翻訳と辞書
Words near each other
・ ビデオ・ジャーナリスト
・ ビデオ・スターリン
・ ビデオ・パック・ニッポン
・ ビデオ会議
・ ビデオ信号
・ ビデオ信号記録装置
・ ビデオ出版
・ ビデオ判定
・ ビデオ安売王
・ ビデオ屋
ビデオ戦争
・ ビデオ戦士レザリオン
・ ビデオ映画
・ ビデオ特急
・ ビデオ直視下前立腺蒸散術
・ ビデオ絵本 (ウォーカーズカンパニー)
・ ビデオ編集
・ ビデオ編集ソフト
・ ビデオ編集ソフトウェア
・ ビデオ表示端末


Dictionary Lists
翻訳と辞書 辞書検索 [ 開発暫定版 ]
スポンサード リンク

ビデオ戦争 : ミニ英和和英辞書
ビデオ戦争[びでおせんそう]
=====================================
〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

ビデ : [びで]
 (n) bidet, (n) bidet
: [いくさ]
 【名詞】 1. war 2. battle 3. campaign 4. fight 
戦争 : [せんそう]
  1. (n,vs) war 

ビデオ戦争 : ウィキペディア日本語版
ビデオ戦争[びでおせんそう]

ビデオ戦争(ビデオせんそう)とは、ビデオテープレコーダビデオディスクに関する規格争いである。VTR創世期以降、さまざまな規格争いが展開されている。
== VHS対ベータマックス ==
家庭用ビデオの規格争いとしては、もっとも有名な事例であり、単に「ビデオ戦争」といえば『VHSベータマックスデファクトスタンダード戦争』を指すことがほとんどである。
家庭用ビデオの最初期には、カセット収納型規格として
*U規格ソニー松下電器(現・パナソニック)・日本ビクター(現・JVCケンウッド)、後に放送用・業務用へ転用)
*Vコード / VコードII東芝三洋電機
*オートビジョン方式(1973年、松下電器)〔 立命館経営学 第45巻 第5号 2007年1月
第6回シンポジゥム『研究開発と企業競争力』/ 大曽根収「VHS世界制覇への道」 東洋大学経営力創成研究センター 2006年7月8日〕
*VX方式(松下寿電子工業(現・パナソニック ヘルスケア))
*ベータマックス(ソニー)・βII採用後はベータ方式と呼称
*VHS(日本ビクター)
など、さまざまな規格が乱立していたが、開発・販売が先行していたU規格がカセットの大きさや価格の面で家庭用としては普及せず、各社が1/2インチテープを使用する各規格を構築し「家庭用の本命」とPRしていた。しかしVコードを開発した東芝・三洋がベータ方式に参入(当初は併売)、オートビジョン方式・VX方式を開発した松下電器も子会社であるビクターが開発したVHSの併売を決め、最終的にはベータ方式とVHS方式に収斂されていった。
結果としてベータ陣営はソニーを規格主幹として東芝三洋電機NEC・ゼネラル(現・富士通ゼネラル)・アイワ(現・ソニーマーケティング)・パイオニア(現・オンキヨー&パイオニア)が、VHS陣営は日本ビクターを規格主幹として松下電器産業を中心にシャープ三菱電機日立製作所船井電機などが、それぞれ加わった。

ソニーのベータマックスがU規格と同等の性能確保を意識し、基本録画時間を1時間(後のβIモード)として画質を堅持、U規格と同じ形態によるフルローディングとして機能性を維持していた〔フルローディングを採用していなかった初期のVHSは、早送り・巻き戻し時にテープをカセット内に戻す仕様であり、操作性でベータマックスより格段に劣っていた。またリニアタイムカウンターの採用もできなかった(後にフルローディングを可能とし、改善している)。〕のに対し、VHS方式では家庭内用途を意識して画質・機能を過度に追求せず、基本録画時間を2時間と設定していた。録画時間で劣るベータマックスは、すぐさま2倍モードに相当する「βII」モードを開発・搭載することでVHS方式に対抗したが、2倍モードの構造的問題から再生処理を本来規格から変更せざるを得ず、βIIモードの再生処理を基本とした「ベータ方式」として規格を再構築し、これを各社が採用する形となった(最初期のβIをソニー以外の各社がサポートしない理由となっている)。ベータマックスの再生モードの基本がβIIモードになったことから、画質面では両者に顕著な差はなくなったが、機能面ではVHSはベータマックスの後塵を拝することとなった。ベータ方式は主幹のソニーが画質維持と高機能化を意図した開発指向で新機種を投入し、対するVHS方式は「家庭用」であることを強く意識した商品開発を各社がバリエーション豊かに進め、技術の進歩に合わせて目まぐるしいほどの速度で画質改善や新機能の搭載が進んだ。
こうして家電品史上例のない規格対立戦争は1980年代まで続くこととなったが、一般的傾向としては録画時間が長く、また販売店の多かったVHS陣営が1980年代初頭頃から優勢になり、1980年代半ばには「VHSの実質的勝利」という認識が拡がった。東芝・三洋などベータ陣営のメーカーもVHS方式の併売をはじめ、程なくベータ方式の新規開発を取りやめVHSへ完全に鞍替えすることとなった。ベータ方式の規格主幹であるソニー自身も1988年にVHSの併売に踏み切り、ベータ方式は事実上の市場撤退となった〔三洋電機は1985年をもって完全撤退したが、東芝やNECはメーカー在庫品の販売を1990年代前半頃まで行っていた。〕。ソニーはその後もベータ方式の開発・販売を続けていたが、2002年8月27日に同年末でベータデッキの生産終了を発表、市場からの完全撤退となった〔VHSを開発した日本ビクターでは2008年1月15日を以て単体デッキは全機種生産終了し、3in1機など複合型で存続。他の一部メーカーでは単体デッキを生産・販売継続している(「VHS#VHSの需要低下」参照)。〕。
最初の戦いがVHS勝利で幕を閉じた理由として、以下の理由が挙げられる。
*販売戦略による要因
 *VHSを牽引したビクターが陣営拡大のためOEM生産を精力的に行ったこと(参入社が増えることによる販売チャンネル拡大)
 *メーカー系列店での購入が主だった当時、結果としてVHS陣営のメーカーの系列店の方が多く、購入しやすかったこと。
*技術的要因
 *ベータ方式に比べ部品数が少なく、精密/調整箇所も少なかったため、各メーカーの参入が容易で量産や低価格化がしやすかったこと〔特に資金力に乏しいソフトメーカーは、機材を安価に購入できるVHSのみを選択することが多かった。〕。
 *基本規格の録画時間が長く、長時間モードも含めて有利だった〔当時はテープも高価で、1本のテープに録画できる時間が長いことは大きなアドバンテージだった。〕〔その後の規格戦争(後述のBlu-ray Disc対HD DVDなど)でも記録容量が大きいメディアに軍配が上がるケースが多く見受けられており、基本規格の記録容量は規格戦争を勝ち抜くための重要なポイントとなることも多い。〕。

 *ベータ陣営がVHS陣営に先駆けて投入した各技術が、消費者にとって決定的な差別化とならなかったこと。性能重視が裏目に出たケースも存在した〔例えばEDTVへの対応を見越したEDベータでは、水平解像度500本が売りであったが、結局の所はEDTVは普及せず、水平解像度が350本程度の従来アナログテレビ放送では明らかな過剰性能にすぎず、またテープ価格が高くなりS-VHSよりも不利になった。〕。
 *ベータサイドが普及期に大きな混乱を招いてしまったこと。テープの表示を長さ(フィート)で表したために録画可能時間が分かりにくい、記録フォーマットやノイズリダクションシステムによっては再生対応機種が限られる〔ベータマックス陣営が採用した高画質化技術であるハイバンドベータは、従来のデッキとの互換性が無かった。一方でVHS陣営のHQ方式は従来のデッキとの互換性が保たれていた。〕など、煩雑・難解な要素が存在していた。
*VHSの方がソフトが充実していた。
 *VHS陣営の優勢を受けて、ビデオソフトメーカーが販売・レンタルともVHSに一本化したこと。
 *アダルトビデオに対する見解の違い。VHS陣営がアダルトソフトにも積極的に進出する一方、ベータ陣営は発売をためらっていた。
ソニーはベータの苦境を見て、1984年には4日間連続の新聞広告で「ベータマックスはなくなるの?」「ベータマックスを買うと損するの?」「ベータマックスはこれからどうなるの?」といった問いかけに「答えは、もちろん「ノー」。」「もちろん発展し続けます。」というコピーを入れ、最終日に「ますます面白くなるベータマックス!」という展開で終わる奇抜な新聞広告を行ったが、4日間継続して読み続けないと意図が上手く理解できない構成だったことが災いし、ベータ離れがさらに進行する結果となってしまった〔そのため、1988年にソニーがVHSに参入した際は「ソニーはベータマックスをやめません。ご信頼におこたえします。」とストレートな表現に変更された。〕。
なお規格争いに勝利したVHSも、2010年代現在では終末期を迎えている。パナソニックは2012年に入って「VHSデッキの日本国内向け生産を2011年限りで完全終了した」旨を公式発表。これにより大手メーカーでのビデオデッキ生産は終了した。現在では船井電機(DXアンテナ)1社が、DVDレコーダーとの複合機を、ドウシシャ(「SANSUI」ブランド)が再生専用プレーヤーを細々と製造するのみである。多くの国でアナログテレビ放送が終了し、デジタルテレビ放送へと完全移行しており、録画ができるビデオ規格としては完全に過去のものとなった(デジタル放送が録画できるVHSの派生規格であるD-VHSは、既に製造が終了している)。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ビデオ戦争」の詳細全文を読む




スポンサード リンク
翻訳と辞書 : 翻訳のためのインターネットリソース

Copyright(C) kotoba.ne.jp 1997-2016. All Rights Reserved.