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中村ナンバー : ミニ英和和英辞書
中村ナンバー[なかむらなんばー]
=====================================
〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [なか]
 【名詞】 1. inside 2. middle 3. among 
: [むら]
 【名詞】 1. village 
: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)

中村ナンバー : ウィキペディア日本語版
中村ナンバー[なかむらなんばー]
協力ゲーム理論および社会選択理論において、中村ナンバー (なかむらナンバー、Nakamura 数 Nakamura number) とは、(投票ルールに代表される) 集合的意思決定ルールの合理性の度合いをはかる指標 (整数) である。
*この数未満の選択肢 (候補、オプション) から選ぶ状況では、当該ルールはつねに問題なく「ベストな」ものを選び出せる (ただし「ベストな」ものがひとつだけとは限らない)。
その一方で、
*この数以上の選択肢から選ぶ状況では、ひとびとの投票の仕方 (「選好」の組合せ) によっては、当該ルールでは「ベストな」ものが定まらない場合がある (投票のパラドックスに見られるように、選択肢 a が b より、b が c より、c が a より集団的に好まれるといったサイクルの生じる場合)。
すなわち選択の合理性は選択肢数とこの数の大小関係に左右され、大きい中村ナンバーを持つルールほど多くの選択肢を矛盾なくあつかえる。たとえば多数決の中村ナンバーは (投票者が4人のケースを除けば) 3であることから、2個までの選択肢なら (パラドックスなど起さずに) うまくあつかえることが分かる。「中村ナンバー」という名称は、上記事実を定理として証明した日本人ゲーム理論家中村健二郎 (1947-1979) にちなむものである。〔
(鈴木光男編, ゲーム理論と社会選択: 中村健二郎遺稿集) 中村は 1975年に東京工業大学から社会工学専攻で初の博士号を授与されている。〕
==概要==
中村ナンバーの正確な定義を与える前に、中村ナンバーを付与することのできる意思決定ルールの例を挙げる。
いま、1, 2, 3, 4, 5 からなる個人の集合を想定すると、たとえば「多数決ルール」の背後には、
過半数である3人以上をふくむ「提携」(個人の集合) のあつまり
:\
が存在するはずである。意思決定ルールの背後にある、この種のあつまりが中村ナンバーを与えることのできる対象であり、こういう任意の提携のあつまりのことを
シンプルゲーム」(単純ゲーム; 投票ゲーム) とよぶ。
そして、そういうあつまりに属する提携をそのシンプルゲームおける「勝利提携」とよび、それ以外の提携を「敗北提携」という。
勝利提携に属する個人 (上の例では最低3人) 全員が選択肢 x を選択肢 y より好ましいとするとき、
(上の例では5 人の) 社会全体としてもそれと同じ順序付け (「社会選好」) が実現する。
シンプルゲームの「中村ナンバー」とは、インターセクションが空集合となるような勝利提携のあつまりのうちもっとも提携数が少ないものの、その提携数のことである (この数だけ勝利提携を集めることでインターセクションを空集合にできることがあるが、これ未満の数を集めてもけっしてインターセクションを空にはできない)。
たとえば上の例におけるシンプルゲームの中村ナンバーは3である。なぜなら任意の2つの勝利提携のインターセクションは少なくともひとりの個人をふくみ、
その一方で次の3つの勝利提携のインターセクションは空になるためである: \, \, \.
中村の定理 (Nakamura, 1979) は、
シンプルゲームがすべての選好プロファイル (各個人の選好の) にたいして非空の「コア」を持つ
(つまり「ベストな」選択肢の集合が空集合にならない) ための必要条件として以下を挙げている (選択肢集合が有限のばあいは十分条件でもある):
選択肢の数がそのシンプルゲームの中村ナンバーよりも小さいこと。
ここで「与えられた選好プロファイルについてのシンプルゲームのコア」とは、
ある勝利提携に属する個人すべてが x より好むような選択肢 y が存在しないような
選択肢 x の集合 (すなわち社会選好の極大要素の集合) のことである。
上記の過半数シンプルゲームの例でいえば、選択肢が3個以上あるばあい、選好プロファイルの選び方によっては
コアに属する選択肢がなくなる (「ベスト」といえるものが存在しない) ことをこの定理は意味する。
中村の定理にはいくつかの変種があり、たとえば以下の各条件をみたすようなすべての選好プロファイルにたいしてコアが非空になるための条件を挙げている:
(i) 「非循環性」をみたす選好;
(ii) 「推移性」をみたす選好;
(iii) 「線形順序」となる選好。
また、これらとは異なる変種として、合理性にかんする弱い要件である「非循環性」さえ取り除いた定理 (Kumabe and Mihara, 2011〔) があり、
その定理は極大要素を持つような個人選好からなるすべてのプロファイルにたいしてコアが非空になるための条件を挙げている。
選択肢を「順序づけること」にかんしては、社会選択理論における「アローの不可能性定理」という有名な定理が存在し、
個人の集まりが3つ以上の選択肢に順序を与えることの困難さを指摘している。
与えられた選択肢集合からなんらかの選択肢を「選ぶこと」にかんしては、
(順序を持つとは限らない社会選好の極大要素の集合である「コア」に注目した) 中村の定理がより直接的な関連性を持っている。
この定理の主張を考えると、「中村ナンバーはどれだけ大きくなりうるか?」という疑問が興味深いものであることが分かる。
この疑問については、以下の結果を挙げることができる:
「拒否権を持つプレーヤー (すべての勝利提携に属する個人) が存在しないような、(有限あるいは) 計算可能なシンプルゲームが
3より大きな中村ナンバーをもつためには、そのシンプルゲームが「強い」ものであってはならない。」
これは、ある敗北提携で、その補集合も敗北提携になっているようものが存在することを意味する。
このことは、3つ以上の選択肢を持つ集合でコアがつねに非空になるためには、
コアのなかに互いに比較できない複数の選択肢をふくまざるをえないことを意味する。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「中村ナンバー」の詳細全文を読む




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