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『算法少女』（さんぽうしょうじょ）は、安永4年（1775年）に出版された和算書。当時の和算書で唯一、著者が女性名義になっている珍しい本であり、現在では国立国会図書館などでわずかに見ることの出来る稀覯本である。国会図書館に所蔵されている資料は近代デジタルライブラリーで閲覧できる〔千葉&平(1775)〕。また、1935年（昭和10年）に謄写版が古典数学書院から復刻された〔千葉&平(1935)〕。 本書を題材に、児童文学作家の遠藤寛子が小説『算法少女』を著している〔遠藤(1973)〕〔遠藤(2006)〕。 2009年（平成21年）に本書の現代語訳と問題の解答を解説し、資料として天理大学附属天理図書館蔵『算法少女』の影印を収録した『和算書「算法少女」を読む』がちくま学芸文庫から出版された〔小寺(2009)〕。 == 著者 == 『算法少女』序文によると、娘が父親の協力の下にこの本を著わしたとあるが、本名はない。父親は壺中隠者、娘は単に平氏とあり、同時に章子の印章がある〔小寺(2009)、15-23頁、附録1-10頁〕。当時は弟子の名前で師匠が自分の業績や研究を発表することが行われていたので、実際の著者は「壺中隠者」と見られる。しかしそれでも、この時代の和算書に女性が名前を連ねるのは他に例がなく、その意味でも日本の文化史上貴重な本といえる。跋文（あとがき）は俳人の谷素外（号は一陽井）が記している〔小寺(2009)、191-192頁、附録57-58頁〕。和算が学問であると同時に趣味的な分野として受け止められていたことが窺える。 著者「壺中隠者」の正体については長く不詳のままだったが、数学史家・三上義夫の研究によって医師・千葉桃三であることが明らかになった〔三上(1934)、31-35頁、57-61頁〕。 抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア（Wikipedia）』 ■ウィキペディアで「算法少女」の詳細全文を読む スポンサード リンク
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