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ワプティア : ウィキペディア日本語版
ワプティア

ワプティア は化石節足動物の属の一つ。カナダバージェス頁岩カンブリア紀中期)から発見された。8cm程度に成長し、形態・生態的には現生のエビに似ていた。大きな二枚貝型の背甲と体節のある体を持ち、腹部の後端にはエビのような尾扇があった。活発に遊泳し、海底の堆積物の粒子を食べていたと考えられる。
バージェス頁岩で3番目に豊富な節足動物で、数千個体の化石が発見されている。1909年にアメリカの古生物学者、チャールズ・ウォルコットによって最初に発見されたバージェス動物群の一つである。 属には1912年に記載された''Waptia fieldensis'' の1種のみが認められており、その学名は発見地のワプタ山とフィールド山に由来する。
現生の甲殻類との類縁関係は未だ明らかになっておらず、暫定的に甲殻形類に位置づけられている。
== 形態 ==
最大で8センチメートルに達する〔。外骨格は非常に薄く、化石化過程で容易に変形する。頭部と胸部のほとんどを覆う二枚貝のような形の大きな背甲を持っており、これは前方で狭く、後方で幅広くなっている。頭部は短い5体節からなり、3-5対の小さな摂食付属肢がついていたと考えられるが、この構造は保存状態が悪い。
1対の細長い触角を持つ。触角の節数は比較的少ないが、個々の節が長い〔。これは感覚器官として用いられていたようで、多くの節に細かい剛毛が生えていた〔。また、現生甲殻類の第二触角に対応する位置にも1対の短い葉状構造が存在した。これらの間には小さな三角形の額板があり、その正中線上には細く鋭い隆起線があった〔〔。
よく発達した、有柄の複眼を持っていた〔。眼の形態は現生のアミ目と非常によく似ており、真の視覚像を結ぶことができたか、少なくとも物体の動きに敏感だった可能性は高い〔。正中眼が存在した可能性もある。おそらくと考えられる部位を含む神経組織も特定されている。
胸部は前部と後部に分けられる。前部は4体節からなり、よく発達した歩脚型の付属肢が背甲の縁を越えて外部に露出している。詳細な形態が判別できるほど保存状態はよくないが、肢の先端部の節には多数の細かい棘があった。この付属肢は内肢に由来するものだと推測され、外肢は存在しなかったか保存されていないものと考えられる。二枝型付属肢であったかどうかは不明である〔。
後部は6体節からなり、各節に1対、複数の関節のある付属肢がある。肢の基部近くの節は長いが、先端に近づくほど節は短く、細くなって背甲を越えて伸び、自在に動くようになっている〔。この付属肢には肢の内側を向いた長い細糸が存在し、これは現生甲殻類と共通する特徴である〔。この構造は化石化の際に押し潰されて板状になっていることが多いが、本来は細長い円筒形の管状だった。また、最も先端の節の細糸は束ねられて房状になっていた。この付属肢自体は外肢に由来すると推測され、や遊泳付属肢として機能していたものかもしれない。また、この付属肢はおそらく二肢型で、いくつかの標本ではその基部に小さな内肢の痕跡が残っている〔〔。
腹部は5体節からなり、最後の体節を除き付属肢はない。各体節の後縁には細かい棘と、4本以上の大きな棘があった〔。最後尾の体節には1対の平たいヘラ状の付属肢(尾肢)がある〔〔。この構造は遊泳中に体を安定させるほか、現生のと同様、尾を急激に腹側に曲げることで後方に飛び跳ね、捕食者から逃げるためにも用いられていたと見られる〔。各尾肢には3本の微かな横線が確認できることから、4つの体節が癒合したものだと推測される〔。尾の後端には長い尾節があった〔。体内には丸い胃と小さな消化腺の痕跡が確認でき、いくつかの標本では、尾節まで伸びた消化管の末端に微小な開口部(肛門)が観察できる〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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