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コナトゥス : ウィキペディア日本語版
コナトゥス
コナトゥス(:Conatus、より正確に音写すればコーナートゥス 原義は努力、衝動、傾向、性向、約束、懸命な努力)はかつて心の哲学形而上学で使われた術語で、事物が生来持っている、存在し、自らを高めつづけようとする傾向を言う。ここで「事物」とは心的実体、物理的実体、あるいはその両者の混合物を指す。数千年にわたって、多くの異なる定義や論じ方が哲学者によって定式化されてきた。17世紀の哲学者のルネ・デカルトバールーフ・デ・スピノザゴットフリート・ライプニッツトマス・ホッブズや彼と同時代の経験論者たちが重要な業績を築いている 。 「コナトゥス」は生物の本能的な「生きる意志」を指したり、運動慣性に関する様々な形而上学的理論を指したりする。しばしばこの概念は汎神論者の自然観では神の意志と結びつけて考えられる〔。この概念は定義が精神肉体に分割されたり、遠心力と慣性について議論する際に分割されたりする。
この「コナトゥス」という術語の歴史は2500年の推移を通じて広がってきた範囲の意味と分類におけるわずかな一つまみの連なりのようなものである。連綿とこの術語を採用してきた哲学者たちはそれぞれ自らの独自の解釈をこの概念に乗せ、それぞれが別々にこの術語を発展させたので、現在では明確で普遍的に受け入れられた定義を持たない術語となった〔。「コナトゥス」について議論した最初期の著述家は第一にラテン語で著作していて、用法は古代ギリシア哲学の概念に基づいていた。それゆえにそれらの思想家は「コナトゥス」を専門用語として使うだけでなく日常的な言葉として、そして一般的な意味でも使った。古風なテキストでは、より専門的な用法をより一般的な用法と鑑別するのが難しく、翻訳するのも難しい。英訳される際には、この術語はイタリック体で記されるか、「コナトゥス」の後にカッコつきで訳文が挿入される。今日では、「コナトゥス」は専門的な意味ではめったに使われない、というのは近代物理学ではコナトゥスに取って代わった慣性や運動量保存則といった概念が使われるからである。しかしながら、この術語は、アルトゥール・ショーペンハウアーフリードリヒ・ニーチェルイ・デュモンといった19世紀・20世紀の思想家に顕著な影響を与えている。
==古典的な起源==

ラテン語の''cōnātus''は、通常「努力する、~しようとする」と訳される動詞''cōnor''に由来する。しかし、「コナトゥス」という概念は最初紀元前にストア派及び逍遥学派によって発展させられた。それらの学派は (''hormê''、''インペトゥス''とラテン語訳される)という言葉を使って、魂が物体に向かう動きや、それによる物理的な運動の結果を表した〔Clement of Alexandria, in SVF, III, 377; Cicero, ''De Officiis'', I, 132; Seneca the Younger, ''Epistulae morales ad Lucilium'', 113, 23〕。古典的な思想家のマルクス・トゥッリウス・キケロ(紀元前106年 - 紀元前43年)やディオゲネス・ラエルティオス(紀元前235年ごろ)は、この原理を拡張して破壊に対する嫌悪を含意するようにさせたが、その適用範囲はヒト以外の動物の動因に限定され続けた。例えば、ディオゲネス・ラエルティオスは、特に植物に対してこの術語を適用することを否定している。ルネッサンス以前に、トマス・アクィナス(1225年 - 1274年)、ヨハネス・ドゥンス・スコトゥス(1266年 - 1308年)、そしてダンテ・アリギエーリ(1265年 - 1321年)が「コナトゥス」の同意語としてラテン語「ウルト vult」「ウェッレ velle」「アッペティト appetit」を使って同様の感情を表した。実際、これら4つの単語は全て元々のギリシア語の訳語として使われる。後にベルナルディーノ・テレシオトンマーゾ・カンパネッラが古代ギリシアの概念を拡張し、生物無生物にかかわらずすべての物体に適用した。
最初にアリストテレスが、後にキケローとラエルティオスがそれぞれ、「コナトゥス」と別の感情との連結を暗に示した。彼らの考えでは、コナトゥスが他の感情を引き起こす。人が何かをしたいと思うのはそれをよいことだと思っているからではなく、むしろ人はやりたいと思ったことをよいことだと思うのだと彼らは主張した。言い換えれば、人の欲望の動因は「コナトゥス」の原理に従って肉体が自らを増大させようとする本性的な傾向だということである。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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