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水生不完全菌 : ミニ英和和英辞書
水生不完全菌[すいせいふかんぜんきん]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

水生 : [すいせい]
  1. (n,adj-no) aquatic (life) 2. living in the water
: [せい, なま]
  1. (adj-na,n,adj-no) (1) draft (beer) 2. draught 3. (2) raw 4. unprocessed 
: [ふ]
  1. (n-pref) un- 2. non- 3. negative prefix
不完全 : [ふかんぜん]
  1. (adj-na,n) imperfect 2. incomplete 3. faulty 4. defective 
: [かん]
 【名詞】 1. The End (book, film, etc.) 2. Finis
: [ぜん]
  1. (n,pref) all 2. whole 3. entire 4. complete 5. overall 6. pan 

水生不完全菌 : ウィキペディア日本語版
水生不完全菌[すいせいふかんぜんきん]

水生不完全菌(すいせいふかんぜんきん Aquatic hyphomycetes)とは、水中生活に適応した不完全菌カビの一群である。水中の落葉の上に成育し、独特の四放射型や、長い付属突起をもつもの、三日月型など、様々な形の分生子を形成する。
イギリス菌類学者であるによって、1942年に、その存在が初めて指摘された。
==特徴==
きれいな小川には、周辺から落ち葉が流れ込み、水底に沈んでいる。このような落ち葉の上を、水生不完全菌は生活の場としている。沈んだ落ち葉を拾い上げ、シャーレに水を入れて培養すれば、その表面から菌糸が伸びて、様々な形の分生子を形成するのが観察される。
水生不完全菌の特徴は、独特の分生子の形にある。陸上の不完全菌では、分生子は球形や楕円形のものが多いが、水生不完全菌では、長く枝をのばしたものが多い。海産のプランクトンには、様々な形の突起や枝が出た形のものがあり、より多くの浮力を保つための適応と考えられているが、水生不完全菌の分生子にもそれに似たものが見られる。ただし、水生不完全菌の場合、浮力よりもむしろ、水中の落葉に付着しやすくする適応との見方もある。
水生不完全菌の分生子の形で、一つの典型は四放射型のものである。正四面体の中心から頂点方向に枝が伸びる形のもので、いくつもの属に見られる。不完全菌の分生子の形成には色々な型があり、それらを分生子形成型というが、その違いは属の区別には重要である。いくつかの分生子形成型で、それぞれに四放射型の分生子を作るものがある。また、同じ形成型でも、属によっては違ったやり方で形成される。
たとえば、レモニエラ(''Lemonniera'')属は、フィアロ型で、フィアライドと言う紡錘形の分生子形成細胞の先端から、出芽によって分生子ができる。分生子は初め小さな球形で、そこから四方向に枝をのばし、最終的には4本の枝が一ヵ所でくっついた形の分生子となり、フィアライドとはその中心のところで接しているようになる。同じフィアロ型のアラトスポラ(''Alatospora'')属の場合は、分生子は弓状に反った線形に伸び、その中ほどの反ったところから2本の枝を出し、最終的には4本の枝が同じ場所から出た形になるが、フィアライドとは主軸である1本の枝の先端で繋がる形になる。テトラカエツム(''Tetrachaetum'')属のものは、菌糸先端の細胞が分生子に変化する、アレウリオ型の分生子形成をするが、分生子になる細胞は細長く伸び、そこですこし横向きに伸びながら側方に2本の枝を出すことで、四放射型の分生子を作る。同じくアレウリオ型のトリスケロフォルス(''Triscelophorus'')属の場合、分生子は先が細い針状になり、基部の細胞から三本の枝が側方やや下向きに伸びて四放射型となる。
この他、水生不完全菌の分生子には、本体部分がはっきりしていて、そこから付属突起が伸びたもの、何度も枝を出した複雑な形のもの、細長い分生子がねじれたような形のものなど、多様な形態のものがある。そのため、分生子を見るだけでかなりのものが同定できる。一般的な菌類の研究では、まず対象を培養し、そこから分離培養の手順を通じ、そこで初めて種の同定ができる。それに比べて、水をすくって胞子を見れば、ある程度の同定ができる水生不完全菌は、研究対象として陸生菌より取っ付きやすい部分がある。生態学的な研究もそのような利点を生かして行われている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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