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到達不能基数 : ミニ英和和英辞書
到達不能基数[とうたつふのうきすう]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

到達 : [とうたつ]
  1. (n,vs) reaching 2. attaining 3. arrival 
: [たち, たっし]
  1. (n-suf) plural suffix 
: [ふ]
  1. (n-pref) un- 2. non- 3. negative prefix
不能 : [ふのう]
  1. (adj-na,n) incompetency 2. inefficiency 3. impossibility 4. weak point 5. imbecility 
: [よく, のう]
  1. (adv,n,vs) being skilled in 2. nicely 3. properly 4. well 5. skillfully 6. thoroughly
: [き, もとい]
 【名詞】 1. basis 
基数 : [きすう]
 【名詞】 1. cardinal number 2. base 3. radix
: [すう, かず]
  1. (n,n-suf) number 2. figure 

到達不能基数 : ウィキペディア日本語版
到達不能基数[とうたつふのうきすう]
集合論において、非可算基数κが弱到達不能基数(weakly inaccessible)であるとは、それが正則極限基数であることを言い、強到達不能基数(strongly inaccessible)または単に到達不能基数(inaccessible)であるとは、κ未満の任意の基数λに対し、(2^\lambda < \kappa) を満たす正則基数であることを言う〔ケネス・キューネン『集合論 独立性証明への案内』藤田博司訳、日本評論社、2008年、ISBN 978-4-535-78382-9〕。
著者によっては非可算性を要求しないこともある(その場合 \aleph_0 は強到達不能基数)。弱到達不能基数は、強到達不能基数はおよびによって導入された。
"到達不能基数"という用語は曖昧である。1950年頃までは弱到達不能基数を指していたが、以後は普通は強到達不能基数を意味するからである。
定義より、強到達不能基数は同時に弱到達不能基数でもある。一般連続体仮説が成り立つ場合は、強到達不能基数であることの必要十分条件は弱到達不能であることになる。
\aleph_0 は正則な強極限基数である。選択公理を仮定すると、他の全ての無限基数は正則かまたは(弱)極限である。
しかしながら、その両方になれるもの、即ち弱到達不能基数は中でも大きいものに限られる。
順序数が弱到達不能基数であるための必要十分条件は、それが正則順序数であり、かつ、正則順序数の列の極限であることである
(0,1, \aleph_0 は正則順序数だが正則順序数の列の極限ではない)。強極限かつ弱到達不能な基数は強到達不能である。
強到達不能基数の存在は、グロタンディーク宇宙が存在するという形で仮定される場合がある。この両者の間には深い繋がりがある。
== モデルと無矛盾性 ==

ZFCの下では、κ が強到達不能であるとき''V''κ がZFCのモデルになる。
ZFの下では、κ が弱到達不能であるときゲーデル宇宙の''L''κ がZFCのモデルになる。
よって、ZF+"弱到達不能基数が存在する"はZFCが無矛盾であることを導き、不完全性定理よりその存在はZFCで証明できない。
つまり、到達不能基数は巨大基数の一種である。
''V''がZFCの標準モデルで κ が''V''の到達不能基数であるとき、
''V''κZF集合論のintended modelになり、
Def(''V''κ )はNBG集合論のintended modelになり、
''V''κ +1はMK集合論のintended modelになる。
ここで、Def(X)はXの Δ0 定義可能な部分集合である(:en:constructible universe)。
しかしながら、''V''κ がZFの標準モデルになるために κ が到達不能基数である必要はなく、基数である必要すらない。
VがZFCのモデルであるとする。
Vが強到達不能基数を持ってなくても、
持っていたとしても κ をVの最小の到達不能基数とすると、
''V''κ は強到達不能基数を持たないZFCの標準モデルである。
すなわち、ZFCが無矛盾ならZFC+"強到達不能基数は存在しない"は無矛盾である。
同様にVが弱到達不能基数を持ってなくても、
持っていたとしても κ をVの最小の弱達不能基数とすると、
''L''κ は弱到達不能基数を持たないZFCの標準モデルである。
だから、ZFCが無矛盾ならZFC+"弱到達不能基数は存在しない"も無矛盾である。
このことから、ZFCからは到達不能基数の存在を証明できないし、ZFCは到達不能基数の非存在と矛盾しない。
ZFCが到達不能基数の存在と矛盾しないかという問題はもっと微妙である。
前段落で見られた、「ZFC+"到達不能基数がある"が無矛盾ならば、ZFC+"到達不能基数は存在しない"は無矛盾である」
の証明はZFCの中で形式化可能である。
しかし、「ZFCが無矛盾ならば、ZFC+"到達不能基数が存在する"が無矛盾」ということの
ZFCで形式化された証明は存在しえない。これはゲーデルの第2不完全性定理からわかる。
ZFC+"到達不能基数が存在する"が無矛盾なら自身の無矛盾性はその中で証明できない。
ZFC+"到達不能基数が存在する"はZFCの無矛盾性を証明するので、
ZFCが「ZFCが無矛盾ならば、ZFC+"到達不能基数が存在する"が無矛盾である」を証明してしまったら
ZFCは自身の無矛盾性を証明できることになってしまうが、これは矛盾であるからである。
到達不能基数の存在性に関するZFCで形式化できない議論がある。
そのような議論の一つがに表れている。
もし集合論のモデル ''M'' の拡大モデルがあれば、''M'' の全ての順序数によるクラスは、それ自体到達不能基数になる。というものである。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「到達不能基数」の詳細全文を読む




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