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ティソン・デツェン : ウィキペディア日本語版
ティソン・デツェン

ティソン・デツェンチベット語:、ワイリー転写:''Khri srong lde brtsan''、 742年 - 797年〔金子「ティソン・デツェン」『アジア歴史事典』6巻、413頁〕/98年〔デエ『チベット史』、58頁〕)は、 古代チベット王朝である吐蕃‎の王(在位:755年〔/56年〔デエ『チベット史』、55頁〕 - 797年/98年)。37代国王ティデ・ツグツェンを父に持ち、ナナム氏族のマンモジュを母とする〔。
唐で起きた安史の乱に乗じて唐の首都・長安を占領し、西域に駐屯する唐軍の弱体化に乗じて勢力を拡大した〔梅村「オアシス世界の展開」『中央ユーラシア史』、130-131頁〕。
ティソン・デツェンの在位中にチベットの支配領域は最大に達する〔〔フランソワーズ・ポマレ『チベット』(今枝由郎監修, 後藤淳一訳, 「知の再発見」双書, 創元社, 2003年12月)、57-60頁〕。後世には、軍事的功績と神話的な要素が入り混じったティソン・デツェンの伝承が作り出された〔。
また、ティソン・デツェンの時代にチベットの仏教文化は顕著な発展を見せる〔スネルグローヴ、リチャードソン『チベット文化史』、27頁〕。ティソン・デツェンはサムイェー寺の大伽藍を建立し、779年仏教を国教に制定した〔〔山口『チベット』下、30頁〕。後世の人間はティソン・デツェンをソンツェン・ガンポティツク・デツェン(レルパツェン)と並ぶ仏教王の一人に数えた〔スネルグローヴ、リチャードソン『チベット文化史』、27頁〕。
== 生涯 ==
ティソン・デツェンはティデ・ツグツェンの次男として生まれる〔。13歳の時にティソン・デツェンは王位に就いた〔。成長したティソン・デツェンは、内相、将軍らの協力を得て父を暗殺した宰相たちを討つ〔。
755年から唐で起きていた安史の乱に乗じて青海周辺を占領し、762年に唐と和約を締結した〔。しかし、なおも吐蕃軍は東進を続け、763年10月に長安を占領する。長安への無血入城を果たした吐蕃軍は改元と大赦を布告し、広武王李承宏を新たな唐の皇帝に擁立した〔。入城から2週間後に吐蕃軍は長安の「士女工匠」を連れて帰国し〔、長安から帰国する吐蕃軍は進路上の商業都市で略奪を行った〔デエ『チベット史』、57頁〕。
779年に唐で徳宗が即位した後、吐蕃と唐の間で捕虜の返還が行われ、吐蕃の求めに応じて唐から仏僧が派遣された。783年に吐蕃と唐の間に和平条約(唐蕃会盟)が結ばれ〔、唐への軍事作戦は消極的になる〔。翌784年に唐の節度使・が反乱を起こしたとき、吐蕃は反乱の鎮圧のために援軍を派遣した。唐が協力の対価を支払わなかったことに軍部が不満を抱いたために和平は破棄され、西域に進出した吐蕃軍は敦煌を占領した。
789年に吐蕃軍はビシュバリクホータンを占領する〔。790年亀茲安西都護府を攻略〔、同年に吐蕃の支配領域はアム川フェルガナ方面に広がるが、アッバース朝に阻まれてこれ以上支配領域を拡張することはできなかった〔。吐蕃の支配領域は西はギルギットバルチスタン、東は雲南四川に広がり、東北部は河西回廊を含んでいた〔。インド、ベンガル地方からの使節がチベットを訪れ、吐蕃は中央アジア、北インド、アフガニスタンイランに繋がる交易路を確保した〔。
晩年、ティソン・デツェンは妻のともう一人の妻ポヨン・サの不仲を憂い、ポヨン・サを次子のムネ・ツェンポに妻として与えた〔デエ『チベット史』、61-62頁〕。しかし、ツェポン・サのポヨン・サへの憎悪はより強くなった〔デエ『チベット史』、62頁〕。797年/98年にティソン・デツェンは競馬の場で没した〔。ティソン・デツェンのために1辺180mの三層のピラミッド状の墓が建てられ、チョンギェ村の吐蕃王家の墓群(en)の中で、最も大きなものになった〔。
ティソン・デツェンの死後より、吐蕃は徐々に衰退していく〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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