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フロベニウス内積 : ウィキペディア日本語版
行列の乗法[ぎょうれつのせき]
数学において、行列の対から別の行列を作り出す二項演算としての行列の乗法は、実数複素数などのが初等的な四則演算でいうところの乗法を持つことと対照的に、そのような「数の配列」の間の乗法として必ずしも一意的な演算を指しうるものではない。そのような意味では、一般に「行列の乗法」は幾つかの異なる二項演算を総称するものと考えることができる。行列の乗法の持つ重要な特徴には、与えられた行列の行および列の数(行列の型やサイズあるいは次元と呼ばれるもの)が関係して、得られる行列の成分がどのように特定されるかが述べられるということが挙げられる。
例えば、ベクトルの場合と同様に、任意の行列に対してスカラーを掛けるという操作が、その行列の全ての成分に同じ数を掛けるという方法で与えられる。また、の場合と同様に、同じサイズの行列に対して成分ごとの乗法を入れることによって定まる行列の積はアダマール積と呼ばれる。それ以外にも、二つの行列のクロネッカー積区分行列として得られる。
このようにさまざまな乗法が定義できるという事情の中にあっても、しかし最も重要な行列の乗法は連立一次方程式やベクトルの一次変換に関するもので、応用数学工学へも広く応用がある。これは通例、行列の積(ぎょうれつのせき、)と呼ばれるもので、 が 行列で、 が 行列ならば、それらの行列の積 が 行列として与えられ、その成分は の各行の 個の成分がそれぞれ順番に の各列の 個の成分と掛け合わされる形で与えられる(後述)。
この通常の積は可換ではないが、結合的かつ行列の加法に対して分配的である。この行列の積に関する単位元(数において を掛けることに相当するもの)は単位行列であり、正方行列逆行列(数における逆数に相当)を持ち得る。行列の積に関して行列式乗法的である。一次変換行列群あるいは群の表現などの理論を考える上において行列の積は重要な演算となる。
行列のサイズが大きくなれば、二つあるいはそれ以上の行列の積の計算を定義に従って行うには、非常に膨大な時間が掛かるようになってしまうため、効果的に行列の積を計算できるアルゴリズムが考えられてきた。
== スカラー倍 ==

行列に付随するもっとも単純な形の乗法としてスカラー乗法が挙げられる(これはクロネッカー積の特別の場合になっている)。
行列 のスカラー による左スカラー倍()は、
: \lambda A = (\lambda a_)
で与えられる と同じサイズの行列 となる。つまり、
: \lambda A = \lambda \begin
a_ & a_ & \cdots & a_ \\
a_ & a_ & \cdots & a_ \\
\vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\
a_ & a_ & \cdots & a_
\end = \begin
\lambda a_ & \lambda a_ & \cdots & \lambda a_ \\
\lambda a_ & \lambda a_ & \cdots & \lambda a_ \\
\vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\
\lambda a_ & \lambda a_ & \cdots & \lambda a_
\end\,.
同様に、行列 のスカラー による右スカラー倍()は
: A\lambda = \begin
a_ & a_ & \cdots & a_ \\
a_ & a_ & \cdots & a_ \\
\vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\
a_ & a_ & \cdots & a_
\end\lambda = \begin
a_ \lambda & a_ \lambda & \cdots & a_ \lambda \\
a_ \lambda & a_ \lambda & \cdots & a_ \lambda \\
\vdots & \vdots & \ddots & \vdots \\
a_ \lambda & a_ \lambda & \cdots & a_ \lambda
\end
で定義される。
基礎とするが(例えばまたは複素数のような)可換環ならば、左及び右スカラー倍の概念は一致して、単にスカラー倍と呼ばれる。より一般の環では(四元数体のように)非可換であるから左右が異なれば異なる乗法である。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「行列の乗法」の詳細全文を読む



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