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狂画 ( リダイレクト:鳥羽絵 ) : ウィキペディア日本語版
鳥羽絵[とばえ]

鳥羽絵(とばえ)とは、江戸時代から明治時代にかけて描かれた浮世絵の様式のひとつで、「江戸の漫画」とも言われる略画体の戯画のことである。この呼び名は鳥羽僧正覚猷作とされる「鳥獣人物戯画」絵巻によっている。
== 歴史と作例 ==
平安時代すでに「鳥獣人物戯画」を持つ日本は世界的にみても古い段階から戯画の伝統をもつ国といえる。こうした流れは、浮世絵のなかにも見出すことができる。リアルな表現を用いて笑いを誘えば、すでに今日でいう戯画、漫画に近いものとなる。漫画という言葉自体は北尾政演が絵本『四季交加』の序に使ったものに始まるとされており、自作の黄表紙に滑稽な「京伝鼻」を描いた山東京伝の挿絵なども「漫画」にふくめてもよいかもしれない。他方、漫画という表題を付けた葛飾北斎の「北斎漫画」は必ずしも全てが戯画ではないのにもかかわらず、卓抜洒脱な人物表現によって、当時は耳新しい言葉であったはずの「漫画」も人びとにとって身近なものになった。それまでは、やや滑稽な略筆体の作品を鳥羽絵と称しており〔「鳥羽絵とは」-コトバンク 〕、大坂松屋の耳鳥斎による『絵本水也空』などが知られていた。耳鳥斎は上方で活躍し、安永9年(1780年)の『絵本水也空』、天明7年(1787年)の『画話耳鳥斎』、享和3年(1803年)の『歳時滅法戒』、文化2年(1805年)の『絵本古鳥図加比』などはいずれも省略した筆使いで描いたユーモラスな人物画などで知られる。
歌川広重もやはり戯画のセンスの持ち主であった。広重に先だって十返舎一九による略筆の絵があり、広重の「東海道五十三次」は一九の『東海道中膝栗毛』から大きな刺激を受けている。広重作「赤坂」は、「東海道五十三次」のなかでも特に戯画的な趣の濃い作品といわれている。また保永堂版「東海道五十三次」のうち「御油」では、宿の飯盛り女が旅客を腕ずくで引っ張り込むところなどに滑稽の風がみえる。広重は後に実際に狂画「道中膝栗毛」を描き、晩年まで戯画的な作品がみられる。
広重門弟の三代歌川広重もまた、風景画ばかりでなく、たびたび戯画を描いており、濃艶な美人画で知られる渓斎英泉にも同様の作品がみられた。
こうしたなかにあって特筆すべきは歌川国芳で、例えば落書きを真似て人物を描いた「荷宝蔵壁のむだ書」のユニークな釘書きの戯画や、「人あつまって人になる」のような、多くの人間が絡み固まっているのが人の顔に見えてくる感じがする1枚がある。まるで、ジュゼッペ・アルチンボルドの着想をどこかで見たのかと思うようなシュールリアリズム風の戯画シリーズさえ存在する。ただし、これらには社会や世相に対して鋭い諷刺的精神があったわけではなかった。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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