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トゥルパ : ウィキペディア日本語版
トゥルパ

トゥルパ()は、チベット語で一般に、変化身(応身)や化身(トゥルク)を指す言葉として用いられ〔ケルサン・タウワ 『チベット語辞典 蔵日・日蔵』 カワチェン、2003年、116頁。〕、サンスクリットの 〔ニルミタ〕または 〔ニルマーナ〕(すなわち化・変化・化現・化成・化作)に相当する。〔Lokesh Chandra, Tibetan-Sanskrit Dictionary, 1959, Rinsen, 1982, rep., 1514頁. 〕つまり仏教本来の言葉では単に化身、化現、化作を意味する。化作は「魔術的顕現」「喚起されたもの」「幻像」などとも訳することができる。化作は修行の結果意識的にできるようになる。それを特殊に誤解し純粋な霊的・精神的訓練のみによって作り出される存在ないし“もの”をあらわす言葉と捉え何か魔術やオカルト的な意味に誤解されている。以下、本項ではその誤解された意味を中心に記述する。
旅行家の『チベットの神秘家と呪術師』 (''Mystiques et magiciens du Tibet'', 1929)〔日本語版:A・デビッドニール 『チベット魔法の書』 林陽訳、徳間書店、1997年。〕 によると、トゥルパは「強力な凝念による魔術的形成物」である。トゥルパは「物質的形体として受け取られた、具現化した思念」であり、「思念形態」(;思念体、想念形体とも)と同義とみなされるのが通例である〔 Eileen Campbell, et al (1994), ''Body Mind & Spirit''.〕。この意味でのトゥルパは、日本では(慣習的英字表記の tulpa を英語風に読んで)タルパとも呼称される。
==インド仏教==
初期の仏教経典である沙門果経は、「マナス(意、心)が成した身体」(マノマヤカーヤ;意成身)を作り出す能力を、観行の果報の一つに挙げている。
清浄道論のような典籍では、「意によって作られる身体」はブッダ(仏陀)や仏弟子が諸天界に赴く手段であると述べられており、に例示されたような、ブッダの行った数々の奇跡 - 例えば同経典では、ブッダが多数の姿に応化して天を覆う無数の身体として現れたとされた - を説明するための概念としても用いられている〔David V. Fiordalis (2008). ''Miracles and Superhuman Powers in South Asian Buddhist Literature'', p. 125.〕。
インドの仏教哲学者無著は自身が著した『瑜伽師地論』の本地分の中の「菩薩地」で、ニルマーナ(化身)は魔術的幻影であり、「基本的には物質的な基盤をもたない何か」であると説いた〔David V. Fiordalis (2008), p. 130.〕。
また、無著の弟である世親も自身が執筆した『倶舎論』で、ニルミタ(化作)は禅定を通じて発現する神通力(パーリ語:イッディ、サンスクリット語:リッディ)であると述べた。
大乗仏教の中観派は、あらゆるリアリティは無自性であり、あらゆるリアリティはある種のニルミタ(化現)ないし魔術的幻影(幻化)であるという見解を取っている。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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