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柳生一族の陰謀 : ミニ英和和英辞書
柳生一族の陰謀[やぎゅういちぞくのいんぼう]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [やなぎ]
 【名詞】 1. willow 2. slim 
: [せい, なま]
  1. (adj-na,n,adj-no) (1) draft (beer) 2. draught 3. (2) raw 4. unprocessed 
: [いち]
  1. (num) one 
一族 : [いちぞく]
 【名詞】 1. (1) family 2. relatives 3. dependents 4. (2) household 
: [かげ]
 【名詞】 1. shade, shadow 2. other side 3. negative
陰謀 : [いんぼう]
 【名詞】 1. plot intrigue 2. conspiracy 
: [はかりごと]
 【名詞】 1. plan 2. strategy

柳生一族の陰謀 : ウィキペディア日本語版
柳生一族の陰謀[やぎゅういちぞくのいんぼう]

柳生一族の陰謀』(やぎゅういちぞくのいんぼう、''Shogun's Samurai'' )は、1978年日本映画主演萬屋錦之介キネマ旬報、1978年1月上旬新年特別号、グラビア:柳生一族の陰謀。〕・千葉真一監督深作欣二製作東映カラー・ワイド・シネマスコープ。上映時間 : 130分。第2回日本アカデミー賞では萬屋が優秀主演男優賞、千葉が優秀助演男優賞、野上龍雄松田寛夫・深作が優秀脚本賞を受賞した。
映画・演劇・テレビ界の豪華スター陣を結集したオールスターキャスト作品で、東映が威信を賭けて時代劇復興を目指して12年ぶりに製作した巨篇〔。徳川幕府で発生した兄弟による三代将軍位争奪戦を基に〔、実在した歴史上の人物と史実をフィクションで織り交ぜ、“権力”に生きる柳生一族の存続を賭けた壮大なドラマは30億円の興行収入を上げ大ヒットした〔。製作総原価(製作費+P&A費)が9億7,000万円、配給収入では16億2,100~5,000万円で同年の邦画配給収入3位になった。
同年に連続テレビドラマ化され、小説漫画など#派生作品も発表。2008年には30年ぶりに2時間のスペシャルドラマ、2012年には演劇リメイクされた。
== 映画 ==

=== ストーリー ===
元和九年五月十一日、二代将軍徳川秀忠江戸城大奥で突然死去した。発病後わずか二時間という文字どおりの急死で、不自然な異変の匂いを嗅ぐ者もいたが、大奥御典医は食あたりによる中毒死として発表。盛大な葬儀が執り行われるなか、本来なら三代将軍は長男の家光が継ぐべきはずだが、不幸な容貌とどもりという性癖であることから秀忠に疎まれて、対照的に次男の駿河大納言忠長は幼少より資質英明で家中の期待を集めていた。未亡人の崇源院於江与も次期将軍には忠長を切望し、これを支持するのが尾張紀伊水戸御三家と土井大炊頭ら老臣一派であった。これに対し若手老中の松平伊豆守信綱と家光の乳母で大奥に威勢を張る春日局の一派は、あくまでも家光を推してゆずらずにいた。大坂夏の陣以来十余年の安定に馴れた天下は、再び動乱の兆を見せ始めていた。葬儀後の雷雨が吹き荒れる深夜、秀忠の眠る霊廟に忍び込み、遺体から胃袋を取り出す忍者たち。秀忠の死を不審に思う大炊頭配下の渡辺半蔵らであった。事を終え、その場から立ち去ろうとすると、その行く手を三人のに塞がれ、胃袋を奪われてしまう。柳生但馬守宗矩の子息である左門友矩、又十郎宗冬、茜であった。柳生屋敷に戻った彼らから胃袋を受け取った宗矩はこれを解剖し、秀忠が毒殺されていたことを突き止める。宗矩は伊豆守と春日局の仕業と考え、これから先に起こる不測の事態に備え、武者修行で全国を旅する長男の十兵衛三厳を呼び戻すよう茜に命じ、根来衆にも加勢を依頼する密書を送る。
翌朝登城した宗矩は伊豆守と春日局を問い詰め、「秀忠が嫡男家光を廃嫡とし、忠長を将軍に据えようとしたので、家光を守るため先手を打って毒殺した」と聞き出す。将軍は長男の世襲にするのが筋目と二人は考えていた。剣法指南役として家光に剣の教授をしていた宗矩は、彼らの悲壮なまでの決意と家光への思いからこの陰謀に加わる。死の真相を打ち明けられた家光は、廃嫡の言葉と側近による父の殺害に動揺して将軍位には就けないと拒むが、宗矩は将軍の権威と宿命を説き、善悪を超越した不退転の決意を促す。この説得に家光も変心し、父の意に反して将軍になる覚悟を決め、宗矩らと一蓮托生となる。一方、忠長は大炊頭の具申により、秀忠の遺体を検めるべきだと家光に詰め寄る。家光は「嫡男として取るに足らない噂で、御遺体を検めるのはもってのほか」と認めない。忠長は家光の頑な態度から、秀忠謀殺を確信し両者の対立は決定的となった。忠長は大炊頭と共に家光と対決することを決め、於江与と共に自分が治める駿府藩へ帰国。十兵衛は親友の根来左源太と根来衆三十余名人を引き連れ、江戸へ戻る。宗矩は家光が根来衆の事成就の暁には根来の里復帰の件、叶うべしと約束されたことを伝えると根来衆は歓喜に溢れかえる。十兵衛は根来衆と十余年を共に過ごし、根来の里が自分の故郷であり、根来忍法を会得していたので、彼にとっても喜ばしいことであった。
忠長のために自由の身となって尽くすべく大炊頭は病気保養という名目で老中職を退き、新陰流の達人である小笠原玄信斎を雇い、家光と柳生抹殺を命じる。宗矩は茜と根来衆を忠長のいる駿府城下にもぐらせ、大炊頭の近辺を見張らせるのだった。一方、家光側では対抗策として伊豆守を筆頭老中に、宗矩を大目付に据えて陣営の強化をはかった。伊豆守は十兵衛と左門を護衛につけてへ上り、将軍宣下を朝廷へ促すが、密かに徳川幕府権威失墜を狙う九条関白道房・三条大納言実条・烏丸少将文麿ら倒幕一派があれやこれやと理由をつけ、のらりくらりと遅らせていた。三人の公卿は兄弟の不仲を利用して対立を煽り、どちらの陣営にもつかず離れずの関係を装い、混乱に乗じて王政復古を目論んでいたのである。左門は駿府で茜と根来衆に合流し、伊達家前田家などの外様大名を味方に引き込もうと出発したばかりの大炊頭一行を襲う。しかしその行列にいた宮中一の切れ者で剣の達人でもある烏丸少将が行く手を遮り、左門は斬殺されてしまう。江戸へ戻っていた十兵衛は茜ひとりに担わせるのはあぶないと察し、家光の警護を宗矩と又十郎に任せて、茜と根来衆の救援へ行くことを決意。玄信斎は柳生屋敷に忍びこみ、左門の遺髪を持ち独りでいた宗矩と対決しようとするが、代わりに十兵衛と剣を交え、相打ちで互いに傷を負う。玄信斎は左腕に重傷を負い、戦えなくなったので義理の息子である雪之丞を使い、家光暗殺を企む。雪之丞は侍女に化け、江戸城西の丸大奥へ侵入し家光を襲うが、根来衆のマンが阻み、宗矩は雪之丞を討ち取る。一方の十兵衛は左目を失明しながらも茜と根来衆に合流し、加賀の前田を味方に引き入れようと身延道を進軍する大炊頭一行を襲う。大炊頭を討ち取るが、茜の刺し違えによるもので、左源太や数多くの根来衆が戦死した上による犠牲を払ったものであった。
宗矩は朝廷を揺さぶることがこの戦いに勝利すると見定め、十兵衛に烏丸少将の抹殺を命じる。徳川幕府体制に不満を抱く西国大名へ勅命を抱き、山陽道へ下向する烏丸少将を十兵衛は待ち伏せる。一対一の決闘で討ち取り、左門の仇討ちも果たした。その死に戦慄した朝廷は直ちに三条大納言を江戸に下らせ弁明と慰撫に努めるが、宗矩は逆手に取り家光の上洛を取り付けてしまう。忠長は重臣と策を練り、家光より先に京へ向かい、朝廷の前で家光と決着を図ろうとする。しかし家光の行列が駿府城下の浪人軍に襲われ、実条が殺された。この襲撃は忠長の仕業と見せかける宗矩の卑劣な罠で、又十郎と根来衆を暗躍させ、浪人軍はそれに踊らされて起きた事件だった。家光は「公家を斬殺した忠長との一戦も辞さず」と諸大名に檄をとばす。駿府城に立てこもり籠城する忠長に支援者でもある尾張大納言義直が密かに会いに来た。濡れ衣と訴える忠長に義直は前田や伊達なども忠長支持から離れたので、事の真偽を明らかにするよう自分が調べるから、まずは開城するよう強く諭す。義直に従い開城した忠長だが、宗矩の動きは素早く上州高崎へ配流して罪人としての印象を世間に植え付けた。この間に浪人軍に加わっていた名護屋山三郎が、家光襲撃は忠長を陥れる罠であったと義直に訴える。義直はこれに怒り宗矩を問いただすものの強く否定される。この間に家光は忠長を切腹させるよう指示し、その使者を宗矩が行い、見届けた。そこへ玄信斎が現れ、再び対決を挑まれる。一対一の決闘で宗矩が玄信斎を倒した。
義直が御三家の面目にかけて調べると下知していたので宗矩は又十郎に命じ、朝廷一行を襲ったからくりを知る根来衆を容赦なく殲滅した。一方、十兵衛は家光側の勝利後、宮仕えを拒み、武者修行と称して全国を旅していたが、生き残った根来衆から又十郎たちに襲われた顛末を泣きながら訴えられる。根来衆と家族同様に接してきた十兵衛にとって、宗矩がやらせた行為は許せぬものだった。怒りと復讐の念に燃える十兵衛は単身で江戸城へ向かい、三代将軍に就任したばかりの家光が家来と離れ、独りでいる間へ潜入。その後、城内の道場へ向かい、宗矩と会う。十兵衛は「こんなもののために左門や茜、根来衆は死なねばならなかったのか!?」とその所業を詰問。そして「おれもあなたの、いや父上の、大事なものをぶち壊した!」と言い放つやいなや編笠に隠していた家光の首を放り投げる。「おのれー!」と怒り心頭に発した宗矩は、十兵衛を叩き斬ろうと刀を掴む。が、いち早く十兵衛は宗矩の右手首を一刀両断。何事もなかったかのように去っていく十兵衛。宗矩はまだ信じられず、錯乱しながら家光の首に「三代将軍様~」と声をかけ続ける。ほどなく家光を探しに来た伊豆守や春日局ら家臣らは、残った左手で御首を抱きかかえる宗矩をみて、驚愕し泣き叫びだす。ふらふらと歩き出した宗矩は「お騒がせあるな。こんなことがあってなるものか。これは夢でござる。かかる悪夢に惑わされてはならん。今日こんにち、この日、只今、徳川の天下てんがは大盤石の重きについた。斯様なことがあり得ようはずがない。これは夢だ、夢だ、夢だ~、夢でござ~る!」と叫び、一同を静まらせようとしていた。それは悪夢だったのだろうか?宗矩の言葉通り、徳川の天下は以後三百年の安泰を誇り、数々の歴史にも家光の首が落ちたという記録はない。しかしこうした支配者への反逆は、もともと歴史には記録されないのが多いのである。事実、これに似た悪夢はその後もしばしば現れて、支配者たちの心胆を寒からしめたのであった。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「柳生一族の陰謀」の詳細全文を読む




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