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ケッテンクラート : ミニ英和和英辞書
ケッテンクラート[ちょうおん]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

テン : [てん]
 【名詞】 1. 10 2. ten 3. (P), (n) 10/ten
: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)

ケッテンクラート : ウィキペディア日本語版
ケッテンクラート[ちょうおん]

ケッテンクラート(独:Kettenkrad)は第二次世界大戦期にドイツで開発された半装軌車である。
== 概要 ==

ケッテンクラートは1941年から1944年にかけてNSU社ほかにより8345輌が生産され、大戦後にも550輌が再生産された。派生型として、電線敷設用のSd Kfz 2/1と、重電線敷設用のSd Kfz 2/2が存在する。
制式名称はクライネス・ケッテンクラフトラート()で、逐語訳すると「小型装軌式オートバイ」である。軍の制式番号はSd.Kfz.2、NSUの型式はTyp(Type) HK 101である。ケッテン()とは鎖、つまり履帯を意味し、クラフトラート()はオートバイに対する当時の言い回しで、現代のドイツ語における"Motorrad"に相当する。兵語としてはさらにクラート()と略される。
本来はグライダー空挺降下させ無反動砲などの牽引を目的とした降下猟兵向け車輌として開発されたが、東部戦線の泥濘の中で従来のオートバイサイドカーが使用できなくなったことから、陸軍武装SSでも使用されることとなった。また、空軍基地でも航空機などの牽引用トラクターとしての任務に就いていた。
2本の無限軌道で駆動し、1輪の前輪で操舵する構成が特徴で、操縦席の他に2座席がエンジンルーム後方に後向きに備わる。
動力には、大戦直前のドイツで最新の量産型乗用車であった1938年オペル・オリンピア用のガソリンエンジン(1488cc水冷直列4気筒OHV、36HP/3,500rpm)をベースに、オイルパンなどの細部を改変して転用した。オペル純正品のカーター(Carter)型シングルキャブレターが装備された〔カーターはアメリカ合衆国の大手キャブレターメーカー。オペルは1929年以降、アメリカのゼネラルモーターズ傘下の外資系企業となっており、その流れでカーター型のキャブレターがドイツで国産化され、オリンピアやそれより上級のカピテーンに装備されていた。同時代の米軍のジープも細部の寸法に差異はあるが、基本設計がほぼ同じカーター製WO型キャブレターを装備していたという(佐野二郎「キャブレターレストレーション『オールドオペルとカーターキャブレター』」Old-timer No.48(1999年)p156-158)〕エンジンは、オリンピアとは前後逆の向き(フライホイールクラッチが前、クランクプーリーが後)に、駆動軸の位置に合わせて車体中央に縦置き搭載された。
変速機は前進3速・後退1速の手動変速機と2速の副変速機からなり、副変速機をハイレンジにしてエンジンの許容回転速度で運転した場合の最高速度は70km/hに設計されていたが、騒音が酷いこともあり実用上の速度域は50km/h以下と言われている。
燃料タンクは操縦席の左右に独立して設置され、ラジエターはエンジンの後に置かれた。ラジエターには冷却ファンと寒冷時の過冷却を防ぐシャッターが備わるが、ファンはクランクプーリー直付けではなく、ジョイントを介して動力が伝えられる。電装は6Vで、バッテリーを車体右側に積む。重量は1,250kgと重く、旋回時の引きずり抵抗を減らして操縦性を向上させるために、ステアリングポストとフロントフォークは鉛直に対し8度という比較的小さいキャスター角で取り付けられた。さらに、旋回時の抵抗の減少と直進性を両立するため履帯の接地面は平行四辺形となっている。履帯のコマ数は80で、ゴムパッド付きである。サスペンションとロードホイール(転輪)は、多くのドイツ軍履帯式車両に見られる、トーションバー・スプリングを用いたスウィングアーム(トレーリングアーム)とオーバーラップ式転輪の組み合わせである。
ドライブスプロケット(起動輪)の駆動軸は一般的な自動車と同様に左右が同じ方向に駆動される方式のため、二つの履帯を逆に回転させる超信地旋回は不可能である。左右の駆動軸の間には差動装置が備わるが、全長に対する履帯の接地長が大きいため前輪のみでの操向(旋回)は不可能である。そのため、左右のドライブスプロケットに設けられたブレーキドラムとステアリングシャフトとはリンケージとX字形に交差するロッドでつながっており、一定以上の舵角でカーブ内側のスプロケットにブレーキがかかり、その履帯の速度が落ちる仕組みになっている。通常の制動操作では両側に均等にブレーキがかかる。また、前輪はブレーキ装置を持たない。これらが示すように、前輪は無くても走行は可能で、東部戦線の泥濘期(春の雪解けや秋の雨によってもたらされる、地面一帯が泥沼と化する期間)においては、前輪とフォークやフェンダーの間に泥が詰まって走行抵抗が大きく増えるため、前輪を外して使用していたという事例もある。一般的に半装軌車の場合、荷重が前輪と履帯とに分散され、舗装路面では走行抵抗が減少し、わずかだが最高速度と燃費を向上させることができる。
スロットル操作はハンドル右側のグリップで行い、変速操作はフロア配置の2本の変速レバーで行う。左側ステップにクラッチペダル、右側にはブレーキペダルがあるが、ペダルの構造は通常の自動車とは異なり、ステップの後方から前方に向かって生えている。キックスターターのレバーのように後ろ向きに踏み込む動作となり、要する踏力も大きい(重い)。また、ペダルを踏みやすいようにニーパッド(膝あて)が車体前面の内側に設けられている。
生産途上でフロントフォークの形状とフロントシャフトの取り付け方法が変更となり、前照灯も省略され、1944年頃には履帯部の泥除けも廃止されている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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