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ハイドロニューマチック・サスペンション : ミニ英和和英辞書
ハイドロニューマチック・サスペンション[ちょうおん]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)

ハイドロニューマチック・サスペンション : ウィキペディア日本語版
ハイドロニューマチック・サスペンション[ちょうおん]

ハイドロニューマチック・サスペンション(、)とは、エアスプリング油圧シリンダーおよび油圧ポンプを組み合わせた自動車用サスペンション機構の一種で、エアサスペンションの一種である。
名称は、「水の」という意味を持つギリシア語ὑδρο-(hydro-)と「空気の」または「空気圧で動く」という意味のフランス語「pneumatique」を組み合わせたものであるということができる。なお、上記からわかるとおり、hydropneumatiqueは本来フランス語であり、フランス語での発音を音写すると、「イドロプヌマティク」となる〔 〕。
サスペンションを構成する機構の一部であり、一般的な金属スプリングのサスペンションのスプリングショックアブソーバーの部分に相当し、双方の機能を併せ持っている。また、一般的なエアサスペンションとは異なり、気体(窒素ガス)は最初から密封されており、純粋にスプリングの機能のみを果たし、その他の機能は油圧シリンダーが受け持っている。その油圧シリンダーに掛ける油圧を加減することにより、荷重の変化にかかわらず、車高を一定に保つことができ、車高の調整も可能であるが、そのためのポンプが必須である。
サスペンションのアームやリンクの配置とハイドロニューマチックとの組み合わせに特に決まりはなく、基本的には、どのような形式のサスペンションとも組み合わせ可能である。
フランス自動車メーカーであるシトロエンが開発し、同社が製造する多くの乗用車救急車のサスペンションに採用されたことで知られている(リアのみの採用例もある)。また、それに使われるポンプの油圧をブレーキステアリングなど広範囲に応用したことでも知られている。
このほか、ロールス・ロイスメルセデス・ベンツプジョーなども用いたことがあるが、主として後輪の車高調整用など、サスペンション部分のみが用いられることが多く、シトロエンのように広範囲に応用しているのはあまり例がない。
自動車用以外にも航空機降着装置などにも用いられる。
異色の例としては、陸上自衛隊74式戦車90式戦車10式戦車のサスペンションが挙げられる(90式はハイブリッドで、左右傾斜機能はオミットされた。10式では復活している)。この主目的は砲身制御である。
== 概要 ==

液体は複雑な経路(通路)の回路でも隅々まで流れる反面、高圧でも圧縮されない(体積が変わらない)ため、ロッドやリンクでは難しい自由な経路での力の伝達に向いている。パスカルの原理でも知られるとおり、伝える力の大きさを簡単に変えることができ、油圧装置は建設機械などの重機をはじめ、広く普及している。
また、回路の途中にオリフィス(絞り弁)を設けることで、液体が移動する際に抵抗が発生し、減衰力が得られる。
一方、気体圧力をかけ続けると体積は際限なく縮小するが、それに比例して反発力も大きくなるため、密閉容器に閉じ込めると非常に優れたばね材となる。
この二者を組み合わせ、それぞれの性質を応用した機械がハイドロニューマチックシステムである。
これを初めて自動車に取り入れ、実用化したのはフランスの自動車メーカーであるシトロエンである。シトロエンの一技師であったポール・マジェス (:en:Paul Magès 1908 - 1999) の20年に及ぶ研究実験により、まず1954年トラクシオン・アヴァン 15 Six のリアサスペンションに試験的に導入され、翌1955年に発表されたDSでは、根幹を成すシステムとして採用された。
DSでは、サスペンションブレーキブースター(倍力装置 = サーボ)、パワーステアリングにオイルポンプで発生させた油圧が用いられ、さらにセミオートマチックトランスミッションクラッチ断続と変速動作(ギアセレクト)もその油圧で行う点が画期的であった。自動クラッチとギアセレクター以外は SMCXBX にも採用されたが、BX 以降のパワーステアリングは普通の油圧式になった。
サスペンションのみでの利用では、トラクシオン・アヴァン 15 SixIDH救急車SMGS、GSACXBX の例があり、XM では前後それぞれ3スフェア、2ダンパーのコンピュータ制御によるハイドラクティブサスペンションへと進化した(トラクシオン・アヴァンとHは後輪のみ)。
ハイドロニューマチック・サスペンションは、気体ばね力に、液体ダンパーおよび車体の支持に用いるもので、これをダブルウィッシュボーンストラットトレーリングアームなど、さまざまなサスペンション形式と組み合わせることで、ハイドロニューマチックサスペンションとなる。
エアサスペンションとの違いは、ばねに加わる力が変化した場合、すなわち、アーム類がストローク(車高が変化)したときには液体の容積を増減して対応し、気体の出し入れは行われない。そのため、システムにエアコンプレッサーは不要であるが、車重を支えるための高圧オイルポンプが必要になる。
ハイドロニューマチック・システムでは、高圧オイルがサスペンションだけでなく、DSではギアセレクターとクラッチコントロール、ブレーキパワーステアリングに、SM、CXではブレーキ、パワーステアリングに使われている。なぜ高圧を用いるのかは、航空機の概念と同様、配管を含めシステム構成部品の全てを小型軽量化できるからである。
それらは全てパイプで繋がっており、エンジンの動力で高圧ポンプを動かし、アキュムレーター(蓄圧器)の基部のレギュレーター(調圧器)により油圧が制御されてアキュムレーター(写真参照)に蓄油されている。(140bar - 170bar)
油圧に関するトラブル時には、ブレーキ系を「優先」させるプライオリティー・バルブがあり、前輪ブレーキの油圧は残される合理的システム(フェイルセーフ)である。
後輪ブレーキには後輪のサスペンション油圧が使われる。従って、いかなる場合でもブレーキが作動しないことはなく、安全性は充分に保障されている。
作動油は、初期の植物性オイル、LHS(ピンク色)・LHS2(茶色)から、鉱物性オイルのLHM(緑色)へ、さらに化学合成オイルLDS(オレンジ色)と変遷している。
最初期のLHSはブレーキフルードと同等であり、現在もフランスの古いシトロエンオーナー達は、DOT-3のブレーキフルードにひまし油を加えてLHSを自作して使用している。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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