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類体論 : ウィキペディア日本語版
類体論[るいたいろん]

数学における類体論(るいたいろん、、)は、有限体上の曲線の函数体数体アーベル拡大について、およびそのようなアーベル拡大に関する数論的性質について研究する、代数的数論の一大分野である。理論の対象となる体は、一般に大域体もしくは一次元大域体と呼ばれるものである。

与えられた大域体の有限次アーベル拡大と、その体の適当なイデアル類もしくはその体のイデール類群の開部分群との間に一対一対応が取れるという事実によって、類体論の名がある。例えば、数体の最大不分岐アーベル拡大であるは、非常に特別なイデアル類に対応する。類体論は、大域体のイデール類群(即ち、体の乗法群によるイデールの商)によってその大域体の最大アーベル拡大のガロア群へ作用する相互律準同型 (reciprocity homomorphism) を含む。大域体のイデール類群の各開部分群は、対応する類体拡大からもとの大域体へ落ちるノルム写像の像になっているのである。

標準的な方法論は、1930年代以降発達したで、これは大域体の完備化である局所体のアーベル拡大を記述するものであり、これを用いて大域類体論が構築される。

== 現代的な定式化 ==
現代的な言葉で言えば、基礎体 ''K'' の最大アーベル拡大 ''A'' は存在して、その拡大次数は ''K'' 上無限大となり得るから、その時 ''A'' に対応するガロア群 ''G'' は副有限群となり、従ってコンパクト位相群かつまたアーベル群になる。類体論の中心定な目的は、この群 ''G'' を基礎体 ''K'' の言葉で記述することである。特に、''K'' の有限次アーベル拡大と ''K'' に対する適当な(有限な剰余体を持つ局所体の場合の乗法群や大域体の場合のイデール類群のような)対象におけるノルム群との間の一対一対応を確立し、それらのノルム群を(例えば、指数有限な開部分群といったように)直截的に記述することである。そのような部分群に対応する有限次アーベル拡大を類体と呼び、これが理論の名称の由来となっている。
類体論の基本的な結果は「最大アーベル拡大のガロア群 ''G'' は、基礎体 ''K'' のイデール類群 ''C''''K'' の(基礎体 ''K'' の特定の構造に関係して ''C''''K'' に入る自然な位相に関する)副有限完備化に自然同型である」ことを主張する。同じことだが、''K'' の任意の有限次ガロア拡大 ''L'' に対し、この拡大のガロア群の最大アーベル商(アーベル化)と、''K'' のイデール類群を ''L'' のイデール類群のノルム写像による像で割ったものとの間に、同型
:Gal(''L'' / ''K'')ab → ''C''''K'' / ''N''''L''/''K'' ''C''''L''
が存在する。
幾つかの小さい体、例えば有理数体 Q やその虚二次拡大体については、もっとたくさんの情報が得られる詳細な理論が存在する。例えば、Q のアーベル化絶対ガロア群 ''G'' は、全ての素数に亙って取った ''p''-進整数環の単元群の無限直積(に自然同型)であり、対応する Q の最大アーベル拡大は 1 の冪根全てによって生成された体となる。このことは、もとはレオポルト・クロネッカーの予想であったクロネッカー-ヴェーバーの定理として知られる。この場合の、類体論の相互律同型(あるいはアルティンの相互法則写像)も同定理に従って具体的に書くことができる。1 の全ての冪根からなる群を
: \mu_\infty (\subset \mathbb^\times)
と書くことにする(円周群 C× のねじれ部分群)と、アルティンの相互法則写像はそれが数論的正規化されているならば
: \hat^\times \to G_^\text = \text(\mathbb(\mu_\infty)/\mathbb); \quad x \mapsto (\zeta \mapsto \zeta^x)
によって、あるいはそれが幾何学的正規化されているならば
: \hat^\times \to G_^\text = \text(\mathbb(\mu_\infty)/\mathbb); \quad x \mapsto (\zeta \mapsto \zeta^)
によって与えられる。しかし、このような小さな代数体に対する詳細理論の主要な構成法は一般の代数体の場合にまで拡張することはできないし、一般類体論で用いられるのはもっと違った概念的原理である。
相互律準同型を構成する標準的な方法は、まず大域体の完備化の乗法群からその最大アーベル拡大のガロア群への局所相互律同型を構成し(ここまでは局所類体論の範疇でできる)、それからそれらすべての局所相互律写像の積を大域体のイデール群上で定義するとき、その積が大域体の乗法群の像の上で自明となることを示すことで行われる。最後のところのこの性質を大域相互法則 (''global reciprocity law'') と言い、これはガウスの二次の相互律の広汎な一般化になっている。
相互律準同型を構成するのにを用いる方法もある。
コホモロジー群(特にブラウアー群)を用いる方法や、コホモロジーを用いずに非常に明示的で応用が利く方法などもある。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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