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浦上燔祭説 : ウィキペディア日本語版
浦上燔祭説[うらかみはんさいせつ]
浦上燔祭説(うらかみはんさいせつ)は、長崎市への原子爆弾投下および原子爆弾にまつわる永井隆(医学博士)の思想を指した定義のひとつであり、永井の言説および著作(『長崎の鐘』など)に関する論評のひとつである。高橋眞司長崎大学名誉教授〔高橋真司とも表記。元長崎大学教育学部教授(2006年度で長崎大を定年退職)〕によって命名された。浦上燔祭論(うらかみはんさいろん)。
「燔祭(はんさい)」とは、生贄にささげる儀式。そのなかでも全燔祭を「ホロコースト」(:en:Holocaust (sacrifice))と呼ぶ場合がある。
== 永井隆の原爆論 ==
広島は、三角州(デルタ地帯)でおおむね平坦な土地である。広島での原子爆弾は市の中心部に落とされたことから、その被害は市街地全域に幅広く及んだ。それに対して、長崎での原子爆弾は、浦上という街外れの山あいの集落に落とされたものである。浦上川の両岸にわずかな平地があり、と並行するように急峻ながそびえ立つ。この山間が回廊回廊地帯)のような役割を果たして、狭い地域を爆風が吹き抜けた。複雑な地形は、長崎の原爆被害に同じ市内であっても場所によって濃淡をつけた。例えば長崎駅では、爆風で窓ガラスの破損などがあったものの、その他の被害は割合に軽微であった。長崎県庁でも被害は少なかった。被害の程度に差があることや市街地の被害が比較的大きくなかったことは、その後の原爆についての考え方や態度で長崎市民の間に、温度差や時には対立をも生じることになった。
「原爆は長崎ではなく浦上に落ちた」「お諏訪さん(諏訪神社)が原爆から守ってくれた」などと市民の間で公然と言われるような被爆直後の状況に、カトリック信者である永井は直面することになる。
高橋真司は、永井の考えを次のように分類する。
#永井は長崎原爆をどう見るか - 「摂理(大きな御摂理)」である。
#永井は原爆死没者をどう見るか - 「汚れなき小羊の燔祭」である。
#永井自身を含めて生き残った被爆者はどうすればいいか - 「神が与えた試練であり、神に感謝」すべき。
ほか、永井は原爆死した妻を原子雲のうえで昇天させた絵も書いた〔岡本洋之 「永井隆はなぜ原爆死が神の摂理だと強調したのか?」 ,教育科学セミナリー第42号,関西大学教育学会,2011.〕。また、永井は原子爆弾という「新しい動力」について「明るい希望」として、原子爆弾を生み出した科学技術を神に与えられたものとして賞賛している〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「浦上燔祭説」の詳細全文を読む



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