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ヒ72船団 : ミニ英和和英辞書
ヒ72船団[ひ72せんだん]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ふね]
 【名詞】 1. ship 2. boat 3. watercraft 4. shipping 5. vessel 6. steamship 
船団 : [せんだん]
 (n) (naval) fleet
: [だん]
 【名詞】 1. body 2. group 3. party 4. company 5. troupe

ヒ72船団 : ウィキペディア日本語版
ヒ72船団[ひ72せんだん]

ヒ72船団(ヒ72せんだん)とは、太平洋戦争後期の1944年9月にシンガポールから門司へ航海した、日本の護送船団である。アメリカ軍潜水艦と陸上航空機による攻撃を繰り返し受けたため、輸送船のほとんどが脱落し、護衛艦にも大きな損害が出た。撃沈された輸送船には捕虜移送中の船が2隻含まれ、捕虜多数が遭難した。
== 背景 ==

ヒ72船団は、ヒ船団と称する高速タンカー専用を建前とする護送船団の一つである。太平洋戦争後半の日本は、占領下にあるオランダ領東インドから石油を日本本土に運ぶため、シンガポール(当時の日本側呼称は昭南)と門司の間でヒ船団を運航していた。ヒ船団は、シンガポールへの往路には奇数、門司へ帰る復路には偶数の船団番号が付されており、ヒ72船団は通算72番目(復路36番目)のヒ船団を意味する〔ヒ20船団など欠航となった便があるため、実際の運航順は通算72番目や復路36番目ではない。〕。
ヒ72船団は、大損害を受けながらシンガポールに到着したヒ71船団の復航便として編成された。もっとも、ヒ71船団から参加している輸送船は、シンガポール発のタンカー2隻・その他4隻のうちタンカー1隻だけだった〔岩重(2011年)、91頁。〕。これらの輸送船は、貨客船勝鬨丸」(拿捕船:10509総トン)に乗った第16運航指揮班(運航指揮官:細谷資彦大佐)が統括した〔『南海丸戦闘詳報』、画像42枚目。〕。他方、護衛部隊はヒ71船団から引き続き第6護衛船団司令部(司令官:梶岡定道少将)が指揮しており、旗艦平戸」以下折り返し参加する海防艦3隻と新規加入の海防艦1隻(以上は第一海上護衛隊所属)のほか、連合艦隊所属の駆逐艦敷波」が便宜上同行して協力している〔。また、途中の南シナ海上からは、マニラへ部隊輸送を行った帰りのマモ03船団の輸送船3隻・駆潜艇1隻が合流することになった。
ヒ72船団に参加する輸送船のうち、貨客船「勝鬨丸」と「楽洋丸」(南洋海運:9418トン)の2隻は、南方作戦で捕虜となったイギリス軍オーストラリア軍の将兵を乗せた、いわゆるヘルシップであった。収容された捕虜の人数は、2隻合計で約2300人と記録されている〔陸軍運輸部残務整理部 『船舶輸送間における遭難部隊資料(陸軍)』 JACAR Ref.C08050112500、画像62枚目。〕。当時のアメリカ軍は、この2隻に捕虜が乗せられていることに気付いていなかった〔The Official Chronology of the U.S. Navy in World War II 〕。
アメリカ海軍は、通商破壊の任務で多くの潜水艦を出撃させ、ウルフパック戦術により日本のシーレーンを脅かしていた。1944年9月当時、太平洋方面で活動中のアメリカ潜水艦は一日平均27隻と若干低調だったが〔大井(2001年)、428-429頁。〕、ヒ72船団の進路には、潜水艦「グロウラー艦長のトーマス・B・オークリー・ジュニア中佐率いる熟練したウルフパックが哨戒中であった〔。さらにアメリカ陸軍航空軍も、桂林方面などに航空機を配備し、台湾周辺で日本商船を襲うようになっていた。日本側は船団への潜水艦の攻撃をさけるために、水深が浅く潜水艦の行動が難しい大陸沿岸部を航行する戦術をしばしば用いたが、この戦術は逆に陸上機による被害を受けやすくなる難点もあった〔大井(2001年)、324頁。〕。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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