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押し葉標本 : ミニ英和和英辞書
押し葉標本[おしばひょうほん]
=====================================
〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

押し : [おし]
 【名詞】 1. push 2. pressure 3. authority 4. audacity 
押し葉 : [おしば]
 (n) pressed leaves
: [よう, は]
 【名詞】 1. leaf 
: [しるし]
 【名詞】 1. (1) mark 2. (2) symbol 3. (3) evidence
標本 : [ひょうほん]
 【名詞】 1. example 2. specimen 
: [ほん, もと]
  1. (n,n-suf,n-t) (1) origin 2. basis 3. foundation 

押し葉標本 : ウィキペディア日本語版
押し葉標本[おしばひょうほん]

押し葉標本(おしばひょうほん)とは、高等植物の標本の標準的な作り方のことで、正式には腊葉標本(さくようひょうほん)と言う。絵画として制作されている押し花と同じであるが、ここでは学術的な標本の作り方について述べる。
== 概説 ==
]
植物ドライフラワーに見られるように、水を絶ち乾燥させれば外形を保つ。そこで、保管の利便性と視認性を確保するために、平らに広げて乾燥させ、紙に張った形で標本とする方法が古くから採られてきた。もともとは落ち葉を書物に挟んだいわゆる押し葉がその起源と思われる。
植物標本は、丁寧に扱われれば微細な毛などの形質も失われず、そのままの状態で植物の観察が可能である。花びら等の柔らかい部分は水分が失われることでシワがよって原型を留めないこともあるが、必要であれば一部を水や湯に漬けたり水蒸気を当てて戻したりすことで元の形に戻すことも可能である(観察が終わったら再び紙にはさんで乾燥させ、もとの標本に添付すればよい)。また、虫食いを防ぐために防虫剤を使い、カビの繁殖を避けるために適切な湿度・温度で管理されれば、100年以上も保存がきく。押し葉状態の植物標本からDNAを取り出すことも既に可能になっており、分子系統学、分子生物学的研究の資料としても耐える。言うまでもなく、植物の分類には必要不可欠な資料であり、現在学名がついている変種は必ず根拠となる植物標本が指定されている(タイプ標本/基準標本 Type specimen)。
既に学名がついていると考えられる種であっても、植物標本を蓄積していくことは重要である。例えば、ある種について、色々な地域で採取された標本が集まるとする。すると、これまで1種と考えられていた種が、ある地域と別の地域のものは明らかな隔たりがあると認められ、2種に分けられることも出てくる。その逆に、今まで2種に分けられていたものが、標本の蓄積と再検討により、1種に統合されることもある。ともに多地点、多個体の標本が蓄積されていなければ不可能である。また、2種に分けるほどではないが、例えば葉の大きさが地域により異なるなどの地域性が明らかになったりする。前述したように標本はDNA情報を保存しており、DNAを抽出、塩基配列を解析することにより地域の系統の差異を検討することも可能である。このように、標本は分類においても、また生物多様性を理解する上でも、非常に重要なものであるといえる。
欠点としては、視覚性と大きさの面においていくつか挙げられる。まず、色はほとんどの場合生時の状態をそのまま保つことができず、葉の緑色が褐色になるなど変化する。うまく乾燥させて色を保っていても、何十年と経つ内に退色してしまう。標本の大きさもはさみ紙(通常新聞紙)の大きさに限られる。また、標本にする過程で、本来の立体的な構造が平面的になることで失われてしまう。このように欠点はあるが、花などの形を保存したい場合はエタノール液浸標本を別途作成することで補えるし、また色については標本ラベルなどに生時の色を記載しておくなどの工夫がなされるのが普通である。
そのため、簡単な押し葉はともかく、植物標本はコレクション的収集の対象としては昆虫採集のように普及しておらず、分類学、生態学などの専門家以外では標本作製は避けられる傾向にある。特に近年ではデジタルカメラの普及のためもあって写真撮影で済ます人も多い。標本採取圧が絶滅に加担することは避けるべきあろうから、個体数が少ない種の場合、そうした配慮も必要である。しかし、日本の植物分類学の発展は、在野の植物愛好家が採集して蓄積した膨大な標本がなければ成しえなかったといってよく、標本の重要性は別に考慮されるべきである。いかにデジタルカメラで精細な写真を撮ったからといって、分類学的検討に耐える個々の形質の記録はまず困難であるし、したがって分類学的な再検討も行えない。もちろん、撮った植物が存在したという証拠にもなり得ないのである(ただし環境アセスメントのようなレベルでは写真をもって証拠にする例もある)。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「押し葉標本」の詳細全文を読む




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