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ヒトに由来する生薬 : ミニ英和和英辞書
ヒトに由来する生薬[ひとにゆらいするきぐすり]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [よし]
 【名詞】 1. reason 2. significance 3. cause 
由来 : [ゆらい]
  1. (adv,n,vs) origin 2. source 3. history 4. derivation 5. reason 6. destiny 
: [らい]
 【名詞】 1. since (last month) 2. for (10 days) 3. next (year) 
来す : [きたす]
  1. (v5s) to cause 2. to induce 3. to bring about a result or state 4. to produce
: [せい, なま]
  1. (adj-na,n,adj-no) (1) draft (beer) 2. draught 3. (2) raw 4. unprocessed 

ヒトに由来する生薬 : ウィキペディア日本語版
ヒトに由来する生薬[ひとにゆらいするきぐすり]

生薬とは、天然物から有効成分を単離せずに用いるを指すが、その中にはヒトに由来する生薬も存在する。本稿では、それらの生薬について説明する。
== 概要 ==


有史以前のはるか古来より、人類は様々な物質を薬として用いてきたと考えられている。有史以降の現存する薬に関する書物としては、紀元前2000年頃のメソポタミア文明時代の粘土板を最古として、紀元前1550年頃の古代エジプトの『エベルス・パピルス』、紀元前3世紀頃の古代中国の『神農本草経』、紀元1世紀の古代ギリシャの『薬物誌』などの存在が知られている〔ジェイシーエヌ、「よくわかる最新「薬」の基本としくみ: 薬品が効く仕組みを図解で学ぶ!」、10-13ページ、秀和システム、2008年11月〕〔日本製薬工業協会 くすりの歴史 〕。科学的知見や医学的知識がほとんど存在しなかった当時、これらの薬の多くは実際に服用した先人による経験則や、呪術的な見地(形態学的に特異な物や疾患との対応性など)、ホメオパシー的見地、あるいは珍奇さから見出されてきたものであった〔。神話においては、中国の三皇五帝の一人である神農が、日々七十数種の植物を身を舐めて試し、薬となるかどうかを判別したとの伝説が知られている〔高知市散歩 神農(しんのう)と牧野文庫 〕。
このような呪術的観点からの治療が主流であった時代において、人体を薬として利用する行為が行われていたことを想像するのは難しくない。中国では古くから薬として人体の様々な部位を用いていたが〔桑原隲藏、「支那人間に於ける食人肉の風習」43-44ページ、青空文庫〕、日本でも同様に古くから脳や肝臓、人肉、人骨、肺、心臓、胎児などを病の治療のために利用した例が知られており〔粟屋剛、「徳山大学研究叢書 19」人体の利用と商品化 1章-4 医療関連の利用 〕〔礫川全次田村勇畠山篤、「犯罪の民俗学」、批評社、1993年11月〕、また西洋の民間薬でも人体由来のものが知られている〔赤松金芳、「新訂 和漢薬」、728-734ページ、医歯薬出版株式会社、1970年4月発行〕。
近代になり科学が進歩してくると、薬として用いられていた生薬から薬効成分を分離しようとする試みがなされるようになった。なお、実際に薬効成分としての化合物が初めて分離されたのは、ドイツ薬剤師フレードリッヒ・ゼルチュルナーによるアヘンからのモルヒネ単離であり、19世紀初頭の1804年のことである。
それから現在に至るまで、数多くの薬効成分が単離報告されているが、民間薬伝統医療で用いられている生薬の有効成分の調査は現在でも活発に行われている。
その中には、明らかに呪術的見地から選ばれていたであろう生薬から、具体的な薬効成分が見出された例も数多く知られており、これらはセレンディピティの例として示される場合がある〔岡部 進、「楽しい薬理学―セレンディピティ」、南山堂、2001年10月〕。
現在では医学的な実用性の見地や倫理学的見地などから、ヒト由来の生薬が用いられている例は知られておらず、また、『日本薬局方』の生薬総則に規定される生薬にも勿論のことながら収載されていない〔独立行政法人 医薬品医療機器総合機構 生薬総則 〕。しかしながら、20世紀以降の近年においても、難病治療のための万能薬として墓場の遺体を盗掘する例も存在する〔レコードチャイナ 猟奇!人肉スープを息子に食べさせた夫婦に判決下る―四川省南海法院 〕。近年規制の緩い旧ソビエト連邦東ヨーロッパ法医学施設で遺族をだまして採取した死体の組織がドイツに密輸され、大手企業によって歯科インプラントや美容形成、スポーツ医療用製品に加工された上でアメリカ合衆国に輸出され、そこからさらに世界30カ国以上に輸出されていることが明らかになった〔朝日新聞デジタル:遺体から皮膚や骨…闇取引 調査報道NPOが取材 〕。
なお近年では、ヒト胎盤抽出エキスを用いたプラセンタや、臓器移植輸血iPS細胞などの人体組織由来の医療法は、ある程度一般的に使用されているが、これには人体の商品化という面からの問題提起がなされている〔粟屋剛、「徳山大学研究叢書 19」人体の利用と商品化 1章-4 医療関連の利用 〕。
以下の項目では、人体を薬として使用する例を最も体系的に記述した李時珍の『本草綱目』第52巻および、本草綱目収録品の和名を収載した林羅山の『多識編』、あるいは『和名抄』を中心とした記述を行っている。なお、本草綱目には35の部位(と、他民族に関する項が2つ)が記載されているが〔本草綱目 第27冊 〕、以下ではそのうちの主だった記載内容のみを扱っている。
また、民話や伝説、実際の事件においてヒトの生き胆などの臓器を万能薬として扱う話は数多く存在するが、それらについてはごく一部を以下に紹介した。
* 安達ヶ原の鬼婆:公家に仕えていた岩手という名の乳母が、世話をしている娘の病気を癒すために、妊婦の生き胆を求めて旅人を幾人も殺害するが、最後には僧によって退治される物語である〔おもて敏幸、「三線かついで奥の細道」、65ページ、文芸社、2005年11月〕。なお、ストーリーには多くのバリエーションが存在し、結末が若干異なるものも知られている。
* のんきな患者:梶井基次郎の小説であり、肺病の薬として「脳味噌の黒焼き」を母に勧められる場面が描かれている〔青空文庫 のんきな患者 梶井基次郎 〕。なお、脳味噌の黒焼きは江戸時代に実際に販売されていたことが知られている。
* 摩訶僧祇律:仏教の戒律書であるが、健康や医学に関する内容も含まれている。第三十二巻には、一人の僧が黄疸治療のために人血を飲んだことを釈迦が知り、遺骨を焼いた灰をできものの治療に用いる場合を除き、人肉、血液、人骨の使用を禁じたとの記載がある〔中屋宗寿、「民衆救済と仏教の歴史 〈上巻〉」、109ページ、郁朋社、2006年10月〕。
* インド神話では、荼吉尼天は人の肉を食すことで神通力を得る女神として描かれている〔志村 有弘、「日本の魔界地図: 地図が語る闇の日本史」、95ページ、PHP研究所、2007年08月〕〔「「天使」と「悪魔」がよくわかる本 ミカエル、ルシファーからティアマト、毘沙門天まで (PHP文庫) (文庫)」、139ページ、PHP研究所、2006年9月2日〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「ヒトに由来する生薬」の詳細全文を読む




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