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エリア88の登場人物 : ウィキペディア日本語版
エリア88の登場人物[ふぁいあぼーる]

エリア88の登場人物では、日本の漫画エリア88』およびそれを原作とするアニメ、およびカセットブックに登場する架空の人物について説明する。
本記事中のキャスト欄にある「OVA」、「CB」、「テレビ」の表記はそれぞれオリジナルビデオアニメ、カセットブック、テレビシリーズを指す。また、担当声優名は当時のクレジット表記に基づく。各キャラクターの乗機の変遷は原作の漫画版に基づいており、基本的に一回限りのものは省かれている。
== エリア88 ==

=== 主要人物 ===
; 風間真(かざま しん)
: OVA、CB:塩沢兼人(OVAでの少年時代:坂本千夏)、テレビ:子安武人
: 本作の主人公。通称、シン。わかばホームという孤児院で育ち、幼少期から少年期をそこで過ごす。
: 大和航空のパイロット候補生で、社長の娘・津雲涼子とも恋仲だったが、孤児院から一緒だった親友・神崎の策略により、アスラン王国の政府軍外人部隊・エリア88に入隊させられる。パーソナルマークは炎のたてがみのユニコーン。
:
; サキ・ヴァシュタール
: OVA:志垣太郎、CB:田中秀幸、テレビ:高橋広樹
: エリア88の司令官。中佐。アスラン国王ザクの甥で、反政府軍の首領アブダエル王子とソリア妃の長男。リシャールは実弟。パーソナルマークはアスラン王国の紋章(王冠を載せた獅子)。
: アスラン王家の王子であり、本来正規軍を指揮するべき立場だが、父親との決着を付けるために外人部隊を率いて最前線に立つ。サキと父アブダエルの相克も本作のテーマの一つであり、本作品のもう一人の主人公。独房に入れられ精神錯乱を起こしたシンによって負わされた傷が元となり、しばしば発作的に視力を失う症状を抱えることになる。一時欧州で治療を受けたものの、暗殺者による妨害で十分とは言えず最終的には失明した。
: 額のX字の傷痕と、腰まで届く真っ直ぐな黒髪の長髪が外見上の明らかな特徴。この髪が母ソリアや弟リシャールの美しいブロンドとは似ても似つかず、父からの遺伝であることをサキは嫌っている。目を傷めてからはサングラスを着用するようになり、それもトレードマークの一つとなっている。
: かつて自らの甘さと判断ミスにより、率いた部隊を父親と弟に裏切りに近い形で壊滅させられた過去を持つ(経緯の詳細は#アスラン王家の人々 リシャール・ヴァシュタールの節を参照)。額の傷跡はこの過ちを忘れぬため公の場で自らナイフで刻んだ罪の十字である。このような過去のため、アスラン正規軍人の中には「裏切り者のサキ」という偏見が根強く残っており快くは思われていない。戦争の非情さを痛感しており、冷徹で非情な言動を取ることが多い。しかし根っからの冷血漢ではなく、その心は常に母親の愛したアスランの国土を強く想っていた。美しい国土を戦火に巻き込み、多くの犠牲者を出した自身の立場を重く受け止めており、その複雑な内面が時として露悪的な言動となって表れることも。
: 指揮官としては沈着冷静で有能であり、滅多なことでは動じない強い精神力と大局的な視点から戦況を判断する聡明さを兼ね備える。ラウンデルやシンの提案した作戦を即座に取り入れたり、エリア88の規模や環境が変化する度にそれに合わせた采配を振るなど柔軟性も高い。また、あまり実戦には参加しないがパイロットとしてもシン、ミッキーに引けをとらない腕前を持つ。「背後を取られた状況から、突如敵の視界から消え、いつの間にかその背後に天地反転もせずに位置している」という機動を決め技としており、様々なエピソードで披露している。視力を失った状態で、地面に反射する飛行音を頼りに着陸を成功させ、皆を驚かせたこともあった。
: 傭兵たちに対しては、一般的な軍隊のような規律にこだわらず対等の立場で接し、食事も士官用食堂ではなく彼らと共に摂る。加えて前述のように一パイロットとして傭兵たちと同じ比重で命を危険に晒しているため、傭兵たちからも役職名ではなく“サキ”とファーストネームで呼ばれ慕われている。そうした彼の人柄により、プロジェクト4の介入により正規軍が事実上壊滅しザク国王が亡命を余儀なくされ、エリア88が事実上の反政府ゲリラ部隊となっても、金銭関係を抜きにして彼の下に残る傭兵も多かった。このことをラウンデルは「傭兵を雇った指揮官は数多く見たが、心を買ったのは彼だけだ」と涙ながらに述懐している。そういうラウンデル自身も落ち目のサキと行動を共にしている。
: 目の治療のため欧州に渡った際に涼子たちとも関わりを持つこととなり、彼女のシンに対するひたむきな愛や、シンがエリア88に入隊した経緯を知る。そのため基本的に傭兵たちの身の上には無関心ではあるが、例外的にシンに対してだけはその境遇を気にかけていた。また、正式な手続き無しに加わったセラについてはエリア88唯一の女性として唯一人士官用水洗トイレの使用を認め、生理の際に出撃を免除するなど配慮している。
: 内戦終盤、戦火で混乱する王宮内に乗り込み、神崎の策略により監禁され重度の麻薬中毒者となっていた父・アブダエルと対面。衛兵に撃たれ正気を取り戻したアブダエルと和解しその死を見届ける。最期はシンに見送りの礼を述べ、母の墓廟内に父の骸と共に入り銃で自決。炎上する宮殿と運命を共にした。彼の死は神崎との決戦後にシンが記憶喪失に陥る一因となる。
: 名前の由来はスコットランドの小説家サキ (小説家)の短編「スレドニ・ヴァシュタール」。
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* 乗機:クフィールB-1 → クフィール
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*: サキの所有機としてF-15が登場するが、劇中で彼自身が搭乗したことは一度もない。クフィールはアスランの友好国であるイスラエルからの入手であり、他のエリア88メンバーにも乗機とする者は多い。B-1は目の治療から帰国する際、「中東におべっかを使いたい国」から供与された。核兵器の使用も想定した導入であり、B-1のパーソナルマークだけは「翼の付いた兜をかぶった髑髏」という仰々しいものとなっている。
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; ミッキー・サイモン
: OVA:富山敬、CB:堀秀行、テレビ:関智一
: 元アメリカ海軍所属。パーソナルマークはプレイボーイのラビットヘッド〔このパーソナルマークはアメリカ海軍実験部隊であるVX-4 Evaluators でも使用されていたものである。〕。
: アナポリス海軍兵学校卒業後、エンタープライズの飛行隊に所属しベトナム戦争に参加しており、当時は火の玉ファイアボール・ミッキー〔この「火の玉○○」という異名は、後述のロッキーや、他の作品の登場人物の異名としても、いくつか登場しているケースが見られる。〕という呼び名があった。マックバーンを初めとするプロジェクト4のメンバーや、ベトナム戦争当時南ベトナム軍所属であったグエンも彼の名を知っていた。実家は大企業の社長一家で婚約者もいたが、復員後平和になじめず外人部隊に入隊した〔第一話での彼は「たんまり稼いで余生を遊んで暮らす」と、金儲けが目的であるかのような発言をしていたが事実ではない。〕。血液型はA型で、反政府軍に玉砕覚悟で突っ込んだ際にサキの弟・リシャールに助けてもらった恩があり、リシャールと血液型が同じA型だったことから彼の手術の際には輸血に協力した。
: シンとは衝突も度々あったが厚い友情故のことで、戦いの中で互いに背中を任せられるほどの深い信頼関係を築く。腕はシンとサキに並び、撃墜数ではシンに次ぎエリア88のナンバー2。ただし対地攻撃はやや苦手。空戦では一撃離脱を信条としている。
: ベトナム戦争当時、村を一つ焼き払って村民を虐殺した過去を持つ。伝染病が発生し、ワクチンも届けられずやむを得ない状況だった為、部下を連れずに一人で作戦を遂行した。彼自身にとっては苦い過去である。
: プロジェクト4所属のマックバーンとは米海軍でともに戦っており、旧知の仲である。ベトナム戦争後、ブルー・エンジェルスに配属されたマックバーンを羨ましく思っていた。逆にスラムから這い上がったマックバーンもまたパリパリの将校として着任し、戦友達から非常に慕われていたミッキーに羨望していた。再会後に互いの事情を語り合い、その後は様々な場面で好敵手として戦いを繰り広げる事となる。
: 明るい性格でムードメーカー的存在。アメリカ合衆国独立記念日の際には、米国出身のパイロットを集め、率先してパーティーを開いていた。サキの不在時には戦隊司令官代行となっている。ギリシャ訓練基地での部隊再編後はシン、グレッグと共に大尉に任官し、ケンを副官にしている。プロジェクト4の攻撃により、アスランの首都が陥落した時には、エリア88のパイロットを代表してサキと交渉し、パイロットを脱出させるよう要求するなど、パイロット達からの信頼も厚くリーダーシップを発揮している様子が伺える。
: アスラン内戦終盤セラと恋仲になり、戦後共に生きることを約束するものの、最終出撃時にマックバーンとの交戦でセラを庇って被弾した愛機F-14が着陸中に爆発炎上。セラが駆けつけたが既に意識はなく、そのままセラと共に爆死。
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* 乗機:F-100A-4クフィールF-14F/A-18(地上空母の搭載機) → F-100 → A-4 → F-14
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*: ベトナム戦争での愛機だったF-14戦闘機〔ただし、F-14戦闘機の初飛行は1970年であり、ベトナム戦争中に運用されたのは末期の1975年でほとんど使用されていない(F-14 (戦闘機)#実戦経験の節を参照)。1972年当時に使用していたことをミッキーが回想するシーンがあるが、あくまで物語上の設定である。〕を「こいつが一番気に入ってる機体」と語っている。
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: 新谷の作品『ふたり鷹』にカメオ出演し、鈴鹿8耐で88番車に搭乗した。
; グレッグ・ゲイツ
: OVA:神山卓三、テレビ:高塚正也
: 元デンマーク空軍所属。機体のパーソナルマークは“ナイフを咥え蝋燭が立てられた髑髏”でヘルメットのパーソナルマークは黒い波形の線。〔ヘルメットにダルマの描かれたグレッグもワンカット描かれている。〕。
: 除隊後、ソビエト連邦からの亡命者を手引きする「逃がし屋」をバクシーと共にやっていたが、ある事件がきっかけでデンマークを脱走し、外人部隊に入隊。突き出た腹と達磨のような髭が特徴で、「ヒゲダルマ」と呼ばれていた。
: 初登場は第7話〔ただし、第2話で、F-5に搭乗する姿がワンカットだけ登場。撃墜されたが生還したらしい。〕。搭乗機が火を出し、自らは負傷して帰還したにもかかわらず、アルコールを頭にぶっかけ、包帯をぐるぐる巻きにし、火が消えたばかりの機体に整備もせずに燃料と弾薬を補給し再出撃する様は、取材経験豊富なロッキーをあ然とさせた。
: エリア88のナンバー3で、地上攻撃では無類の強さを見せる。戦友の死に涙する人情家であり、戦時下においても人としての道を示すヒューマニストでもあり、前述のように負傷も意に介さぬタフで豪快な男。またケンカっ早く、些細なことを巡っては仲間たちとケンカを繰り広げている。反面、見かけによらず教養が深い。
: 正規軍との共同作戦で名誉を重んじる正規軍のパイロットたちに「あんたらには戦争が終わった後にこの国を立て直す仕事がある。戦いで死ぬのは帰るべき故郷を持たない外人部隊の仕事だ」という演説をぶった。それまで88の外人部隊を「戦争を食い物にする傭兵風情」という見方をしていた彼らの意識が変化する契機となる。物語の終盤ではグレッグの演説がプロジェクト4の下で働かされていた旧正規軍人たちの一斉蜂起に繋がった。
: エリア88では対地攻撃部隊の一員として元相棒のバクシーや仲のいいジェンセン、キャンベルらと共にスカイホークを愛機としていた。だが地上空母との戦いでキャンベルの戦死に遭遇。力不足を痛感し、貯め込んでいた貯金を全額渡してマッコイにA-10を入手してくれと懇願した。ジェンセン、キャンベルが相次いで戦死したことで意気消沈し泥酔してブロンコで出撃したものの撃墜され、グランドスラムの空けた大穴に落ちる。その後、地上空母がエリア88を占拠したため地上要員と共に捕虜にされ、地上空母の爆破により放射線被爆した。ギリシャでの再編中にマッコイから機体が届き、以後は戦死までA-10を愛機とした。旧基地の再建時にはブルドーザーを操縦する土方姿を披露し、ミッキーからそっちの方が似合っていると揶揄される。傭兵引退後を聞かれ、海の側に家を買い毎日釣りでもしながらバイオリンのレコードを聴いて暮らすと答えている。
: アスラン内戦終盤、乗機のA-10が機銃により左エンジンに被弾、撃破され不時着してしまう。A-10からは無事脱出して基地へ帰還しようとしたグレッグは、その途中、戦禍によって孤児となった女児を見つけ、保護しようとするが、パニック状態であったその女児に拳銃で2発撃たれてしまう。その様子を見ていた友軍がアサルトライフルを発砲しようとしたがグレッグが止め、苦痛に耐えながら優しく女児を諭し、拳銃を投げ捨てた後、女児に対して「母親は優しかったのか」と言う問いに頷いた際に「きみもきっと優しいお母さんになる」と言い残し、笑顔のまま眠るように息を引き取った。その死を知ったアスラン空軍正規兵は、空港まで航空機で駆けつけ、彼の遺体が安置されているターミナルビルに向かい「革命の父」と呼び機上から敬礼を捧げた。
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* 乗機:A-4クフィール → A-4 → OV-10 → A-10
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*: クフィールに乗った事もあるが、全般的に戦闘機よりも攻撃機を愛用している。地上空母戦後は、最後までA-10を愛機とした。
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; ウォーレン・コールドマン
: 序盤から登場している古参の傭兵。パーソナルマークはヘルメットの「W」の文字で左右に星が描かれている。〔クフィールを愛機としているキャラクターで機体にパーソナルマークを描いているのはサキだけ。シンでさえクフィール搭乗時はお馴染みの一角獣を使用していない。〕
: ケンとペアで描かれることが多い。優男でイケメン。絵として初登場する以前にも、編隊構成員として、ケン、ウォーレンの名前だけ呼ばれるシーンが数回ある。
: フォークギターが得意でたまの安息には即興で弾き語りをする。出身は不明だがフランス語はまったくダメだったらしい。〔にも関わらず、どのようにしてフランス外人部隊への入隊手続きをしたかは謎。〕地上空母との戦いでファントムの後部座席でフランス製熱源トレーサーおよびそのマニュアルと悪戦苦闘を繰り広げた際に短期間で習得した。パイロットスーツと整備服しか用がなく、男ばかりのエリア88でマッコイに注文してメンズ・ファッション誌を定期購読している。〔そのお陰で神崎の大和航空の買収後に涼子がアパレル業界を立ち上げていることをシンが知ることになった。〕キムに赤い月の夜にはよからぬ企みが行われていると語っている。ギリシア再編時に少尉となり、シンの中隊の副官を任じられた。秘蔵っ子であるキムと共にシンが最も信頼する部下。エリア88メンバー中トップレベルの腕を持つ。
: アスラン内戦終盤にマックバーンの命令で脱出を命じられたプロジェクト4の空軍部隊が無差別爆撃を行っていたのに遭遇。敵機と自機が接触し脱出を試みるが、脱出装置が作動せず機体が爆発、戦死する。
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* 乗機:クフィールA-4 → クフィール
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; ケン・シュニッツ
: 序盤から登場している古参の傭兵。パーソナルマークは「KEN」の文字で左右に狼が描かれている。普段はニット帽をかぶっている。
: ギリシア再編時に少尉となり、ミッキーの中隊の副官を任じられた。エリア88メンバー中トップレベルの腕を持つ。自ら「不良中年」を自称している。
: アスラン内戦終盤、機体に被弾しながらもシンとキムの乗ったヘリコプターを撃墜しようとしたプロジェクト4のミグを撃墜するが、自身も既に重傷を負っており、キムに別れを告げた直後に力尽き機体が建物に激突、戦死する。
: 旧エリア88基地が復旧したとき、滑走路の大穴のペイントをしたのは彼である。
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* 乗機:クフィールA-10 → クフィール
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; キム・アバ
: TV:広橋涼
: 南アフリカの小国ルンガの第3王子。機体のパーソナルマークは、ヘルメットマークは左右に翼を持つ虎。テレビシリーズでは第1話から登場している。
: ギリシア再編時にシンの中隊に加わる。エリア88メンバーでは数少ない黒人。ルンガの王族は元服の際に自己鍛錬として従軍する慣わしがあるため志願。年少(登場時16歳)であることから、メンバーに可愛がられていた。好物はイチゴジャム
: 配属後、上官のシンから猛シゴキを受け、「生き延びる意志の大切さ」を教えられ、以後公私にわたりシンを慕うようになる。グエンの入隊後は彼からちょくちょくからかわれていたが、それがグエンの子供好き故のことであると徐々に分かり打ち解けていく。山岳基地からの脱出戦ではグエンから「生きて囲みを抜けられたらイチゴジャムの極上を一個やる」と言われ、除隊したシンから譲り受けたタイガーシャークで突破を果たすが、グエンが戦死したため落涙する。セラとは彼女が捕虜になった際から因縁があり、セラが88に加入すると仮設基地近くで水浴びしているところを見られ、ブラシア潜入作戦では姉弟という設定で作戦に従事し、空母88では同部屋をあてがわれ、旧基地偵察では一夜を共にして幽霊を目撃し、旧基地再建では食事担当係を任せられるなど何かと一緒に行動することが多かった。姉御肌のセラと子供っぽいキムの性格上、まるで姉弟ケンカのような光景が88の日常となっていた。セラとは口喧嘩が絶えなかったが、お互いに心の底では大切な仲間だと思っており、セラを気遣う発言も度々している。
: 元々の技量に加え、シンの課した厳しい訓練に耐え抜いたことで磨かれた操縦技術は確かなものであり、ハリアーVTOLを生かしてさまざまな局面で活躍した(作中ルンガ王国に空母で寄港する際、「政府関係者の下へ行く」としてヘリで宮殿内に乗り付けたこともあった)。
: シンに教えられた「生き延びる意思の大切さ」を忠実に守りきり、最終決戦後も完全な状態で生き残った88唯一のメンバーとなった。
: 原作最終回のラストで、エリア88時代の記憶を失って涼子と共に去っていくシンを唯一人見送った。
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* 乗機:A-4 → AV-8A → F-20 → ハリアー又はAV-8A(作品中では明言されていない)
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; セイレーン・バルナック
: 通称、セラ。エリア88の紅一点で、潜入工作や部隊指揮もこなす女傑。パーソナルマークはハート。左目の下にホクロがあるが、描かれていなかったり、逆になっているコマも多い。
: 最初は父がリーダーを務める傭兵部隊のパイロットとしてプロジェクト4についていた。シンの機体を撃墜し、逃げ込んだ遺跡の地下に落ちて気を失ったシンの前に水浴び中の一糸纏わぬ姿で現れ、「砂の女王」と名乗りエリア88のメンバー全員をプロジェクト4へ寝返らせることを勧める。シンは断ったが、セラの美しさについては認めており「もし俺の心に涼子がいなかったら、君の誘惑には耐えられなかっただろう」とある種の敬意を表し、手の甲にキスをしている。一途で潔い態度に魅せられ、シンに惚れてしまう。
: その後脱走兵の振りをした88の部隊と交戦し、ミッキーに撃墜され捕虜になるも、プロジェクト4の支援を受けた反政府軍によりアスラン陥落が確実となった際にシン達の計らいで山岳の88基地から脱出、シンからの伝言をパリにいる涼子に伝えてNATO空軍のF-104で88基地に帰還するが、彼はザク国王をフランスに亡命させる命令を受け、既に除隊していた。サキたちが88基地を放棄したためそこに乗り込んできた仲間のマックと合流するが、父親が戦死したことで彼女にとってプロジェクト4で戦う理由はもはやなかった。
: マックの計らいもありプロジェクト4を除隊後、彼らのやり方が気に食わないという理由でエリア88に加わる。空戦の腕は一流で、文字通り敵パイロットを冥府に誘う伝説の怪物セイレーンを自認していた。
: 88入隊後、ミッキーと行動を共にするうちに恋仲になるも、最期は炎上するミッキーのF-14に身を投じ、共に爆死する。キムとコンビを組むことが多く、キムの姉貴分とも言うべき存在であった。キムとは口喧嘩が絶えなかったが、互いに心の底では大切な仲間と思っており、キムを気遣って優しい言葉を掛ける場面も幾度もあり、アスラン内戦終盤で王宮に取り残されたシンとサキをヘリコプターで救出に向うキムを、「必ず帰ってくるのよ」とキスして送り出した。
: 彼女が惚れたシンの評価は「パイロットや兵士としての技術は一人前だが、心は優しい娘のままで傭兵としては水準以下」とのこと。ブラシア組から敬意を込めて「姐さん」と呼ばれるように圧倒的多数の敵戦闘機相手でも一歩も引かない勇敢さを持つのと同時に、旧88基地で幽霊と遭遇して気絶したり、同室のキムを冗談交じりで誘惑してみたり(一方のキムは「色気ババァ」などオバサン呼ばわりするため喧嘩が絶えなかったが)、涼子に「戦場でシンを守れるのは自分」と言い放つなど女性としての面も様々に描写されている。旧OVAでは登場せず、テレビシリーズではその役どころをオリジナルキャラクターのキトリにとって代わられた。
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* 乗機:MiG-21F-104F-4A-4 → F-104
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*: 山岳の88基地脱出時にT-38タロン(F-5の姉妹機)を使用している。またミッキーのF-14の後席に搭乗したり、ワンカットのみクフィールに搭乗したりしている。
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; ラウンデル
: OVA:広瀬正志、テレビ:服巻浩司
: アスラン空軍少佐。「アークロイヤルで海賊(バッカニア)を率いてきた…」というサキの台詞から、元イギリス海軍パイロットのようである。通称、空の銀狐
: ギリシアに存在する外人部隊養成所の教官で、エリア88のメンバーが一騎当千の実力者揃いなのは彼の手腕に依る処も大きい。かつてはシンも訓練を受けた。
: ギリシア再編後はサキの参謀を務める。サキを名将に育て上げた師でもあるが、部下としての彼に対する忠誠心は限りなく深く、パイロットとしての腕も一流。右目にアイパッチをしている。根っからの空母乗りらしく、空母88で嬉々として発着艦訓練を行うミッキーたちを見てソワソワし、サキから訓練への参加を許された時はいそいそと準備に向かう面も見られた。
: 強面に似合わず涙もろい一面もあり、捕虜になったセラの取調べを行う際に彼女からシンへの想いを聞いた時や、空母エリア88の艦長から戦後も引き続きアスラン防衛に務めたいとの意思を受けた際に涙を見せている。
: アスラン内戦終盤で空母エリア88に向けて発射されたエグゾセ対艦ミサイルの命中が避けられぬと知るや空母を守るため愛機ごとミサイルに体当たりして戦死。
: キムが「サキ・ヴァシュタールが最も信頼する七人の兵士」の一人として名前が挙がっていながらも戦死しなかったことから、名前こそ挙がらなかったが彼をその一人として含める見解もある(そもそもミッキー以外の6人の名前は、サキではなくミッキーが信頼できる6人として挙げた者である)。パーソナルマークは海賊(ジャンプパイレーツ)。なお、ラウンデルというのはイギリス軍などの使用している円形の国識別マークの呼称でもある。
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* 乗機:バッカニア
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; マッコイ
: OVA:家弓家正、テレビ:大塚周夫
: 通称、マッコイじいさん武器商人。守銭奴。パーソナルマークは金袋。
: 相棒はプーキー。なお、第1話から最後まで登場しているのは、シン、サキ、ミッキー、そしてこのマッコイじいさんだけである。
: やや腰の曲がった小柄な老人ではあるが、商売に関するバイタリティは凄まじく、ティッシュペーパーから最新鋭の戦闘機まで、金づくで何でも調達する。「金さえ出すならクレムリン宮殿だって引っ張ってきてやる」が信条。外人部隊であることから装備の規格が整わないエリア88には欠かせない存在。だが売りつける格安品の中にはトンデモな品物も多くある(詳細はエリア88 (架空の基地)#使用された兵器の節を参照)。墜落した敵機の使える部品を回収し売りつけたり、在庫のだぶついたフィルムを売りさばくために、撮影に夢中になったロッキーのフィルムバッグを炎天下に放り出して予備フィルムを台無しにするなど悪辣さも垣間見せている。物語後半ではシンに依頼されエンタープライズ級の航空母艦さえ調達してみせた。88相手以外にも手広く商売をやっていたようで、ボッシュとも取引があった。彼いわく88は「一番損もしたが一番長く続いた商売であり、中東では88以外とは取引しない」とのこと。
: 商売柄様々な兵器の知識を有しており、売りつけた機体の組み立てや整備・改造にも携る。一応スイス銀行に口座を持っている。
: 地上空母編ではF-18に仕掛けられていた爆弾の取り外し作業に同席していた際に爆弾の爆発に巻き込まれ、生死の境をさまよったが命は取り留めた。
: いわゆる『死の商人』であり、エリア88撤退時等に自身も自嘲気味に「死神みたいなジジイ」と語っている。しかし、それ故に最前線で戦い続ける88メンバーに対しては常にその境遇を気遣っており、中でもとりわけシンのことを心底気に入っており、カップヌードルを調達した際には条件付きながらタダで分けてやり、最新鋭機のF-20を入手するや迷わずシンに商談を持ちかけ、バンバラではシンのためだけに滞在期間を延長して国内に留まってボッシュの無線を傍受して救出し、シンが神崎との決着のため外人部隊への入隊書類に自らの意志でサインする際には「馬鹿じゃよ」と涙ぐんでいる。また、セラにプロポーズしたミッキーに対して真っ当な生活に戻ることを諭している。逆にサキとミッキーが信頼する7人の部下について語り合った際にはミッキーがマッコイの名を上げている。
: 88メンバーとの絡みでは比較的コミカルなキャラクターだが、彼らとの絡みが無い(シンを除く)バンバラでのエピソードでは武器商人としての凄みを見せる。
: 新谷いわく、この作品で一番お気に入りのキャラクター〔ガイナックスのCD-ROM「新谷かおるアートコレクション」での作者インタビューによる。〕。
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* 乗機:C-130(操縦はプーキー)
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; バクシー・マローン
: OVA:古川登志夫
: 元デンマーク空軍所属。
: 除隊後、グレッグと共に逃がし屋をやっていたが、ある事件がきっかけで外人部隊に入隊。グレッグの戦友として各所で登場した。サキが傭兵部隊ウルフ・パックと戦うためクフィール支給の9人のメンバーを選抜した際に選ばれている。グレッグいわく「セコくって臆病な奴」。本来は揉め事が苦手。グレッグとは人前では口汚く罵りあっているが、彼が撃墜されて行方不明になった際には心配で夜も寝られずにいた。地上空母との戦闘中に眼を負傷、ミッキーに空母の位置を聞いた後体当たりを敢行し、戦死。地上空母撃沈後はグレッグがミッキーに突っかかる事件が起きている。
: OVAではロッキーをF-4に同乗させての戦闘中、ミサイルで撃墜されて戦死。そのシーンは原作のマリオにほぼ準ずるものであった。
:
* 乗機:A-4クフィール → A-4
:
; フーバー・キッペンベルグ
: TV:藤本たかひろ
: 元西ドイツ空軍少佐。通称、鋼鉄の撃墜王
: 祖父と父も戦闘機乗り。訓練中の事故で部下を亡くし除隊、のちに外人部隊に入隊する。NATOでは飛行隊長をしており、サキに代わってエリア88飛行隊の指揮もとった。シンの評価では「指揮のとり方はサキより安心感がある」とのこと。人望に厚く死後も彼を慕う者は多い。
: ドイツワインのシュタインベルガーをこよなく愛する。シンの機体の無線機が故障した際にはミッキーと自国の製品がいいと口論する一面も見られた(結局シンは日本製を購入した)。
: 地上空母登場直前に行われた反政府軍のエリア88攻撃の際に戦死するが、その後もことあるごとにシンやサキの前に幻影として登場している。
:
* 乗機:クフィール
:
: 新谷の作品『ふたり鷹』では彼をモチーフにしたキャラクター・風羽正が登場し、鈴鹿8耐でミッキーと共に88番車に搭乗した。
; グエン・ヴァン・チョム
: OVA:大塚周夫
: 元南ベトナム空軍少尉。通称、トンキン湾の人食い虎。ヘルメットには巣で獲物を待つ蜘蛛。パーソナルマークは翼の生えたで、日中戦争で活躍した義勇軍フライング・タイガースのマーキングに似ている。
: 顔面を走る傷痕が特徴。初出撃時に撃墜した敵戦闘機から脱出したパイロット(パラシュート落下中の状態)をバルカン砲で撃ち殺す残虐な性格で、血を見ることを好む。またかなりの毒舌家でもある。
: エリア88着任直後に中尉に任命されている。ミッキーとは同じベトナム戦争を戦った間柄でもあり、当初は確執があったものの頻繁に会話を交わしていた。その強面に似合わず実は子供が好きでキムとはよく絡んでいた。愛煙家で平時は葉巻を咥えていることが多い。
: 登場直後は残忍な危険人物的な描写が目立ち、ミッキーとの確執などから一匹狼的な立ち位置であったが、徐々に溶け込んだようで、88メンバーとは気さくにあいさつを交わしたり、軽口を叩き合ったりしあえる仲になっていく。
: 山岳基地から脱出する際の空中戦で死地を求めるミッキーに同伴。圧倒的多数の敵機に囲まれ機体が被弾し射出座席が誤動作、機外に放り出されてしまう。腹部の傷口から内臓がはみ出るほどの重傷を負い、駆けつけたミッキーの手当ての甲斐もなく故郷のメコン川の景色を思い浮かべながらF-14の後部座席で息を引き取った。ミッキーはショックのあまり辛辣になり、落涙したキムやサキ、グレッグ、ケン、ウォーレンらに見送られて埋葬される。パイロットという性格上、戦死して遺体が残ることが少ない88のメンバーの中で遺体が埋葬されたのは彼とグレッグだけだった。
: OVAではタイトロープ作戦時のハリアーとの空中戦で自身が撃墜し脱出した敵パイロットをバルカン砲で射殺しており、最後の大規模空戦にて弾切れを起こして脱出した直後、因果応報か敵戦闘機に射出座席ごと撃ち抜かれて戦死。OVAではキムが登場せず、ミッキーとの会話もほとんどないため、原作よりも嫌味なキャラクターになっている。
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*乗機:F-105クフィール
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; バム・アッサン
: アスランの隣国ブラシアの空軍大尉。
: ブラシアがアスラン(実質的にはプロジェクト4)によって占領された後、部下と共に実弾演習の標的として処分されそうになったところをセラとキムによって救われ、エリア88に加入する。
: ブラシア解放後、一時ブラシア空軍に戻るが、ブラシア政府がエリア88を中心としたアスラン解放勢力に非協力的なことに憤り、最終決戦を前に部下と共に軍を脱走して再びエリア88に加わった。
: 空戦経験は乏しかったがエリア88入隊後一度の出撃でそれまでの撃墜記録をあっさり更新した。また空母経験などまったくないために、アッサム以下のブラシア空軍脱走メンバーは空母を拠点としてからは船酔いに苦しめられている。
: その後、内戦の終盤で彼の部隊は2機を残して全滅。彼自身も最終出撃には発進したようだが、その後の生死は不明。
: セラに救われたことから彼を始めとする部隊全員がセラを「姐さん」として慕う様子が幾度も描かれた。
: シンが再びエリア88に戻る前は、サキは彼が「サキ・ヴァシュタールが最も信頼する七人の兵士」の一人かも知れないと考えていた(彼が88に戻ってくる回のサブタイトルは「7人目の男」だった)。
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* 乗機:F-5E(ブラシア空軍の主力戦闘機)
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; キトリ・パルヴァーネフ
: テレビ:小林沙苗
: テレビ版オリジナルキャラクターで初登場は第5話。「集るハエを叩き落とすためだけ」に志願した。
: サキのいとこにあたる(TV第5話でサキが「私の叔父の娘だよ」と発言している)。
: 第5話開始早々、窮地に陥っていたキムを救う。後に迎撃戦でシンに救われ、彼に興味を持つ。
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* 乗機:ミラージュF1

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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