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バト・シェバ : ウィキペディア日本語版
バト・シェバ

バト・シェバ()は、ヘブライ語聖書によれば、ヒッタイト人の妻で、後に古代イスラエルの王ダビデの妻、ダビデの跡を継いで王となったソロモンの母。バテシバ口語訳聖書〕、バテ・シェバ新改訳聖書〕とも表記される。
==聖書から==
「バト・シェバ」という名前のヘブライ語における意味は明らかではなく、ヒッタイト語カナン語/インド・ヨーロッパ語)に由来する可能性がある。名前の第2の部分は、旧約聖書歴代誌・上・第3章5節では「shua (Bath-shua)」となっている。
バト・シェバはエリアム(歴代誌・上・第3章5節ではアミエル ''(Ammiel)'' と呼ばれている〔。)の娘である(サムエル記・下・第11章3節)。彼女の父親は一部の学者によってサムエル記・下・第23章34節にギロ人アヒトフェル ''(Ahitophel)'' の子エリアムとして登場する人物と同一視されている。
バト・シェバはヒッタイト人ウリヤの妻であったが、後にダビデの妻となり、ダビデの跡を継いでイスラエル王国の王となったソロモンを産んだ。

ダビデがバト・シェバに言い寄る物語はサムエル記・下・第11章で言及され、歴代誌では省略されている。物語はダビデが王宮の屋上を散歩している時、水浴中のウリヤの妻バト・シェバに目を留めた事を伝えている。ダビデはすぐに彼女を呼び寄せ、関係を持ち妊娠させた。
ダビデは自らの罪を隠そうとし、ウリヤを妻バト・シェバと性交させ、子供が自分のものだと考えることを期待して、ウリヤを戦闘中の軍から呼び戻した。ウリヤは戦闘中の兵士を律する古来よりの習わしに背く事を望まず、自宅のベッドで寝るよりも王宮の兵士たちと共に滞在する事を選んだ。
ウリヤ自身がバト・シェバを妊娠させたと信じ込ませようとする試みが不首尾に終わった後、王は彼の将軍ヨアブ ''(Joab)'' にウリヤを激戦の最中に見捨て、敵陣に置き去りにするよう命令を与えた。皮肉にも、ダビデはウリヤに彼自身の死を命ずる書状を持って行かせた。ウリヤの死後、ダビデは未亡人となったバト・シェバを妻に迎えた。
サムエル記によると、主はダビデの行動に怒り、王を叱責するために預言者ナタンを遣わせた。預言者は貧しい隣人から1匹の小羊を奪った金持ちの寓話を話し、不正な行為に対する王の激しい怒りを起こさせた後、これをダビデのバト・シェバに対する行為に例えた(サムエル記・下・第12章1-6節)。王はすぐに自らの罪を懺悔して、心からの悔悟を表明した。ダビデとバト・シェバの子供は重病に罹り、出生後わずか数日で他界した。王はこれを自らに対する罰として受け入れた。
ナタンもまた、ダビデの家が姦淫と謀殺のために呪われ不安定になっている事に気付いていた。数年後ダビデが寵愛した息子の1人アブサロムが反乱を起こし、王国を内戦状態に陥れた。ナタンの預言通り、新らしい王である事を明確に示すため、アブサロムは人前で父の側室のうちの10人と性交をした。これは他の男性の妻を奪い取ったダビデの行為に対して、神が与えた10倍の罰と見なす事ができる。
ダビデの老年期、バト・シェバは生存するダビデの最年長の息子の代わりに彼女の息子ソロモンの王位継承を確実なものとした。(列王記・上・第1章11-31節)。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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