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燐酸カルシウム : ウィキペディア日本語版
リン酸カルシウム[りんさんかるしうむ]
リン酸カルシウム(リンさんカルシウム、)はカルシウムイオンリン酸イオン(PO43-)または二リン酸イオン(P2O74-)からなるの総称である。の約70%はリン酸カルシウムの一種であるヒドロキシアパタイトからできている。
カルシウムと、リン酸の比率の違いにより、様々な相が知られている〔Wang L. and Nancollas G.H. Chem Rev 108 4628-4669, 2008〕。pH 4以下の酸性条件では、酸性相であるDCPD又は、DCPA(Brusite, Monetite)が安定相となり、それ以上のpHである中性、塩基性条件下では、ハイドロキシアパタイト(HAP)が安定相となる。弱酸性より高いpHの常温の溶液中でカルシウムリン酸を混合した場合、アモルファス相が初生相として出現した後、構造相転移により結晶相へと転移する〔Onuma K. and Ito A. Chem Mater 10 3346-3351, 1998〕〔Onuma et al. J Phys Chem B 104 10563-10568, 2000〕。一般にこの過程を経て形成した結晶相の結晶度は非常に悪い。
== 利用 ==
リン酸カルシウムは肥料の製造に用いられる。しかし特定のリン酸カルシウムを過剰に使用すると表面流出を招き、水の華富栄養化などの公害に至ることもある。
E番号341の食品添加物として、チーズの製造などに用いられる。またサプリメントとしても用いられるが、カルシウム塩の種類により生物学的利用能が異なるとの指摘もある。歯の再石灰化を促すとして歯磨き粉にも使われている。
さらに、遺伝子トランスフェクションにも使われる〔Calcium Phosphate Method for Gene Transfection of Mammalian Cells 〕。機構については詳しく分かっていないが、リン酸カルシウムが沈着してDNAが複合体を作り、DNAが細胞を通り抜けられるようになると考えられている。
また、二リン酸と塩基性カルシウムを反応させることで二リン酸カルシウム Ca2P2O7が生成する。この物質は、歯磨き粉のマイルドな研磨剤として一般的に使用されているほか、関節への沈着によって偽痛風の要因にもなる。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「リン酸カルシウム」の詳細全文を読む

英語版ウィキペディアに対照対訳語「 Calcium phosphate 」があります。



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