翻訳と辞書
Words near each other
・ 偽二又分枝
・ 偽二枚貝
・ 偽伝達物質
・ 偽似症
・ 偽低アルドステロン症
・ 偽体節制
・ 偽体腔
・ 偽体腔動物
・ 偽体腔類
・ 偽作
偽使
・ 偽信者たち (クルアーン)
・ 偽側糸
・ 偽優性
・ 偽兵
・ 偽典
・ 偽典・女神転生
・ 偽典・女神転生 東京黙示録
・ 偽円錐眼
・ 偽分枝


Dictionary Lists
翻訳と辞書 辞書検索 [ 開発暫定版 ]
スポンサード リンク

偽使 : ミニ英和和英辞書
偽使[ぎし]
=====================================
〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [にせ]
  1. (adj-na,n) imitation 2. lie 3. falsehood 4. (logical) false 5. deception 6. sham 7. bogus 

偽使 : ウィキペディア日本語版
偽使[ぎし]
偽使(ぎし)とは他人の名前を騙った偽の使節のこと。室町時代から江戸時代初頭にかけて、日本から朝鮮へ大量の偽使が通交(外交・貿易を包括した概念)し、日朝貿易史において15世紀半ばから17世紀前半は偽使の時代と呼ばれている。本項ではこの日朝貿易に出現した偽使についての解説を行う。
== 概要 ==
偽使とは他人の名義を名乗って通交を行う偽の使節のことである。15世紀から17世紀前半にかけて日本から朝鮮へ大量の偽使が通交するが、これらの大半は貿易を目的に派遣されたものであった。当時の日朝貿易は外交使節の往来に付随する形で行われていたが朝鮮王朝にとり貿易は財政的負担であったため、通交は受図書人と呼ばれる一部の者にしか認められず、受図書人にしても年間通交回数に制限が加えられていた。しかし日本側では室町期における経済的発展により貿易の拡大が期待されており、また対馬を領国としていた宗氏が対朝鮮貿易権を基盤とした領国支配を行ったことも貿易拡大を促進しようとするものであった。そのため日本側諸勢力は、他の通交権所有者の名を騙った偽使を派遣することで貿易の拡大を図った。
偽使達は架空国家の使節を名乗ったものから、朝鮮通交権を持つ他勢力から名義を借用したものまで、様々な形態をとって通交を行った。朝鮮王朝や室町幕府はこうした偽使の取り締まりを試みるがそれぞれ偽使に付け込まれる問題を抱えており、押さえ込むことは出来なかった。
偽使を派遣した主な勢力は宗氏博多商人であった。朝鮮王朝建国期には倭寇地侍や一介の舟大工のような雑多な者まで朝鮮へ通交していたが、15世紀初頭から半ばにかけて通交の寡占化が進められ、宗氏や大内氏のような一部の者(受図書人)を除いて通交は禁止されていった。そのため日朝貿易から締め出された博多商人は、宗氏や室町幕府の名を騙った偽使を派遣して貿易を行った。15世紀半ばになると朝鮮王朝は受図書人に対しても年間通交回数に制限を加えたため、日朝貿易を生命線としていた宗氏は王城大臣(室町幕府在京有力守護の朝鮮側の呼び名)や深処倭(対馬以外の日本人の朝鮮側の呼び名)の名義を騙った偽使を派遣して通交権の拡大を行なった。当初宗氏と博多商人の間に共闘関係はなく、博多商人の偽使通交はしばしば宗氏の妨害を受けていた。しかし、応仁・文明の乱に乗じて宗貞国が博多に出兵したことを期に、両者は提携し偽使通交体制を築き上げることになる。彼等は室町幕府を含む全日本勢力の朝鮮通交権を手中に収め、偽使通交をもって日朝貿易の独占を行なった。しかし文禄・慶長の役により日朝の国交が断絶するとこうした通交も途絶する。文禄・慶長の役後、宗氏は江戸幕府の名を騙った偽使を駆使して国交回復に漕ぎ着けるが、柳川一件により偽使通交や国書改竄が政治問題化した。日朝貿易の独占そのものは江戸幕府にも宗氏の既得権として認められ、19世紀後半対馬府中藩が解体されるまで続いたものの、偽使通交体制は解体され、通交は江戸幕府の強い影響下に置かれた。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「偽使」の詳細全文を読む




スポンサード リンク
翻訳と辞書 : 翻訳のためのインターネットリソース

Copyright(C) kotoba.ne.jp 1997-2016. All Rights Reserved.