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壊変図式 : ミニ英和和英辞書
壊変図式[かいへんずしき]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

壊変 : [かいへん]
 (n,vs) disintegration
: [へん]
  1. (adj-na,n) change 2. incident 3. disturbance 4. strange 5. flat (music) 6. odd 7. peculiar 8. suspicious-looking 9. queer 10. eccentric 1 1. funny 1
: [ず]
  1. (n,n-suf) figure (e.g., Fig 1) 2. drawing 3. picture 4. illustration 
図式 : [ずしき]
 【名詞】 1. scheme 
: [しき]
  1. (n,n-suf) (1) equation 2. formula 3. expression 4. (2) ceremony 5. (3) style 

壊変図式 : ウィキペディア日本語版
壊変図式[かいへんずしき]
壊変図式(かいへんずしき、Decay scheme)とは放射壊変の推移とそれらの関係を図示したものである。
壊変図式には、一番上に初期状態の核種(元素記号とその左上に質量数、左下に陽子数)が書かれ、その付近に半減期が、更に崩壊モードが特殊な核種(電子捕獲など)はに崩壊モードが書かれている。上から階層的になっており、一番下が最終状態である。初期状態から最終状態への遷移は矢印によって表され、その矢印は放射線の種類およびエネルギー、崩壊後の遷移先である励起状態とその遷移確率が明記されている。その各励起状態を表す横線の左端にはスピンパリティが、右端には状態エネルギーが書かれているものもある。
==放射性同位体の壊変図式==

それらの関係は複雑に込み入っている事もあるので、まずは簡単な例から示そう: コバルト同位体であるコバルト60〔K.H.Lieser ''Einführung in die Kernchemie'' (1991) S.223, Abb. (7-22); ISBN 3-527-28329-3〕の壊変図式を示す。60Coは電子を放出して崩壊し (ベータ崩壊)、半減期5.26年で励起状態60Niになり、その崩壊の過程で極めて短い時間の間に2回のガンマ崩壊を起こす。
壊変図式は直交座標系と考えると非常に便利である。縦軸がエネルギーを表しており、下から上へと上昇していく。横軸は陽子数を表しており、左から右へと増加していくと考えることが出来る。ガンマ線(縦の矢印)はガンマ崩壊時に放出されるガンマ線エネルギーを表しており、ベータ線(斜めの矢印)はベータ崩壊時に放出されるベータ線の最大エネルギーを表している。
ニッケルはコバルトの右側にあるが、ニッケルの陽子数は28であり、コバルトの27よりも1つ多い。これはベータ崩壊において、1つの中性子が1つの陽子に変化しその結果陽子数が1つ増えているわけである。陽電子を放出するベータ崩壊(詳細はβ+崩壊を参照)や、後述のアルファ崩壊においては斜めの矢印は右から左へと向い、これらの場合は陽子数は減少する。
壊変図式においてエネルギーは保存しており、放出された粒子がエネルギーを運び去る。この為、矢印は必ず(垂直または斜めに)上から下へと向かう。

ここで幾らか別の種類の壊変図式も見てみよう:198Au 〔K.H.Lieser, ''Nuclear and Radiochemistry'' (2001), p.61, Fig 5.12; ISBN 3-527-30317-0〕は、天然の金(197Au)に中性子を照射することによって作る事ができる〔日本アイソトープ協会, ''アイソトープ手帳 第10版'', p66, ISBN 978-4-89073-125-1〕。198Auはベータ崩壊により2つの励起状態を経由するか、もしくは直接水銀の同位体である198Hgへと崩壊する。図において、水銀は金の右側にあるが、金の原子番号は79であり、水銀は80である。励起状態からは極めて短い時間(2.5および23ピコ秒。1ピコ秒は1兆分の1秒、すなわち10-12秒である)で最終状態へと崩壊する。

励起状態の原子核は通常、極めて寿命が短く、崩壊はほとんどベータ崩壊の直後に起こるが(上記参照)、テクネチウムの励起状態は比較的長い寿命を持っている。このような原子核の事を核異性体(Nuclear isomer、または単にアイソマーという〔物理学小事典,p1,ISBN 4-385-24016-7〕)。これはしばしば準安定状態と呼ばれる(準安定状態の英語表記meta stableの頭文字mを取って次のように表記される99mTc 〔H.Krieger, ''Grundlagen der Strahlungsphysik und des Strahlenschutzes'' (2007), S.117, Fig 3.15; ISBN 978-3-8351-0199-9〕)。そのガンマ崩壊が起こるまでの平均寿命は6.01時間である〔日本アイソトープ協会, ''アイソトープ手帳 第10版'', p38, ISBN 978-4-89073-125-1〕。

ここで我々は、アルファ崩壊を取り上げることにしよう。マリ・キュリーによって発見されたポロニウムは、210の原子量を持つ。210Poは、ウラン系列に属し、その最後から2番目に位置し、それは安定な鉛の同位体へと半減期138日で崩壊する。殆ど全ての場合、崩壊は5.305MeVのアルファ粒子を放出して起こるが、0.001%の確率でα線のエネルギーが低いことがある。この場合、206Pbの励起状態へと崩壊してしまい、そこからガンマ崩壊によって安定状態へと崩壊する。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「壊変図式」の詳細全文を読む




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