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ヘスペリデス : ウィキペディア日本語版
ヘスペリデス

ヘスペリデス()は、ギリシア神話に登場する美しいニンフたちである。「黄昏の娘たち」という意味。ヘスペリデスは複数形で、単数形はヘスペリス()。ヘーシオドスの『神統記』では夜の女神・ニュクスが1人で生んだ娘たちとされるが〔ヘーシオドス、211~216。〕、一般的にはアトラースの娘として知られ、プレイアデスヒュアデスプレーイオネーとの娘たちとされるのに対し〔ヒュギーヌス、192。〕、ヘスペリデスはヘスペロスの娘であるヘスペリスとの間に生まれた娘たちであり、母の異なる姉妹関係になる〔シケリアのディオドロス、4巻27・2。〕。
== 解説 ==
ヘスペリデスは世界の西の果てにある「ヘスペリデスの園」に住んでいる〔「ヘスペリデスの園」の場所については諸説あって一致しない。ヒュペリボイオス人の国のアトラース山、マウレターニアのアトラース山、大海オーケアノスのどこか、エチオピアのヘスペリアイに近い「西の角」と呼ばれる岬の近くにある二つの島などがそれである。〕。その近くでは、父アトラースが天空を背負って立っている。「ヘスペリデスの園」にはヘーラーの果樹園があり、ヘスペリデスは果樹園に植えられた黄金のリンゴの木を世話して、明るい声で歌を歌っている。リンゴの木は、ゼウスとヘーラーの結婚の祝いとしてガイアが贈ったものである〔〔ウェルギリウス作『アエネーイス』についてのセルウィウスの註によれば、黄金のリンゴはアプロディーテーのものだとする説もある。〕。しかし、ゼウスがこのリンゴを採っては恋の贈り物としてばらまいてしまうため、ゼウスの手が届かないように、アトラース山の頂にある果樹園にヘーラーが移し植えたとされる〔コットレル (1999)、129頁。〕。
木の世話をしているヘスペリデスがリンゴを盗んでいるのを見つけたヘーラーは、百の頭を持つ(または)・ラードーンに木の周りをぐるぐる巻き付かせ、番をさせることにした。「ヘスペリデスの園」は、主にペルセウスのメドゥーサ退治の伝説、ヘーラクレース11番目の功業の物語の舞台となった。ヘーラクレースが持ち帰った黄金のリンゴは、エウリュステウスが彼に返したため、アテーナーがヘーラクレースから受け取って再び元の場所に戻したという。ヘーラーの持ち物を本来の場所以外のどこに置くことも違法とされたからである〔アポロドーロス、2巻5・11。〕。
彼女たちは、3人あるいは4人、それ以上の7人説ともいわれる。ウェルギリウスによる『アエネーイス』第4巻の注釈の中でセルウィウスは、ヘーシオドスによればヘスペリデスは夜の女神・ニュクスの娘たちであり、アイグレー(Aegle、輝き・明るい女)、エリュテイア(Erytheia、紅・赤い女)、牛の眼のヘスペレトゥーサ〔「ヘスペラレトゥーサ」、「ヘスペラトゥーサ」や「ヘスペレストゥーサ」など多数の通り名を持つ。〕(ox-eyed Hesperethusa、夕焼け女)の3人姉妹で構成されている。アポロドーロスによればヘスペリデスは多くが日没に関係した名前を持ち、前述の3人姉妹の中のヘスペレトゥーサからヘスペリアー(Hesperia、夕方の女)へ名前を変更し、アレトゥーサ(Arethusa)を加えた4人の姉妹としている〔アポロドーロス、2巻5・11。〕。まったく異なる説として、リパラー(Lipara、柔らかい光)、クリューソテミス(Khrysothemis、黄金の秩序)、アステロペー(Asterope、閃光)、ヒュギエイア(Hygieia、健康)があり、さらにゴルゴーンがヘスペリデスの園に住んだとされることから、混同されてゴルゴーンのメドゥーサ〔このため、ヘスペリデスをポルキュスケートーの娘とする場合もある。〕、さらにはハルピュイアイのマプサウラー(突風)を加えるものもある。普段は3人の美しい姉妹を描いた場合が多い。
明らかになっているヘスペリデスたちの名前は下表参照。

* 3人説 - アイグレー、エリュテイア、ヘスペレトゥーサ(ヘーシオドスウェルギリウス作『アエネーイス』についてのセルウィウスの註より)
* 3人説 - アイグレー、ヘスペリエー、アイリカー(ヒュギーヌスより)
* 3人説 - アイグレー、エリュテーイス、ヘスペレ(ペルガのアポロニウスより)
* 3人説 - アイグレー、アレトゥーサ、ヘスペレトゥーサ(その他の記載より)
* 4人説 - リパラー、クリューソテミス、アステロペー、ヒュギエイア(古代ギリシアの陶芸より)
* 4人説 - アイグレー、エリュテイア、ヘスペリアー、アレトゥーサ(アポロドーロスより)
* 4人説 - アイグレー、ヘスペリエー、メドゥーサ、アレトゥーサ(フルゲンティウスより)
* 7人説 - アイグレー、エリュテイア、アレトゥーサ、ヘスティア、ヘスペラ、ヘスペルーサ、ヘスペレイア(ペトルス・アピアヌスより)

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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