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菖蒲湯 : ミニ英和和英辞書
菖蒲湯[しょうぶゆ]
(n) bathwater with iris petals
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菖蒲 : [しょうぶ]
 【名詞】 1. (1) iris (flower) 2. (2) sweet flag (Acorus calamus)
菖蒲湯 : [しょうぶゆ]
 (n) bathwater with iris petals
: [がま]
 【名詞】 1. bulrush 2. cattail
: [ゆ]
 【名詞】 1. hot water 
菖蒲湯 : ウィキペディア日本語版
菖蒲湯[しょうぶゆ]

菖蒲湯(しょうぶゆ)とは5月5日端午節句の日に、ショウブ(菖蒲)のを入れて沸かす風呂のことである。年中行事のひとつ。
ショウブをどのように入れるかについては各人さまざまであり、写真のように長いまま入れる場合もあり、また、刻んで入れる、と明記している文献もいくつかある〔『下関民俗歳時記』下関市教育委員会、1956年 などでは「菖蒲の根や葉を4~5寸ほどの長さに刻んで風呂の中にいれる」としている。〕。
== 由来 ==
江戸時代、武家社会で菖蒲と尚武をかけて5月5日を尚武の節日として祝うようになったのが端午の節句の始まりだと言われ、その結果、今日でも5月5日には菖蒲湯に入る習慣が受け継がれているのだという〔 久保村正高『一生使えるお作法図鑑』p.15〕。
菖蒲湯の歴史は遡ると長い。中国の古い歴史にまで遡るとする文献もある〔『入門 歳時記』角川書店、1980年(p.566に菖蒲湯の由来が中国まで遡って書かれている)〕。
そもそも、菖蒲は昔から病邪を払う薬草だと考えられていた〔『下関民俗歳時記』下関市教育委員会、1956年〕〔久保村正高『一生使えるお作法図鑑』p.15〕。中国の書物『荊楚歳時記』(けいそさいじき、6世紀宗懍が著した中国最古の年中行事記)にも、古くから中国の人々が長寿や健康を願って菖蒲を用いていたと記されている〔小野迪夫、金子善光『祝詞必携』〕。昔から端午の日というのはからへの変わり目と考えられていた。そして季節の変わり目というのは体調を崩しやすいものだと見なされている。端午の日には、菖蒲酒、菖蒲湯、菖蒲刀など、菖蒲を用いる習俗が多い〔『下関民俗歳時記』下関市教育委員会、1956年 ほか〕。
日本戦国時代の宮廷生活が記された『御湯殿上日記』には、天文2年(1533年)5月5日の条に「こよひの御いわい(祝)もいつものことし、しやうふ(菖蒲)の御ゆ(湯)めさします」とある〔奥野高広『戦国時代の宮廷生活』p.69〕。5月4日に菖蒲の枕を用いて、5月5日にはその枕を解き、それを湯に浮かべた菖蒲湯に浴したらしい〔奥野高広『戦国時代の宮廷生活』p.69〕。
一般庶民が菖蒲湯を楽しむようになったのは意外に遅く、江戸時代になってからだとも言う〔『美しい日本の習慣』幸運社 p.63〕。
江戸時代の庶民の生活の様子を綴った『東都歳事記』の5月6日の項には、「諸人菖蒲湯に浴す」と書かれている〔宮田登『暮らしと年中行事』吉川弘文館、2006年、p.227〕。5月5日の夜あるいは5月6日の朝に、各家では菖蒲湯に入る風習があったのである〔宮田登『暮らしと年中行事』吉川弘文館、2006年、p.227〕。江戸時代、長屋暮らしの庶民も湯屋へ行って菖蒲湯を楽しんだ。宝井其角は次のような句を詠んだという〔中江克己『なぜ江戸っ子を「ちゃきちゃき」と言うのか: 粋な江戸の生活事情』p.180〕。
: 銭湯を沼になしたる菖蒲(あやめ)かな
この句から、端午の節句には銭湯の湯を菖蒲が埋め尽くし、さながら沼のようになっていたと推察される〔中江克己『なぜ江戸っ子を「ちゃきちゃき」と言うのか: 粋な江戸の生活事情』p.180〕。銭湯の客は、普段の湯銭に加えてわずかの祝儀をおひねりにして、番台の上に置かれた三方に置くというのが決まりだったという〔中江克己『なぜ江戸っ子を「ちゃきちゃき」と言うのか: 粋な江戸の生活事情』p.180〕。
銭湯と言えば、5月5日には入り口に「五月五日菖蒲湯仕候」という紙が貼り出されたものだったという〔『下関民俗歳時記』下関市教育委員会、1956年〕。現在でも銭湯や温泉等々で、その日、その季節になると菖蒲湯が用意されていることがある〔『田園都市生活』Vol.15などにも菖蒲湯を用意する温泉のことが書かれている。一例として。〕。
菖蒲湯やあやめ湯は、薬湯の一種である〔宮田登『暮らしと年中行事』吉川弘文館、2006年、p.227〕。また、その香りによって悪疫を退散させようとする民間療法でもある〔宮田登『暮らしと年中行事』吉川弘文館、2006年、p.227〕。菖蒲湯は薬草を入れた温水浴としての民間医療行為としての意味があり、これが年中行事と結びついた例といえる。同様の例として、冬至の日の柚子湯がある。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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