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灼眼のシャナの登場人物 : ミニ英和和英辞書
灼眼のシャナの登場人物[しゃくがんのしゃなのとうじょうじんぶつ]
=====================================
〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [め]
 【名詞】 1. (1) eye 2. eyeball 3. (2) eyesight 4. (3) look 5. (4) experience 6. (5) viewpoint 7. (6) ordinal number suffix 
登場 : [とうじょう]
  1. (n,vs) (1) entry (on stage) 2. appearance (on screen) 3. (2) entrance 4. introduction (into a market) 
登場人物 : [とうじょうじんぶつ]
 (n) the characters (in a play or novel)
: [ば]
 【名詞】 1. place 2. field (physics) 
: [ひと]
 【名詞】 1. man 2. person 3. human being 4. mankind 5. people 6. character 7. personality 8. true man 9. man of talent 10. adult 1 1. other people 12. messenger 13. visitor 1
人物 : [じんぶつ]
 【名詞】 1. character 2. personality 3. person 4. man 5. personage 6. talented man 
: [もの]
 【名詞】 1. thing 2. object 

灼眼のシャナの登場人物 : ウィキペディア日本語版
灼眼のシャナの登場人物[しゃくがんのしゃなのとうじょうじんぶつ]

灼眼のシャナの登場人物(しゃくがんのシャナのとうじょうじんぶつ)は、高橋弥七郎ライトノベル作品『灼眼のシャナ』及び同作品を原作とする同名の漫画アニメゲームドラマCDに登場する人物の一覧である。
※「CD」は『電撃hp』で誌上通販されたドラマCDの声優
== 主要人物 ==
; シャナ(Shana)
: 声 - CD 堀江由衣/アニメ 釘宮理恵
: 本作品の主人公かつヒロイン。“天壌の劫火”アラストールと契約した『炎髪灼眼の討ち手』という称号を持つフレイムヘイズ。『大地の四神』には『眩き炎』と形容された。
: 腰の下まである長い髪を持ち、凛々しいまたは可愛らしい顔立ちと称される東洋系の少女。見た目の年齢は11、2歳前後に見えるが不老であるため実年齢は不詳〔一美たちとの間では15、16歳ということにしてあった。〕。契約した時は12歳以上、フレイムヘイズとなったのは数年前で、未だ人間だった時間の方が長い。
: 普段は黒髪に黒目だが、戦闘時は称号が示す通りの炎髪灼眼となり、アラストールの翼の皮膜の一部を顕現させた自在に変形する黒衣『夜笠』をコート状にして纏う。
: フレイムヘイズには珍しく、自在法をほとんど使わず、体術や大太刀型宝具贄殿遮那』を用いた白兵戦を得意としていた。
: 契約直後から白兵戦においてはフレイムヘイズの中でもトップレベルの実力を持っていたが、若年での契約やアラストールの力が大きすぎたこと、「今在るものを最大限に活用する」性格から「今在るより強い力」に対する欲求が薄かったため、その力を上手く引き出し使いこなすことが出来なかった。そのため自在法は封絶やトーチ製作・加工・割り込みなどフレイムヘイズに必要最低限のもの程度しか使えず、アラストールの力をほとんど使いこなせない点について密かなコンプレックスを抱いていた。
: 悠二と共闘した際に飛翔をイメージした炎『紅蓮の双翼』(アニメ版では鳥の翼状)を顕現できるようになり、それをきっかけとして自在法の開発や技術向上の鍛錬を始める。その結果、炎弾や炎の放出、火炎放射や炎の凝縮による大太刀の形成、炎の物体としての具現化など、さまざまな種類の固有の自在法を使えるようになる。
: しかし後に、異能の力と大太刀『贄殿遮那』と自由を奪われ、悠二とも離れたことから「今在るより強い力」への欲求が高まり、鍛錬で自在法制御の下地を作っていたことも相まって、アラストールの“存在の力”をようやく全て把握。新たな能力を具現化させ、また今まで鍛錬で培った自在法の精度も大幅に上がった。XVIII巻で発現した新たな能力である自在法を見抜くの目には『審判』、炎の放射と凝縮による大太刀には『断罪』、形を定めない炎の放射には『飛焔』、紅蓮の炎の様々な形での物体化・具現化には『真紅』と名付けた。
: 非常に才能豊かであり、フレイムヘイズにならなければ世界的、歴史的に多大な影響力を与えていたであろう「運命」を持っていた。その『運命という名の器』の大きさから、「在るべくして在るもの」「偉大なる者」と称されることもあり、「アラストールの存在の巨大さ」に耐えられず爆死するはずの、『トリガーハッピー』によるアラストールの強制的な顕現に耐えている。アニメ版では不完全かつ設定が異なるとはいえ、アラストールを顕現させる『天破壌砕』から生きて帰ってきた。
: フレイムヘイズになる前に受けた英才教育から学校では優秀な一方で、フレイムヘイズに必要ない家事一般に関しては疎く興味がない。一応の「自宅」代わりだった平井家は(ヴィルヘルミナが訪れるまで)寝床や着替えなどシャナが使う範囲は整頓されていたがそれ以外は完全に放置されていた。特に料理の腕前は何を作っても「黒コゲのなにか」になってしまうほど壊滅的だったが、吉田との大特訓の末にパンネンクックは作れるようになった(SII巻『ドミサイル』)。
: 実直で質実剛健。見栄や飾り気と言うものに無縁の性格。フレイムヘイズとして純粋培養されたため、フレイムヘイズとしては優秀だが、常識や社会性に乏しい箱入り娘で他者と関わることを好まず、「人間」としては幼く未熟。「フレイムヘイズであること」を精神基盤とし、人間としての精神基盤を持っていなかったが、悠二と出会って共に行動し、また御崎市で多くの人間と交流を持ちながら暮らすうちに「人間の少女」としての感情が芽生える。都合が悪いと「うるさいうるさいうるさい」と言ってごまかす癖がある。
: 大の甘党で、特に『天道宮』で暮らしていた時代によく与えられていたメロンパンが大好きで独自の拘りを持つ。作中ではメロンパンを食べているシーンが頻繁に出てくる。
:
: 契約相手であるアラストールは父とも兄とも言える存在であり、師匠として友人として「家族」として全幅の信頼を寄せている。同様に、育ての親でもある『万条の仕手』ヴィルヘルミナ・カルメルに対しても深い親愛の情と強い精神的な絆を持つが、精神面、特に恋愛面で過保護な彼女に反発する場面もしばしば見られた。また、白骨の姿の“虹の翼”メリヒムからは体術の訓練を受けていた。
: 赤ん坊の頃、偶然起きた「不幸な出来事」によって寄る辺を無くし命を落とそうとしていたところを、新たな『炎髪灼眼の討ち手』となる人材を探していたヴィルヘルミナに助けられ『天道宮』へ拾われた。新たな『炎髪灼眼の討ち手』に「復讐者としてのメンタリティを持たない、使命に純粋なフレイムヘイズであること」を求めたアラストールの意向により、そのまま名前を付けられず、フレイムヘイズとしての徹底した英才教育を受けて育った。
: 拾われて約12年後、ある事件を機に「予定より幼い」時期にフレイムヘイズとして契約。直後に「史上最悪の“ミステス”」“天目一個”を倒し、核となっていた宝具『贄殿遮那』を手に入れる。その直後、崩壊する『天道宮』大伽藍において、“紅世の王”として顕現したシロこと“虹の翼”メリヒムと戦い、“徒”との戦い方の教授を受けた後、ただ一度の交錯で討滅した(V巻)。
: その後は『贄殿遮那』のフレイムヘイズと名乗り、基本的にアラストールと「二人で一人」きりで各地を旅し戦ってきた。成り行きなどで出会ったフレイムヘイズもおり、彼らはシャナ曰く「お喋り男(=ピエトロ・モンテヴェルディ)に爆弾女(=レベッカ・リード)、乱暴絵描き(=ミカロユス・キュイ)に弾き語り(=パウラ・クレツキー)、偏執狂(=セシリア・ロドリーゴ)に肝っ玉母さん(ムッタークラージェ=ゾフィー・サバリッシュ)」とのこと。そして日本のとある田舎町で“徒”を討滅した(0巻『オーバーチュア』)後、御崎市へと至った。
: 本編では4月末、御崎市で活動していた“紅世の徒”の一党を探索中に“ミステス”坂井悠二と遭遇。「“狩人”フリアグネが狙う“ミステス”」を囮にするため、悠二と行動を共にするようになる。その際、悠二と同じクラスにいたトーチ「平井ゆかり」に存在を割り込ませたため周囲の人間からは「平井ゆかり」と認識されたが、悠二は「本物の平井ゆかり」と区別するため(武器である『贄殿遮那』から取って)「シャナ」と呼び始めた。フリアグネとの決戦以後は自らも「シャナ」を名乗るようになり(I巻)、後に事情を知らない周囲の人間にも「シャナ」の名があだ名として浸透していった(VIII巻)。
: 出遭った当初は悠二を「トーチというモノ」として扱っていたが、「素の自分」へ対等に接して協力し、フリアグネとの戦いにおいて思わぬ有能さと信頼のおける姿を見せた悠二を、特別な存在と認識するようになる。ただし、生まれ育った環境から他者との関わりを好まず、社会性や他者との交流で生まれる感情に乏しかったため、その認識が恋愛感情と言う自覚はなかった。
: フリアグネ討滅後も「『零時迷子』の“ミステス”を見張るため」に御崎市に定住。『天道宮』を出て以降、初めて一定の場所へ長期滞在することになる(I巻)。悠二を見張る必要性から、御崎高校や坂井家で初めて普通の人間としての生活を送るようになり、悠二の母・千草やクラスメートたちとの交流を通じて、徐々に社会性や一般常識、人情の機微などを身に着けた。特に、悠二へ好意を抱くクラスメート吉田一美に強い対抗意識を持つようになり、彼女の行動の意味を知ることで、今まで疎かった感情面について理解を深め、「フレイムヘイズではない、人間の少女」のメンタリティが形成されていった。それと同時に徐々に悠二への好意を自覚し始め、フレイムヘイズの使命から外れた自身の恋愛感情に戸惑い悩むようになる。
: また、夏祭りの“徒”襲撃の際に吉田、クラスメートの佐藤啓作、田中栄太にも正体を明かし、秘密を共有するようになった(VII巻)。吉田が“紅世”に関わることで恋愛における優位性を失い、精神の根幹である「フレイムヘイズであること」にも揺らぎを生じるが、文化祭の騒動と前後して「フレイムヘイズも人を愛する」ことを知り、迷いを払拭。吉田に対しても、同じ想いを抱く友人として互いを認め合うようになった(XI巻)。
: クリスマス・イヴを吉田との恋の決戦日と定め、悠二に選択を迫るが、直後に悠二のトーチとしての絆が消失(XIV巻)、精神的に非常に危うくなりながらも、悠二の生存を信じ続けた。翌年1月初頭、[仮装舞踏会]の盟主“祭礼の蛇”と化して御崎市に帰郷した悠二と戦い敗北、[仮装舞踏会]の本拠地たる『星黎殿』へ拉致される(XVI巻)。
: 『星黎殿』では、盟主の代行体が想いを寄せる「姫」と言う待遇ながら、“祭礼の蛇”坂井悠二の策略によりアラストールと引き離され、宝具『タルタロス』により絆の繋がりを含む異能の力を封じられ、大太刀『贄殿遮那』も取り上げられた上で幽閉される。この間に盟主の命に背いた“頂の座”ヘカテーに暗殺されかけるが、自身の機転で“祭礼の蛇”坂井悠二を介入させてこれを回避。“祭礼の蛇”の神体を取り戻すべく『神門』に入る“祭礼の蛇”坂井悠二たちを『星黎殿』から見送った(XVII巻)。
: 数日後、『星黎殿』に直接乗り込んできたヴィルヘルミナたちの作戦を契機に、カムシンの『ラーの礫』によって自身も重傷を負いながらも、半壊した世話係の“燐子”(声 - アニメ 佐々木未来)を隠し持っていた短剣で止めを刺して幽閉から逃れて、やって来た“天目一個”によって異能の力と『贄殿遮那』を取り戻した。そして負傷から回復し、ウアルとの戦いの中で新たな能力を得て「本当の自分」を見出してウアルを討滅した後、ヴィルヘルミナたちと合流、“祭礼の蛇”神体の帰還を阻止すべく『神門』に突入した(XVIII巻)。
: そして『神門』と“祭礼の蛇”神体を繋ぐ『詣道』の途中で、万一に備え待ち伏せしていた“壊刃”サブラクをヴィルヘルミナたちに任せて一人で先に進むものの、“祭礼の蛇”神体の復活には間に合わず、“祭礼の蛇”神体と共に『詣道』を遡って来る悠二たちと遭遇。敵対する悠二に自身の思いを告白し、悠二とは異なる「二人で生きる道」を探すことを宣言。それでも“祭礼の蛇”坂井悠二の決意は変えられず悠二と交戦を始めるが、“祭礼の蛇”神体の帰還を阻止することは出来ず、ヴィルヘルミナたちと合流した後に“祭礼の蛇”神体たちより一足早く『神門』を抜けてこの世に帰還した(XIX巻)。
: “祭礼の蛇”神体がこの世に帰還して1度目の大命宣布を行ったことによって減衰したフレイムヘイズ兵団の士気を高めるために『真紅』でバティンを討滅するも、“祭礼の蛇”坂井悠二の2度目の宣布により、行動原理を喪失し総崩れになったフレイムヘイズ兵団を援護すべく、ゾフィーたちと合流。悠二を阻止する決意をしながら『大命』に対抗する具体策がないことに気づかされたが、『大命』の内実を知り参戦を決意した『大地の四神』の一人センターヒルから、世界の歪みが発生する本当の理由を聞かされ、『大命』への対抗策を見出す。そしてセンターヒルの協力の下、兵団の生き残りを救出するため、ヴィルヘルミナと共に“千変”シュドナイの足止めを引き受ける。自らの役割を果たした後は、キアラの“ゾリャー”に牽引され戦場から無事に脱出した(XX巻)。
: その後は対抗策の準備を水面下で進めつつ、戦死したセンターヒルの遺志を残る『三神』に伝えるべく、香港を経由してアメリカ・ニューヨークに渡り、『三神』の協力を取り付けることに成功。御崎市に向かう飛行機の中で、天罰神の契約者として全世界のフレイムヘイズたちに宣布を行い、彼らに新たな行動原理を与えた(XXI巻)。
: 御崎市決戦では、“ゾリャー”に乗って新世界『無何有鏡』創造の儀式場である『真宰社』へ到達、ヴィルヘルミナと組んで儀式の防衛に当たる“祭礼の蛇”坂井悠二やシュドナイと交戦に入った(XXI巻)。その攻防の最中、改変した『大命詩篇』の断片を宝具『コルデー』に仕込んで新世界『無何有鏡』の卵に打ち込み、新世界『無何有鏡』へ「人間を喰らえなくする」理を組み込んだ。しかしタイムリミット直前、改変が無効化できると知らされ敗北感を味わうものの、結局新世界『無何有鏡』は改変されたまま完成し、シャナの作戦は結果的に成功した(XXII巻)。
: 新世界『無何有鏡』の完成後は、「坂井悠二の計画」の内容を聞くために吉田とマージョリーと共に悠二と対面し、その内容に驚愕しながらも平井ゆかりを再生させるために、平井ゆかりへの存在の割り込みを止めて彼女のトーチを悠二に渡しながら最後の対決を開始し、ようやく互いの気持ちを確かめ合い、悠二と誓いのキスを交わした。そして、悠二とアラストールと共に新世界『無何有鏡』へ旅立った(XXII巻)。
: 新世界へ渡り来た後、混沌期と呼ばれるようになった“紅世”から新世界へ渡り来た大量の新来の“徒”たちが無軌道な放埓を行い始めてから、一旦の沈静化を迎えるまでの数ヶ月の期間で、悠二と二人で大活躍した模様。
: そして新世界へ渡り来てから一年後の春、悠二と別行動をとって『天道宮』を訪れて『両界の嗣子』ユストゥスの成長の様子を見聞きしたり、新世界の外界宿の再編成の状況などについてヴィルヘルミナたちと話し合った。そして悠二と合流した後、ウァラクの手引きで日本のとある古びた陸上競技場に誘き出した[マカベアの兄弟]の構成員たちに対する作戦の変更を悠二から提案され、それを承諾した。そして、とある古びた陸上闘技場で[マカベアの兄弟]の“王子”の一人であるダーインを討滅した後、『真紅』で天罰神の擬似神体を顕現させた後でアラストールが天罰神の『神託』を告げて、残った“徒”たちを解放した。そして作戦終了後に、悠二から変更した作戦に対する感想を聞かれて、アラストールと共に率直な意見を告げた後で悠二を励ました(外伝『ホープ』)。なお、新世界に渡り来てから一年以上経過しているが、未だに御崎高校の制服を着ている。
: 遠い未来、“祭礼の蛇”は微睡みの中で、人間と“徒”の共存を説いて回る行者となった坂井悠二の隣に、シャナの存在を感じている(XXII巻エピローグ)。
:
: アニメ版で「シャナ」と名付けられたのは、平井ゆかりの存在に割り込むよりも前である。アニメの設定では身長141cm。炎髪を表現するため、アニメでは髪の周囲に透過光処理された火の粉を纏っている。

; “天壌の劫火(てんじょうのごうか)”アラストール[Alastor]
: 声 - CD 大塚明夫/アニメ 江原正士
: シャナと契約している男性の“紅世の王”。“天壌の劫火”(全てを焼き尽くすという意味)が真名と呼ばれる本名であり、アラストールは通称。“コキュートス”と呼ばれる金の輪を意匠した黒い宝石(アニメ版では中で火の粉のような煌きが見える)の付いたペンダント型の神器に意思を表出させている。炎の色は「全てを焼き尽くす」紅蓮。『裁きの業』と『大地の四神』に形容されていた(XX巻)。
: 顕現した姿は、灼熱の炎の中に漆黒の塊を秘め、夜空を思わせる皮膜を張った翼と本物の灼眼を持った有翼有角の巨人を形作る紅蓮の焔。『ES』V巻では、紅蓮の炎を纏った漆黒の肉体を持つ魔神として描かれている。
: 通常は単なる“紅世の王”として扱われるが、より正確には“王”にして“紅世”でのに相当する超常的存在の内の一柱であり、「“紅世”真正の魔神」とも呼ばれる。司る権能は『審判』と『断罪』である『天罰神』であり、この世で人間と契約したのも「世界のバランスを乱し両界に仇なす同胞に天罰を与える」ためである。この世を跋扈する“徒”からは、本来同胞のために振るわれるはずのそれを同胞に向ける在り様から「天罰狂いの魔神」とも呼ばれる。普段はフレイムヘイズの器に収まるために休眠状態にあるが、彼の神威召喚『天破壌砕』にて顕現した際には神としての絶大な力を発揮する。持ちたる力は天罰神の権能そのものである討ち滅ぼすための力と炎であり、『炎の魔神』とも称される。彼のフレイムヘイズ『炎髪灼眼の討ち手』も同じ力を持つため、数少ない本当の意味での「炎使い」となる。なお、ここで言う『魔神』とは「神をも殺す神」という意味である(XVII巻)。また、“徒”にとっては「出来れば動いて欲しくない神」であるため、創造神“祭礼の蛇”や導きの神“覚の嘯吟”と異なり「神への窓口」である眷属はいない。
: 普段は威厳に溢れた毅然とした性格をしており、女心や恋愛など自分の及ばぬところに絡むと非常に狼狽する脆さがある。また、ヴィルヘルミナ曰く女性に対して押しが弱い。フレイムヘイズの使命に対して人一倍真摯であるが、同時に割と世話好き。“神”として、また過去に最強のフレイムヘイズと謳われたことに対して、それなりに自負心を抱いていた様子であり、数百年表舞台に出なかったことで彼の威令が零落していたことを知った時はショックでしばらく意気消沈していた。
: 契約者であるシャナとは非常に強い精神的絆で結ばれているが、シャナから「少女としての悩み」を(異性であるため)隠されると動揺したり不満を抱いたりする場面も多い。赤ん坊の頃から育てたシャナに対して保護者的な感情を持っている面もあり、シャナと親密になりつつある悠二に難色を示すが、その成長ぶりを認めてもいる。また、常に的確なアドバイスを与える悠二の母・坂井千草に一目置いており、特に「少女としてのシャナ」の精神教育については全幅の信頼を寄せている。
: 数百年を共に過ごした『万条の仕手』ヴィルヘルミナ・カルメルおよび契約相手“夢幻の冠帯”ティアマトーに対しては、お互いの性向を熟知し信頼しているが、そのせいで弱い立場に立たされることも少なくない。
: シャナの先代にして初代『炎髪灼眼の討ち手』であるマティルダ・サントメールとは相思相愛の仲であり、彼女が亡くなった後も現在まで愛し続けている。そのため、マティルダに想いを寄せる[とむらいの鐘]所属の“紅世の王”、“虹の翼”メリヒムとは、互いに恋敵としても快く思っていなかった。
: 16世紀初頭までは先代『炎髪灼眼の討ち手』マティルダ・サントメールと契約し“徒”を討滅していたが、16世紀初頭の『大戦』でマティルダを失い(X巻)、以降は『天道宮』の『カイナ』でこの世に留まったまま約500年間、ヴィルヘルミナとティアマトーや“虹の翼”メリヒムと共に何人もの次代の『炎髪灼眼の討ち手』候補を育てていた(V巻)。『炎髪灼眼の討ち手』候補育成においては、候補者を“存在の力”に馴染ませ繰り方を教えていた模様。
: 『天道宮』にいた数百年の間にも、唯一『天道宮』外で活動が可能だったヴィルヘルミナから詳細な報告を受けており、現代社会に対してもそれなりの知識を持っている。しかし、そのヴィルヘルミナが「アラストールの采配する『天道宮』に手を加えるからには、説明した上で裁可を仰ぐ必要がある」という理由から、増築・改築のたびに電気工事などの手順や仕組みまで逐一説明に来ていたため、そうした知識にも造詣が深い反面、本人はそれを情けないと思っている。
: シャナと契約後は、事前の教育不足を補うべく彼女を指導しつつ「二人で一人」で各地を旅し、次々と“徒”を討滅していた。しかし彼自身が実戦から長く遠ざかっていたこと、“紅世”での常識を基準に考えこの世の常識に疎かったこと、シャナへの無理強いを好まなかったことなどから、指導には不十分な面もあり、『震威の結い手』ゾフィー・サバリッシュと“払の雷剣”タケミカヅチに叱責される場面も見られた。
: 『零時迷子』の“ミステス”坂井悠二と出会い、御崎市に定住するようになってからは、早い時期にシャナが悠二へ好意を抱いていると気づく。保護者感情から一時は二人の接近に強い反発心を抱くが、悠二の母・千草に諭され、以後はシャナを信頼し彼女の精神的成長を見守るようになった。
: 「戦力」としての悠二は早い時期から認めているものの、「シャナの戦友」としては未熟なため、「シャナが好意を抱く男性」への反発心も含め、手厳しい指導をたびたび行っていた。
: 1月初頭、“祭礼の蛇”坂井悠二によってシャナと共に『星黎殿』に連れ去られ(XVI巻)、彼に一度だけ与えられた情報収集のチャンスを活かして、意思を表出させる神器“コキュートス”を“祭礼の蛇”坂井悠二の胸に移して[仮装舞踏会]の目的を探っていた。その結果、“祭礼の蛇”の狙いにある程度気付いた模様。
: “祭礼の蛇”坂井悠二によれば、現在の契約者シャナを殺害すれば、即座に“紅世”へ帰還し、どんな相手であろうと再契約して、最悪の機に現れ『天破壌砕』を使わせて『創造神』たる自分の討滅を図り、それが失敗すれば更に何度でも成功するまで同じことを繰り返すだろうと推測されている(アラストール自身、その推測に納得している)。そのためシャナは、アラストールの動きを封じるためもあって『星黎殿』で飼い殺し的に幽閉されていた。
: そして『大命』第二段階実行のために『久遠の陥穽』に向かった“祭礼の蛇”坂井悠二らを監視・情報収集するために、共に両界の狭間に赴く(XVII巻)。そして『詣道』の最奥部である『祭殿』にて“祭礼の蛇”神体の覚醒・復活を見届けた後にシャナの元へと帰還し、シャナに情報を伝えた。そして、シャナが『詣道』を遡って来る悠二たちに追いついた後の交戦の中でシャナが自身の思いを告白した時には、一人だけ密かにため息を吐いた。そして“祭礼の蛇”坂井悠二が天罰神の力を脅しの道具に使ったことに対して問いかけられた時には、シャナと契約した時の誓いの言葉を口にし、シャナの決意を見届ける覚悟を告げた。そしてヴィルヘルミナたちと合流した後に、最古のフレイムヘイズたちの成れの果てたる色付く影の助けによってその場を離脱し、“祭礼の蛇”神体たちより一足早く『神門』を抜けてこの世に帰還した(XIX巻)。
: この世に帰還し、“祭礼の蛇”坂井悠二の二度の宣布によってフレイムヘイズ兵団が崩壊した後、センターヒルから「両界の歪み」が発生する真の原因を聞き、誰もが沈黙する中で真っ先にシャナに戦意を問いた(XX巻)。そしてニューヨークから御崎市に向かう特別便の飛行機の中でシャナたちに、今回の戦いでは天罰神という高みではなく一人の戦士として今作戦が最良と「信ずる」と表明した(XXI巻)。
: そして、御崎市決戦の最中にシャナが『コルデー』に仕込んだ改変の自在式を『大命詩篇』の繭に打ち込んだ後に、シャナと共に天罰神としての裁断を告げた。そして、午前零時になり創造神“祭礼の蛇”の神威召喚『祭基礼創』が発動すると同時に天山山脈で発動した導きの神“覚の嘯吟”シャヘルの神意召喚『嘯飛吟声』によって、『約束の二人』による『両界の嗣子』の誕生を告げられた時には、驚きを隠せなかった。そして新世界『無何有鏡』が創造された後に、シャナと悠二の最後の激突の最中、シャナが悠二への思いを再び告白したときには忍び笑いを漏らした。そして、和解したシャナと悠二と共に新世界『無何有鏡』へ旅立った(XXII巻)。
: 新世界へ渡り来てから一年後の春、悠二と別行動をとってシャナと共に『天道宮』を訪れて、ヴィルヘルミナたちと近況について話し合った。そして、日本のとある古びた陸上競技場でシャナと悠二が[マカベアの兄弟]の“王子”であるダーインとカルンを討滅した後、シャナが『真紅』で天罰神たる自身の擬似神体を顕現した直後に天罰神としての『神託』を告げた。そして作戦終了後に、悠二から変更した作戦に対する感想を聞かれて、シャナと共に率直な感想を告げて、作戦を変更した理由を聞いた後で悠二を励ました(外伝『ホープ』)。
: なお、アラストールとはユダヤ教キリスト教の神話における地獄の刑執行長官の名アラストルで、神器『コキュートス』はダンテの『神曲』に登場する地獄の最下層の名である。
; 坂井 悠二(さかい ゆうじ)
: 声 - CD 森田成一/アニメ 日野聡
: もう一人の主人公。“紅世の徒”が作りだした、喰われて死んだ人間の代替物であるトーチにして、その中でも特殊なトーチである“ミステス”。
: 御崎市内の普通高校・御崎高校の一年生で、物語開始当初の4月末は15歳。7月の夏祭りが行われた頃までに16歳になっている。
: トーチの中でも“ミステス”と呼ばれる、内部に宝具を宿すトーチ。宿す宝具は『零時迷子』。その能力により毎晩零時に“存在の力”が回復する他、封絶の影響を受けない。また“存在の力”に対して非常に敏感で、“徒”やフレイムヘイズにも感じ取れないトーチの鼓動や入念に偽装された自在式の中でも違和感を正確に感じ取ることができる。これは『零時迷子』の内部のヨーハンが干渉していた結果であり、彼は“徒”の気配を察知させて悠二をそれに近づけ、内部の宝具を狙った“徒”の“存在の力”を『戒禁』によって取り込むことで復活しようとしていた。
: シャナの鍛錬に付き合ったり、シュドナイの腕を取り込むなどで、自在法や“存在の力”の流れに触れ、顕現の感覚と体得し自分の“存在の力”を制御できるようになり、数カ月かけた鍛錬で初歩的な自在法を習得。炎の色は、本来ならば自分の“存在の力”を喰った“徒”の炎の色を薄めた色(悠二の場合は“狩人”フリアグネの炎の色を薄めた薄い白色)のはずだが、何故か正体不明の銀色の炎を顕現させていた。
: “徒”やフレイムヘイズとの戦いを通じて、炎を防ぐ指輪型宝具『アズュール』と片手持ちの大剣型宝具『吸血鬼(ブルートザオガー)』を入手しており、戦闘時にはこれらの宝具も活用する。
: 普段は大人しく頼りない印象を与える平々凡々な少年だが、真剣になれば熟練のフレイムヘイズ以上に優れた洞察力と推理力を発揮し、勝てる見込みのない敵にハッタリをかまして時間を稼ぐなど土壇場での度胸も持ち合わせる。ただし緊張感が伴わない場面では洞察力を全く発揮できず、非常に鈍感。親友の池曰く「要領がいいようでどこか抜けた」性格。
: 「真剣になればなるほど落ち着く」性格であり、真剣に取り組んだ物事に対して感情のままに動くことより、感情以外の何かを根底に動くことが多い。こういった面は敵を誘い出すために自分の同類であるトーチを大量消費する作戦を自ら立てるなどのある種ドライな面としても現れており、その性質から「本質が感情の面にない、特殊な人格の持ち主」ではないかとヴィルヘルミナには推測されている。
: その反面、恋愛といった理屈が通用しない事柄に対しては疎く、またトーチである自身の悩みからそういった感情を持つ余裕がないため、はたから見ると優柔不断である。ただし一度決めたことや約束したことは何があっても守ろうとするなど、誠実で理想家の面も見られる。シャナには尻に敷かれ、基本は逆らえないが、はっきりと意見を言うこともある。
: 父・貫太郎と母・千草の3人家族(両者の詳細は坂井家の項を参照)。双子の兄がいた(ことから名前に「二」の字が入っている)が出産直後に逝去したため、そのことは知らされず、事実上一人っ子として育つ。また、12月に母の妊娠が判明した。
: 人間であった「本物の坂井悠二」は、物語開始以前に“狩人”フリアグネの一党に喰われ死亡。その喰い滓がトーチに加工された直後、宝具『零時迷子』が宿り“ミステス”となった。また、この時点で『零時迷子』は既に、[仮装舞踏会]の計略により我学の結晶『暴君 I 』へと変化し始めていた。
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:本編開始後の4月末、『零時迷子』の能力により封絶内部でも動けるようになっていたために“燐子”の襲撃を目撃、偶然通りかかったシャナに助けられ「この世の本当のこと」を知らされた。そして自身がいずれ存在ごと消滅する「本物の坂井悠二の代替物」と言う事実に落ち込み悩むが、“狩人”フリアグネとの戦いの中で徐々に自分の気持ちを整理し、「坂井悠二の代替物」でしかない自分に出来ることを探して、シャナへ協力するようになった(I巻)。
: フリアグネ討滅以降は、「シャナに守られる存在」から「シャナの役に立つ存在」へのステップアップを目指し、朝はシャナと体術の鍛錬を行い、夜は「『零時迷子』の能力を利用したエネルギー・タンク」として彼女の鍛錬に付き合うようになる。そのシャナに力を渡す際の副次効果で、未熟ながら“存在の力”の流れを感じ操作できるようになる(III巻)。また、当初は一般的なトーチ程度の“存在の力”しか持っていなかったが、後にシュドナイの腕を吸収したことで並の“徒”を超える量の“存在の力”を手に入れ(VII巻)、さらに清秋祭終了間際に“紅世の王”に匹敵する“存在の力”を保有し(XIII巻)、また“存在の力”の制御の基本を体得した(VII巻)。
: 当初は自身が「人間ではない」こと、「人間と言う枠から外れた」ことを恐れ、人間としての自分や平穏な日常への未練を断ち切れない面があった。その後、吉田や佐藤や田中と言った身近な友人たちが「人間ではない」自分を受け入れ、また秘密を共有するようになったこと(VII巻)で、徐々に不安を払拭。“存在の力”の制御を体得したこともあって幾つかの初歩的な自在法を身につけ、恐れを克服した(XI巻)。また母・千草の妊娠を機に、平穏な日常と未来を守る役割の大切さを実感し、日常への未練を断ち切る「覚悟」と共に、「この戦いをいつか終わらせる」という自分自身の望みを抱くに至る(XIII巻)。その成果の結実として、クリスマス・イヴに現れた“徒”の一人ザロービを独力で討滅した(XIV巻)。
: シャナからはフリアグネ戦を機に、クラスメートの吉田一美からは本編開始以前から、好意を寄せられ、自身も二人に好意を持つようになる。
: シャナに対しては「“ミステス”となった自分にとって一つしかない未来の象徴」と捉え、「使命に純粋なフレイムヘイズ」であるシャナの役に立つことへ拘り、時折彼女を意識しながらも恋愛対象と見ることを自制していた。そのため、自分への感情でシャナが変化し「少女としての好意」を持つようになったことには全く気付かず、後にシャナの方から行動に移したことで、その好意にようやく気づいた。
: 吉田一美に対しては「自分にとっては過去のものとなった、平穏な日常の象徴」と捉え、その好意には当初から気づいていた。しかし自分が既に人間ではないことから、好意に対してハッキリとした態度を取れず、一貫して「彼女の好意を受け止め甘えるだけ」の態度を取り続けた。
: 両者からの好意を知って以降も、自分がトーチであることからの人間への未練や理屈や打算で二人の好意に答えることを忌避したことと、自分の恋愛感情がどういうものが自分でも分からなかったことから、二人のためにも決断をしたいと思いつつも、決断できずにいた。しかしクリスマス・イヴに、シャナと吉田から二人のどちらを選ぶかの決断を迫られて覚悟を決め、シャナを選ぶ。その次の瞬間、イヴに現れた“王”サブラクから密かにポケットに入れられていた宝具『非常手段』が起動し、自らに内在していた黒い影に導かれて[仮装舞踏会]本拠地『星黎殿』へ転移。『暴君 I 』と化していた『零時迷子』と『星黎殿』にあった『暴君 II 』が合一して、[仮装舞踏会]盟主祭礼の蛇の代行体となる。同時に炎の色は“祭礼の蛇”と同じ黒色となり、またトーチとしての坂井悠二が保っていた周囲との関連性は失われ、存在の消失を感じ取れない人たちに忘れ去られた。持っていた宝具『アズュール』と『吸血鬼』は引き続き使用し、他にも鎧甲型宝具『莫夜鎧』を纏い、髪に取り付けた『竜尾』も使用するようになった。
: 悠二自身は“祭礼の蛇”の掲げる『大命』を、自身の望みである「この戦いをいつか終わらせる」方法として受け入れ納得した上で、“祭礼の蛇”と合一した。そのため“祭礼の蛇”と合一した後も、坂井悠二としての記憶はそのまま残り、両者が融合しているような状態になった。
: 合一当初は[仮装舞踏会]構成員たちから反感を買ったり不安に思われたりしていたが、盟主お披露目の式典で力や“紅世の徒”としての在り様で他の“徒”を圧倒し、[仮装舞踏会]全構成員から盟主として認められる。ただし、あくまで「盟主の代行体」として認められたのであり、『三柱臣』など一部を除いて「坂井悠二」本人が認められたわけではなく、最終決戦において「坂井悠二」が危険な状態になっても構成員たちは援護しようとしなかった。
: 翌1月上旬に“祭礼の蛇”坂井悠二として御崎市に帰郷、シャナたちと対峙する。そこでマージョリーとヴィルヘルミナを巧みに足止めしつつシャナと対決、彼女を瀕死に陥らせた上で[仮装舞踏会]の本拠地『星黎殿』へと拉致する(XVI巻)。その目的は『大命』の下準備であり、“祭礼の蛇”に唯一対抗し得る“天壌の劫火”のフレイムヘイズを[仮装舞踏会]の監視下に置き、場合により殺害すること、まもなく起こるであろう[仮装舞踏会]対フレイムヘイズの総力戦に御崎市のフレイムヘイズたちが参戦するのを阻止すること、そしてシャナが参戦した場合の不慮の死と言う万一の危険の回避であった。そのため『星黎殿』ではシャナを、“逆理の裁者”ベルペオルの宝具『タルタロス』で異能の力を封じた上で、策略でアラストールとも引き離し客室に幽閉。“天壌の劫火”の顕現を警戒した“頂の座”ヘカテーによるシャナ暗殺を防ぎ、逆にシャナが死ぬことで予想される危険性をヘカテーに説いた(XVII巻)。
: 一方で“祭礼の蛇”神体をこの世へ取り戻すべく、ヘカテーの導きで『星黎殿』を中国中南部に移動させ、その地で『久遠の陥穽』へと通じる『神門』を創造し、アラストール・『三柱臣』・教授(とドミノ)・サブラク・ロフォカレを伴って『久遠の陥穽』へと出立する(XVII巻)。
: 『神門』と“祭礼の蛇”神体の眠る『祭殿』を結ぶ『詣道』では、両界の狭間との隔離が不完全な場所に出現する最古のフレイムヘイズたちの成れの果てたる色付く影たちを撃退しながら、ヘカテーの先導によって『詣道』を突き進む(XVIII巻)。そして『詣道』の最奥部である『祭殿』にて、ベルペオルとヘカテーによって“祭礼の蛇”神体が覚醒・復活するのを歓喜の表情で見届けた。そして“祭礼の蛇”神体と共に『詣道』を遡っている途中で、追いついて来たシャナと遭遇し、シャナの姿と告白と決意を見聞きしたことで衝撃を受ける。それでも「“ミステス”坂井悠二」の決意は変わらず、シャナと交戦し続けるが決着がつかず、シャナがヴィルヘルミナたちと合流した後に、色付く影たちの助力によってその場を離脱するのを見届けると、“祭礼の蛇”神体たちと共に『神門』を抜けてこの世に帰還(XIX巻)。世界中の“徒”とフレイムヘイズに向けて、両界の狭間に楽園『無何有鏡(ザナドゥ)』の創造を宣言する大命宣布を行い、フレイムヘイズ兵団に決定的な敗北を与える。さらに2度目の宣布で『無何有鏡』完成がフレイムヘイズの行動原理を失わせると示し、フレイムヘイズ兵団を崩壊に追い込む。その後、真の決戦場にして『大命』完遂の場として御崎市を選び、各軍との合流などの準備を整え、神体や『三柱臣』等と共に御崎市へ向けて出発した(XX巻)。
: 『星黎殿』が日本に到着してすぐに単独で御崎市に向かい、『星黎殿』の到着に先立って吉田たちと再会、「坂井悠二の計画」のために吉田を『星黎殿』に迎え入れる。彼女の持つ御崎市のイメージを逆用し、“屍拾い”ラミーに調律の逆転印章を起動させて、『無何有鏡』創造の足がかりとなる両界の狭間への入口を開ける(XXI巻)が、これは「坂井悠二の計画」のために吉田一美の存在を[仮装舞踏会]に認めさせる理由付けに過ぎなかった。
: 『無何有鏡』創造の儀式が始まり、シャナとヴィルヘルミナが攻め込んで来ると、シュドナイと共に儀式の防衛に当たる(XXI巻)。決戦の最中、『永遠の恋人』ヨーハンの分離と“探耽求究”ダンタリオンの消滅により大幅に弱体化するものの、存在消失の危機に瀕し坂井悠二独自の自在法『グランマティカ』を無意識で発動、危機を回避する。『グランマティカ』は、透明なレンガ状のブロックを組み合わせて状況に応じた任意の自在式を作りだす、様々な局面に対応できる万能な自在法。しかし戦闘の最中で発動した自在法を熟知する余裕はなく、新世界『無何有鏡』完成まで『グランマティカ』を自由自在に使うことはできなかった(XXII巻)。この『グランマティカ』は万能自在の力を秘める反面、発動のたびに効果を指定する必要があるため、指定された効果以外には無力(最初の発現ではシャナの『断罪』を防御した壁を使用したために、それとは別の攻撃である『真紅』には通じなかった)である。
: 新世界『無何有鏡』完成後は“祭礼の蛇”の仮装意思総体と分離。分離した後も炎の色は黒のままで、纏っていた鎧甲『莫夜鎧』も引き続き使用。御崎市へ残って「坂井悠二の計画」として“螺旋の風琴”リャナンシーから譲り受けたこの世で完全に存在をなくした遺失物を復元する自在式と、“徒”の新世界への移住でこの世に残された莫大な“存在の力”と調律のキーパーソンとなった吉田一美を使い、自身を除いた本物の平井ゆかりを含めた“徒”に喰われる前の御崎市を再生した(XXII巻)。しかしその代償として、『無何有鏡』創造の前段階である調律の逆転印章の起動によって、御崎市は互いの結びつきを失って「ない」も同然の状態であったため、『無何有鏡』に御崎市だけは再現されなかった(XXII巻)。“祭礼の蛇”と分離した後も彼の意識が維持される理由は不明だが、(宝具『贄殿遮那』と同様に)宝具『零時迷子=暴君』そのものに坂井悠二の意識が宿っていると考えられる。
: 御崎市が再生した後は未練なく新世界『無何有鏡』へ渡り、自身の我侭を押し通した罰として、自身の目的である「人間と“徒”の共存」が実現するまで新世界『無何有鏡』を一人で流離おうと考えていたため、一緒にいることを望むシャナと最後の対決に臨む。その途中、夏祭りの騒動でシャナに宛てて書いた「なんでも言って ちゃんと聞くから」と言う手紙とその意味に衝撃を受け、戦意を喪失。その後のシャナの告白に「シャナ、君が好きだ。世界を変えてやる、と思えるほどに」と答え、シャナとキスを交わした直後、フリアグネによって『アズュール』に刻み込まれていた転生の自在式が発動し、自身が確固たる一つの存在になった後、シャナとアラストールと共に新世界『無何有鏡』へと旅立った(XXII巻)。
: 新世界へ渡り来た後、混沌期の初期にこの世(旧世界)から新世界へ渡り来た古参の“徒”たちに「新世界とそこに住む者たちを守れ」と道を指し示し、シャナと二人で大活躍した模様。しかし、この世(旧世界)と新世界で坂井悠二がとった行動から、新世界の“徒”たちからは、恐怖と等分の困惑から敵とみなされている。[仮装舞踏会]の将帥たちには「自ら盟主の立場に立った」こと、「使えるモノなら神をも使う」姿勢から一目置かれている。一方で、新世界のフレイムヘイズたちと秩序派の“王”たちからは、シャナと共に距離を置かれた上で遠巻きの敬意と嫌忌から避けられており、『天道宮』及び外界宿への出入りは認められていない。そうしていつしか、坂井悠二は異端の傑物として、『廻世の行者』という異名で呼ばれるようになった。
: 新世界へ渡り来てから一年後の春、シャナ(とアラストール)と別行動をとって、ピルソインの案内で日本のとある定食屋で人化したリベザルと再会した。そして、食事しながら[マカベアの兄弟]に対する[仮装舞踏会]の方針をリベザルから聞いた後、人間と“徒”の共存を実現するという目的と手段を取り違えかけていたことをリベザルから指摘され、忠告を受けた。その時のリベザルは悠二の在り方を、「理想に向けてとことん突き進み、齟齬が大きくなれば恐ろしい悪謀で現実の方をそぐわせてしまう」と評した。そしてシャナと合流した後、シャナとアラストールに日本のとある古びた陸上競技場に誘き出した[マカベアの兄弟]の構成員たちに対する作戦の変更を告げて、その作戦を説明した。そして、とある古びた陸上競技場で生贄のふりをして[マカベアの兄弟]の“王子”であるダーインとカルンと遭遇。すぐに現れたシャナにダーインを任せると、悠二は『グランマティカ』で陸上競技場を包み込んで“徒”たちを逃がさないための檻とした後で、カルンと交戦を開始して、カルンを討滅した。そしてシャナがダーインを討滅した後、アラストールが天罰神の『神託』を告げた後で、『グランマティカ』を解除して残った[マカベアの兄弟]の構成員たちを解放した。そして作戦終了後に、シャナとアラストールに変更した作戦に対する意見を聞いた後で、作戦を変更した理由を説明してシャナとアラストールに励まされた(外伝『ホープ』)。シャナと同じく、未だに御崎高校の制服を着て行動している(本人曰く「ケジメ」で、後一年は続ける模様)。トーチ時、代行体時に入手した宝具は未だ使用しているが、『竜尾』の解析と再起動は1年後の春の時点ではうまくいっていない。また、『零時迷子』は機能を停止している。
: 遠い未来、隣にシャナを連れながら、人間と“徒”の共存を実現させるために、その理念を説いて回る行者となった坂井悠二の姿を“祭礼の蛇”は微睡みの中で見ている(XXII巻エピローグ)。
: アニメの設定では身長165cm。ちなみに原作挿絵とアニメでは目の色が違う。アニメ版では性格が多少異なり、冴えた部分はかなり少なく、トーチに対する意識やシャナに対する態度など違いがあった。また、シュドナイの腕を取り込んでおらず、第1期終盤にて『渾の聖廟』でへカテーと器を合わせたことで“存在の力”の量が“紅世の王”に匹敵する量に増えたとされていた。第2期終盤ではヘカテーに『零時迷子』を抜き取られたものの、“存在の力”が尽きる前に『零時迷子』を取り戻した。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「灼眼のシャナの登場人物」の詳細全文を読む




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