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菌輪 : ウィキペディア日本語版
菌輪[きんりん]

菌輪(きんりん)とは、キノコが地面に環状(あるいはその断片としての弧状)をなして発生する現象、あるいはその輪自体のことである。菌環(きんかん)とも呼ばれる。英語では "fairy ring"、"fairy circle"、"elf circle"、"pixie ring" など「妖精の輪」と表現される。
菌輪はときとして直径10m以上にもなり、構成している菌類が生育し続ける限り安定である。特に大きな菌輪では直径600m、菌体の総重量は100t、菌輪としての年齢は700歳にも達した例がフランスで報告されている〔Utah State University Intermountain Herbarium 〕。またイギリス南部では、ユキワリ(''Calocybe gambosa'')がやはり齢数百年の菌輪を形成したと報告されている。
菌輪は主に森林内の地上に見出されるが、草原牧草地にもしばしば発生する。菌類の肉眼的な子実体(いわゆるキノコ)の配列として視認できるほか、草が環状に枯死したり、逆に草が徒長したりすることでも人目につく。このような菌輪が発生した地中には、構成菌の菌糸体が発達している。
== 発生 ==
菌輪が形成される仕組みについては二つの説がある。一つは、胞子が着生・発芽した地点から菌糸が放射状に伸び、古くなった中心部分から順に死滅していくことで周縁部分が環状に残る、というものである。そして気温地温水分・光などの条件が整うと、地中の菌糸から子実体が形成され、再び胞子が放出される。胞子の発芽から子実体が発生して菌輪が形成されるまでには、ときとして数年を要する。地中の菌糸は子実体を作るだけでなく、その場に生える草をしおれさせたり、変色させたりすることもある。このような菌輪を構成する菌糸の細胞間には隔壁が無いものもあり、その場合は菌輪全体が多核体、つまり多数の細胞核をもった巨大な糸状細胞となる。
二つ目の説は、日本におけるマツタケの生態調査の成果をもとに提唱されたものであり、菌輪はキノコの楕円形のコロニーが繋がってできたとするものである。このコロニーの連なりが弧や円を形成すると、コロニーは同心円状に拡大してゆく。
このような仕組みにより、菌輪は基本的なリング状をなす以外に、弧や二重弧・鎌型・その他の複雑な形状を成す。菌輪を形成するキノコはおよそ50であると言われている〔Blake, M. 2006. Fairy mysterious. Available from: http://www.wiltshiretimes.co.uk/news/latestheadlines/display.var.913422.0.fairy_mysterious.php.〕。ひろく知られたものとしてはシバフタケ(''Marasmius oreades'')があり、英語で "fairy ring mushroom" と呼ばれている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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