星は大質量の恒星の超新星爆発によってその中心核から作られるが、中性子星として存在できる質量にはトルマン・オッペンハイマー・ヴォルコフ限界と呼ばれる上限値があり、それを超えるとブラックホールとなる。上限の質量は、太陽質量の1.5倍から2.5倍の範囲にあると考えられている〔岩波基礎物理シリーズ9 相対性理論(佐藤勝彦著 岩波書店)〕。下限は太陽質量の0.1倍から0.2倍程度〔公益社団法人 日本天文学会〕。
重力崩壊によって非常にコンパクトに圧縮された結果として、角運動量保存の法則によって元の恒星よりも遥かに高速に回転しており、典型的な自転周期はからである。中性子星に強い磁気がある場合、その磁極から電磁波を出しているが、2つの磁極(地球でいう北磁極南磁極)を結ぶ線が自転軸と一致していない場合、中性子星の自転により電磁波が放出する方向を変えながら放たれるパルサーとなる。中性子星自身は可視光線を発していないため、パルサーとして実在が確認された。
中性子星は、中性子から成る大きな原子核のような物である。原子核では、陽子と中性子が互いに束縛されつつも動ける状態のため、液体といってもそれほど間違いはないような状態である(液滴模型も参照)。中性子星のコアは、その極めて大きい密度のため超流動状態になっているとするモデルも存在する。
== 中性子星の形成 ==
中性子星は恒星超新星爆発によって形成される。恒星が進化の後に中性子星を残すかどうかは恒星の質量によって決まる。(詳しくは恒星進化論を参照のこと。)
太陽質量の約0.46倍までの恒星は赤色矮星とも呼ばれ、温度が低いためヘリウムの核融合は発生せず、水素を使い尽くした後はそのままヘリウム型の白色矮星になる。
太陽質量の約0.46倍から約8倍までの恒星では、中心核で水素を使い果たした後でヘリウムの核融合が始まり炭素酸素窒素が作られるが、それ以上の核融合反応は進まず、赤色巨星の段階を経て白色矮星となる。
太陽質量の8~10倍の質量を持つ恒星では炭素・酸素からなる中心核でさらに核融合反応が起こり、酸素やネオンマグネシウムからなる核が作られる。この段階で核は縮退するため、電子の縮退圧で重力を支えるようになり、この核の周囲の球殻状の部分で炭素の核融合が進むという構造になる。核を取り巻く部分で起こる核反応生成物によって次第に核の質量が増えていくが、やがて中心核を構成する原子内で、陽子が電子を捕獲して中性子に変わった方がエネルギー的に安定になるようになる。これによって中心核は中性子が過剰な原子核で埋め尽くされるようになり、一方で電子捕獲によって電子の縮退圧が弱まるため、重力を支えられなくなって星全体が急激な収縮を始める。中心核の収縮は、密度が十分大きくなって中性子の縮退圧で重力を支えるようになると停止する。これより上の層は核によって激しく跳ね返されて衝撃波が発生し、一気に吹き飛ばされる。この段階を超新星爆発と呼ぶ。爆発の後には中性子からなる高密度の核が残り、これが中性子星となる。
太陽質量の10倍以上の大質量星ではもともと密度が大きくないために、中心核が途中で縮退することなく、次々に元素が核融合反応してはさらに重い元素が作られ、最終的にの中心核が作られる段階まで核反応が進む。鉄原子は原子核結合エネルギーが最も大きいためにこれ以上の核融合は起こらず、熱源がなくなるために鉄の中心核は重力収縮しながら温度を上げていく。温度が約100億度に達すると鉄が光子を吸収し、ヘリウムと中性子に分解する鉄の光分解という吸熱反応が起きて急激に圧力を失う。これによって重力を支えられなくなり、星全体が重力崩壊で潰れて超新星爆発を起こす。爆発の後には爆縮された芯が残る。残った芯の質量が太陽の2-3倍程度なら中性子星として残るが、それ以上ならば重力崩壊が止まることなくブラックホールになる。超新星爆発の前段階でどういった条件ならばどのくらいの芯の質量が残り、その結果中性子星になるか、あるいはブラックホールになるかといった精密な条件は現在ではあまりはっきりしないが、太陽質量の30倍以上の恒星はほぼブラックホールになると考えられている。
白色矮星同士からなる連星が衝突合体することによってチャンドラセカール限界を上回り、最終的に中性子星が作られるという過程についても議論されている。
さらに最近では、中性子星より密度の高い、クォークで出来たクォーク星が提案され、その候補となる星(みなみのかんむり座の星)も見つかっている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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