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通信士 : ミニ英和和英辞書
通信士[つうしんし]
=====================================
〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [つう]
  1. (adj-na,n) (1) connoisseur 2. authority 3. (2) counter for letters, notes, documents, etc. 
通信 : [つうしん]
  1. (n,vs) correspondence 2. communication 3. news 4. signal 
: [まこと, しん]
  1. (adv,n) truth 2. faith 3. fidelity 4. sincerity 5. trust 6. confidence 7. reliance 8. devotion 
信士 : [しんじ]
 (n) title affixed to man's posthumous Buddhist name

通信士 : ウィキペディア日本語版
通信士[つうしんし]


通信士(つうしんし)とは、電気通信設備を用いて通信を行うことを職業とする者をいう。 十九世紀初頭に出現した有線通信の従事者が始まりで
狼煙など視覚による通信も、光すなわち電磁波が必要なので電気通信と言えなくもない。 18~19世紀のヨーロッパに存在した腕木通信では、訓練をうけた専従者が数十キロ間隔の中継局で働いていた。 中野明 「腕木通信って、ご存じですか?」   またこれがフランスで始まる1793年より前から、大坂では旗振り通信が職業として成立しており、米相場などの情報を伝えていた。 なお17世紀以降の琉球王国には、船舶の運航状況を狼煙で伝えるための番所が存在し(先島諸島火番盛)、島民が交替で詰めていた。〕、
二十世紀中ごろからは無線通信に携わる者を指すことが多い。 電信技士・無線士・無電技師、などとも呼ばれる
〔欧米では(英)Operator (仏)Opérateur など「運用する人」と呼ばれることが多かった。 現在では通信関係でオペレーターというと、電話応対の担当者や放送機器の操作者、あるいは(主に移動の)電気通信事業者を連想する人が多いようである。 また (Radio) TelegraphistTélégraphiste という言い方もある。 ちなみに総務省による電波法公式英訳 では、無線従事者の総体を radio operator としている。〕。
この項目では通信士という職業の変遷について、関連する技術や制度と共に解説する。 業務の一環として通信を運用する職種については、海上保安庁航空管制などを参照。 また「〇〇通信士」などの国家資格については、無線従事者海技従事者航空従事者などで解説
〔電気通信の技術面に関わる資格については、電気通信主任技術者無線技術士などを参照。〕。
制度や技術の詳細およびネットで読める資料は#注釈に記載した。 なお過去の事例を解説する際に、現在の用語を使用したところがある。
== 有線電信の通信士 ==

19世紀初頭に出現した多様な電信技術は
電信#歴史を参照。 操作方法には共通するものがほとんど無く、従事者は機種ごとに習熟する必要があった。〕、
世紀の半ばからは実用的なモールス式に収斂していった
〔文字そのものを送受できる電信機は機構が複雑で、設置や保守には費用が要った。 電流の断続状態のみが伝えられればよいモールス式の電信機は、電磁石と電池とスイッチが基本要素である。 また伝送路も地球を導体として利用すれば一本の電線で済む。 ちなみに電気の応用技術は有線通信から始まっている(電気工学#電気工学教育の誕生と電力の商業化)。 欧米の大学では物理教育から電信関係の学科が派生し、明治日本の工部大学校には最初から電信科が存在した。 これらの学科で学んだ人たちは初期の強電技術にも関わっている。〕。
ただこの方式では、文字をモールス符号に置き換えて通信する必要がある。

文字コード変換を経るモールス通信は非能率とも思えるが、送信は片手首による電鍵の操作であり、また受信では聴覚のみ働かせればよく、電文を見たり書いたり、或いは機器を調整したりしながらでも通信できる。 符号を覚える必要のない電信機の場合、機器の表示を注視しながら両手を動かすような操作方法が多かった
〔モールス式も、初めの頃は印字機がテープに記す符号を見て文字に直していたが、やがて機器が発する音から情報を得る音響受信が主流となる。 電文はタイプライターで記録されることも多いが、各種の資格試験では手書き受信が今でも基本である〕。
ちなみにモールス通信の技能を有する者は、オンとオフを表示する手段が在れば情報交換を行なうことができる
〔光の点滅を用いる回光通信機など、視覚によるモールス通信も存在する。 ただ音の断続によるものと同様に、通信の秘匿性には難がある。〕。
無線通信も符号に従い電波を断続することから始まった
〔発明された頃の無線技術では電波の有無を検出するのが精一杯であり、文字そのものや音声を伝送することは不可能だった。 オンとオフとにより情報を伝え得るモールス符号の存在が、無線の実用化を後押しした。 なお無線のモールス通信も音響受信が基本であるが、有線電信とは受信音が異なる(モールス符号#有線と無線の通信方法)。〕。
符号を覚えただけでは効率的なモールス通信は行なえず、文字との相互変換が反射的に出来ねばならない
〔受信においては送られてくる文字を頭の中に留めておき、それを文章として筆記できるようになるまでの練習が必要である。 送信は符号を覚えただけでもやれそうだが、高速で長時間の通信を疲労せずに続けるには、やはり相当の訓練を要する。〕。
実用的な送受信が可能となるまでには数ヶ月の訓練を要する
〔毎分の通信速度は、現在の(無線)通信ではABC・・・が100字、イロハ・・・では75字前後が標準と思われる。 また熟練者になると文字を筆記することなしに、モールスの音で会話することができる。〕。
この技能を用いる通信士という職業は、19世紀後半には世界中で成立していた
〔国境を越える電気通信のために、運用面技術面での国際的な統一基準も必要になってきた。 まずは関係国間の協定に始まり(ドイツ=オーストリア電信連合)、1865年には初の常設国際機関である万国電信連合が発足した。 後には電話や無線の国際組織も設立され、1934年にはこれらが合体して国際電気通信連合となる。 通信の従事者に関する国際的な取り極めも、ここで行なわれる。〕。
また海底ケーブルによる大陸間通信に従事する者も出現する
〔NTTワールドエンジニアリングマリン:海底線まめ知識  この海底電信の従事者には、一般のモールス通信士を再訓練して充てることが多かった。 日本人自身の手による国際通信は、本格的な海底ケーブル敷設船である沖縄丸の導入から始まり、日露戦争では独立した通信網を構築できたことが戦勝につながった(児玉源太郎#エピソード)。〕。
電気通信事業は国家による運営から始まることが多く
〔アメリカでは通信事業が最初から民営で、各地の電信会社に「弟子入り」して腕をみがいた若者がたくさんいた。 鋼鉄王カーネギーや発明王エジソンのように、まずモールス通信で身を立てた者も多い。 松田裕之 「モールス電信士の宇宙:アメリカ合衆国、1846〜1907年 」 甲子園大学紀要 35, 2007〕、
日本では二次大戦終了後まで、逓信省が公衆通信(電気通信役務)などの現業も行なっていた
〔工部省が1869年に始めた電信業務を、1885年に発足した逓信省が受け継いだ。 電気通信省などを経た1952年の公社化まで、有線系の通信士は基本的に公務員だった(日本電信電話公社#概要)。 ちなみに海事や航空も逓信省の管轄であり、後述の無線通信士に関する行政も全て同省のみで担当できた。〕。
電報を送受する郵便局には電信の設備があり、また当時の電報は人手による中継を経て伝送される。 そのため多数の通信従事者を必要とし、養成機関も充実していた
逓信官吏練習所などには給費生制度があり、幸田露伴小原国芳など経済的に苦しい進学希望者も無償で学ぶことができた。 また女子の課程もあり、電話交換手の他に女性の電信通信手も存在していた。 高橋雄造 「明治の人々を育てた電信修技学校と工部大学校」 電気学会誌 114巻 5号 1994年05月〕。
公衆通信以外でも鉄道をはじめ
〔Rail Magazine編集部_「正しい『電略』」 60年代まで使われた鉄道電報の、主に略号について解説。〕、
軍隊や警察なども全国的な電信網を擁していた
〔野戦電信の軍事的価値や(南北戦争の信号司令部)、治安維持における迅速な通信の重要性は、維新の指導者たちも幕末から認識しており、明治7年1874年の佐賀の乱台湾出兵では電信網が活用されている。〕。
20世紀に入ると日本でも電話が普及してきたが、特に遠距離との通信には電報が使われ続けた。
20世紀に入ると、電文を自動的に受信できる印刷電信機が実用に供された。 各々の文字を表わす電気信号は手動式のモールス符号ではなく
〔特殊な鍵盤装置でモールス符号を高速送出し、電鍵送信の数倍の通信速度を得るシステムも存在した。 受信ではテープに現われる波形を目視し長点と短点とを瞬時に判断、対応する文字を手動タイプライターで記録する。 この現波通信海底ケーブルや無線回線での高速通信にも使われた。〕、
タイプライターと同様の鍵盤キーを押せば送出される。 有線モールス通信とその従事者は、日本では1950年代に高度成長が始まる頃には姿を消していた
〔有線系モールスの現場ではタイプライターが広く使われていたので、印刷電信の導入にそれほどの困難はなかったという。 ちなみに60年代までの電電公社などには、通信回線の選択を手動で行なう電話交換手も多数勤務していた。 回線選択という本来の業務形態は、現在では手動接続国際電話などに残っている。 なお内線電話で規模の大きいものの交換担当者は、公社から構内交換取扱者の認定を受ける必要があったが(公衆電気通信法 第51~54条)、民営化直前の1984年に廃止された。〕。
なお1985年の電気通信自由化に際して新設された有線系の国家資格は、設備の管理や工事に関するものである
〔事業用電気通信設備の工事、維持及び運用を監督する電気通信主任技術者電気通信事業法第45条 )、事業用通信回線と利用者側機器との接続工事に従事する工事担任者(同第71条 )、が法定された。 前者は必置資格であるが、後者は業務独占資格の性格が強い。〕。
パソコンが普及するまで文字鍵盤を扱える人は限られており、テレックスなどの運用も専任者によることが多かった
欧文タイプカナタイプを扱える者は、少しの訓練を経れば欧文や和文の印刷電信に従事できる。 また初期のコンピューターにおけるインターフェース穿孔テープパンチカードであり、これらの作成にもキーボード装置が使われていたため、タイプライティング技能を主体とする職種は1990年代までは多数存在していた。 21世紀の現在でもデータエントリー(キーパンチャー)などが残っている。〕。
現在の文字通信は利用者自身による運用が一般的である
〔ネット社会では各自が介在者なしで各種の通信を行なえるが、その一方では機器を操作する能力がないと社会生活に支障をきたす場合も出てくる(情報格差#日本におけるインターネットの情報格差)。 もっとも2010年代に入ると情報入力が容易なスマートデバイスが普及し、キーボード操作はふたたび特定の人々の能力になる傾向も見られる。〕。
他者のために有線系通信を運用する職種は、電報の受付などに残る程度となった
〔日本の電気通信法制では、電報は受付や配達を含めて電気通信役務の一部を成すとされている(電気通信事業法 附則 第5条)。 最近はネット経由の発信も多く、この場合は最後の配達のみが人手を要することになる。 現在日本の電報はその殆んどが慶弔用であるが、特定定文電報や無線電報(モールス通信も使用)など重要な情報伝達を担うものもある。〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「通信士」の詳細全文を読む




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