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微分解析機 : ミニ英和和英辞書
微分解析機[びぶんかいせきき]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

微分 : [びぶん]
 (n,vs) differential (e.g., calculus)
: [ぶん, ふん]
  1. (n,n-suf,pref) (1) part 2. segment 3. share 4. ration 5. (2) rate 6. (3) degree 7. one's lot 8. one's status 9. relation 10. duty 1 1. kind 12. lot 13. (4) in proportion to 14. just as much as 1
分解 : [ぶんかい]
  1. (n,vs) analysis 2. disassembly 
解析 : [かいせき]
  1. (n,vs) (1) analysis 2. (2) parsing 
: [き, はた]
 (n) loom

微分解析機 : ウィキペディア日本語版
微分解析機[びぶんかいせきき]

微分解析機(びぶんかいせきき、)は、微分方程式で表すことができるような問題について積分法によって数値的な解を得るアナログ計算機である。回転軸と円板を使って積分を行う。実用に供された初期の高度な計算機械のひとつ。
== 歴史 ==

微分方程式を機械を使って解く研究は、プラニメータを除けば、1836年、フランスの物理学者ガスパール=ギュスターヴ・コリオリが一階線型常微分方程式を積分する機械装置を設計したのが最初とされている〔 〕。
任意の階の微分方程式を積分できる装置についての最初の文献は、ケルヴィン卿の兄が1876年に発表した論文である〔 Reprinted in 〕。トムソンはその装置を「積分機 (integrating machine)」と呼んでいたが、この論文と弟であるケルヴィン卿が1876年に発表した2つの論文をもって、微分解析機の発明とされている。
ケルヴィン卿の助言に従い、トムソンの積分機を取り入れた海軍の射撃管制装置をが開発しており、1912年ごろ電動の機械式アナログコンピュータが完成した。イタリアの数学者 Ernesto Pascal も微分方程式の積分のために を開発し、1914年に詳細を出版している〔 〕。しかし最初に広く使われた実用的な微分解析機は、1928年から1931年にかけてハロルド・ロック・ヘイゼンとヴァネヴァー・ブッシュMITで製作したもので、6個の機械式積分機を組み合わせたものである〔Karl L. Wildes and Nilo A. Lindgren, ''A Century of Electrical Engineering and Computer Science at MIT, 1882-1982'' (Cambridge, Massachusetts: MIT Press, 1985), pages 90-92 .〕〔〔ブッシュの微分解析機は機械式積分機を使っていた。個々の積分機の出力が装置の他の部分を駆動するのだが、本来その力は非常に弱い。H・W・ニーマンが重い機械を労働者が制御しやすくするために1925年に発明した「トルク増幅器」をヘイゼンが見つけ、積分機の出力を増幅できるようになった。詳しくは: Stuart Bennett, ''A History of Control Engineering 1930-1955'' (London, England: Peter Peregrinus Ltd., 1993), page 103 . またニーマンの米国特許はこちら: (1) "Servo mechanism", U.S. patent no. 1,751,645 (filed: 28 January 1925; issued: 25 March 1930) ; (2) "Servo mechanism", U.S. patent no. 1,751,647 (filed: 8 January 1926; issued: 25 March 1930); (3) "Synchronous amplifying control mechanism", U.S. patent no. 1,751,652 (filed: 8 January 1926; issued: 25 March 1930).〕。同年、ブッシュは学会誌にこの機械を「連続」(continuous integraph) として発表している〔.〕。1931年にもその装置についての論文を発表したが、その際は「微分解析機」(differential analyzer) と呼んでいる〔.〕。その論文でブッシュは「この装置は(ケルヴィン卿が)かつて行った積分装置を相互接続するという基本的アイデアに基づいている。しかし、細部は全く異なる」と記している。1970年の自伝でブッシュは「最初の微分解析機が運用可能となるまで、ケルヴィン卿の業績は知らなかった」と記している〔、引用元は 〕。ブッシュの研究室で微分解析機を動作させるため、1936年にはクロード・シャノンが助手として雇われていた。
マンチェスター大学ダグラス・ハートリーが、その設計をイギリスに持ち込み、1934年には学生のアーサー・ポーターと共に概念実証用の微分解析機を製作している。これがうまくいったため、大学がメトロポリタン=ヴィッカースに依頼して4台の積分機を使った実用機を1935年3月に入手。ハートリーは「これが合衆国以外で最初に稼働した微分解析機だ」としている〔。続く5年間のうちにさらに3台が製作されている(ケンブリッジ大学クイーンズ大学ベルファスト、ファーンボローのロイヤル・エアクラフト・エスタブリッシュメント)〔 Includes summaries of "Meccano Differential Analyzers" and "Full Scale Differential Analyzers".〕。最初の概念実証機の積分機がマンチェスター大学の実用機と共にサイエンス・ミュージアムに展示されている。
ノルウェーでは独自にMITのものと同じ原理に基づき Oslo Analyzer を製作し、1938年に完成させた。12台の積分機を使っており、当時としては世界最大の微分解析機だった。
アメリカでは1940年代にメリーランド州のやペンシルベニア大学電気工学科ムーアスクールでさらなる微分解析機が製作された〔Randell, Brian (ed.), ''The Origins of Digital Computers Selected Papers'' (3rd edition, 1982), Berlin, Heidelberg, New York: Springer-Verlag. p. 297. Google Books . Retrieved 25 July 2010.〕。後者はENIAC開発以前に大砲の弾道計算によく使われており、ENIACは微分解析機をモデルとしている点が多々ある〔Bunch, B. & Hellemans, A., ''The History of Science and Technology: A Browser's Guide to the Great Discoveries, Inventions, and the People who Made Them, from the Dawn of Time to Today'' (2004), New York: Houghton Mifflin, p. 535. Google Books . Retrieved 25 July 2010.〕。一つの弾道を計算するのに15 - 30分かかったという(射撃表を作るには一種類の大砲につき3,000通りの弾道計算が必要)。これを短縮するためにENIACの開発が行われることとなった。ちなみに歯車式計算機では一つの弾道計算に1 - 2人日かかった。1930年代の微分解析機開発の際にもブッシュを手伝っていたとともに、ブッシュは1940年代初めごろに電子式デジタルコンピュータの開発を試みたが、同時期に他所で行っていたプロジェクトの方が見込みがあると判断され、プロジェクトは中断された。1947年、UCLAに12万5千ドルかけてゼネラル・エレクトリックに製作させた微分解析機が納入された。1950年までにさらに3台が追加されている。UCLAの微分解析機は、1951年の映画『地球最後の日』と1956年の映画『空飛ぶ円盤地球を襲撃す』で稼働している様子が見られる〔。退役後はスミソニアン博物館に1台が寄贈された〔。
1948年、カナダのトロント大学でが微分解析機を製作したが、ほとんど使われなかったようである。
第二次世界大戦時、ドイツ水力発電ダムを攻撃するための反跳爆弾の開発に微分解析機が使われたという噂もある〔。また、治水技術者が侵食を計算するのに使用したと言われている。
微分解析機自体はその後汎用のデジタルコンピュータを使った数値解析にその役割を譲ったが、微分解析機の原理を、電子化・デジタル化した:en:Digital differential analyzer(DDA)という装置も作られた。さらにDDAの原理はコンピュータグラフィックにおける線の描画法(:en:Digital differential analyzer (graphics algorithm))などに応用されている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「微分解析機」の詳細全文を読む




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