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天明の打ちこわし : ミニ英和和英辞書
天明の打ちこわし[てんめいのうちこわし]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [てん]
 【名詞】 1. heaven 2. sky 
天明 : [てんめい]
 【名詞】 1. dawn 2. daybreak

天明の打ちこわし : ウィキペディア日本語版
天明の打ちこわし[てんめいのうちこわし]
天明の打ちこわし(てんめいのうちこわし)とは、江戸時代天明7年(1787年)5月、ほぼ同時期に江戸大坂など当時の主要都市を中心に30か所あまりで発生し、翌6月には石巻小田原宇和島などへと波及した打ちこわしの総称である。天明7年5月の打ちこわし発生数は江戸時代を通じて最多であり、特に5月末の江戸打ちこわしは極めて激しかった。全国各地で同時多発的に発生した打ちこわし、とりわけ幕府のお膝元の江戸打ちこわしによって当時幕府内で激しい政争を繰り広げていた田沼意次政権派と、松平定信を押し立てようとする譜代派との争いに決着がつき、田沼派が没落して松平定信が老中首座となり寛政の改革が始まることになった。
== 概要 ==
江戸時代の中期以降、都市の発展によって新たな就業形態が発生し、また大商人への資本の集積による中小商工業者の没落、そして荒廃が進んだ農村を離れ都市へやってきた農民たちによって都市貧民層が形成されるようになった〔吉田、西坂、宇佐美(1996)p.77、岩田(2004)pp.231-241、竹内(2009)pp.1-2〕。
都市貧民層は通常、零細な商工業や日雇い就労などによって家族を養う収入を得ることができたが、米価高騰や銭の相場の下落によって容易に貧困状態に陥る生活基盤の脆弱さを抱えていた〔吉田、西坂、宇佐美(1996)p.85、岩田(2004)pp.254-255〕。天明期に幕政を主導していた田沼意次の政策によって銭の相場が高騰し、さらに天明期は天明の大飢饉をもたらした冷害、浅間山大噴火、関東地方の大洪水などの影響で米が不作となり価格が高騰し、商業の発展によって商人が米を投機の材料とする傾向が強まっていたこともあって、天明7年には全国的に米価が異常に高騰し、全国各都市の都市貧民層の生活は困窮のどん底に陥った〔大石、榎森(1996)pp.221-222、岩田(2004)pp.326-331〕。そのような中で天明7年5月に大坂で発生した打ちこわしはまたたく間に全国各地の都市へと広まり、江戸時代最高の打ちこわし件数を記録するに至る。特に江戸での打ちこわしは町奉行による混乱収拾が不可能な状態に陥る激しいものであった。打ちこわし発生後、ようやく困窮した人々への支援策が具体化し、混乱は収拾に向かった〔安藤(2000)p.101、片倉(2001)p.7、岩田(2004)pp.324-336〕。
天明7年5月から6月にかけて全国を席巻した打ちこわしの結果、打ちこわしの原因を作ったとされ、民衆の批判対象となった田沼意次を支持する勢力が没落し、松平定信が老中に任命され、寛政の改革がスタートすることになる〔安藤(2000)pp.103-104、竹内(2009)pp.8-9〕。定信の政権は打ちこわしという民衆蜂起の直接的影響で成立した江戸時代唯一の政権であり、極めて強い危機感を持って大規模な打ちこわしを起こした都市の問題や、都市問題の原因ともなった農村問題などに取り組むことになった〔竹内(2009)pp.8-9、pp.22-26、pp.30-33〕。そして全国で同時多発的に打ちこわしが発生し、将軍のお膝元である江戸では激しい打ちこわしによって一時無政府状態に陥った事実は将軍の権威の低下を招き、天皇が将軍に天下の政治を委任する大政委任論の成立と定着をもたらすことになった〔藤田(1999)pp.111-131、岩田(2004)p.156、竹内(2009)p.5〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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