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ダガー : ウィキペディア日本語版
ダガー[ちょうおん]

ダガー(''dagger'')とは全長10~30cm程度(使用者の前腕の長さと同程度が望ましいとされる)の諸刃の短剣。フランス語ではダグ(''dague'')、ドイツ語ではドルヒ(''dolch'')、ポルトガル語ではアダガ(''adaga'')と呼ばれる。
*なお日本では2008年通り魔事件(後述)を契機に「ダガーナイフ」という呼び名が報道を中心に多用されているが、ナイフは汎用の刃物一般で、ダガーは武器としての刃物の形質を示すため、本項で扱われている短剣を示す場合には、単に「ダガー」と呼ぶのが正しい。
しかしダガーは一般に馴染みのない器物のため、大きさの類似からしばしばナイフと同一視される。
== 概要 ==
ダガーという呼び名は、古代ローマ帝国の時代に属州だったダキア地方(現在のルーマニアにあたる)の住民たちが使用していたことに由来する。日本刀の種類と比較すると小太刀脇差より小さく、短刀匕首、俗に言うドスなどに近いサイズである。
刺すことと投げるのに向く。小さいので人体の急所を的確に狙わないと致命傷を与えられないため、武器としての絶対的な威力はあまりない。とはいえ、中世のヨーロッパの騎士のようにプレートアーマーで徹底的に装甲された敵兵に致命傷を与える場合にはツーハンデッドソードパイクなどを使うよりも、相手を地面に倒して装甲の隙間からダガーを突き刺す方が効率的だったため広く用いられた。
このような重装騎兵へのとどめ専用に進化したダガーがスティレットである。また重装騎兵に限らず戦場で致命傷を負った瀕死の負傷兵にとどめを刺して楽にしてやるために用いられたダガーは「ミセリコルデ」(ラテン語 Misericordia:とどめの短剣、慈悲の短剣)とも呼ばれる。
補助的に使用されることが多いが取り回しが容易く携帯にも向くため、初期の連射性の低い銃器を使用する銃兵等も所持していて、これが後の銃剣に発展した。ダガーは塹壕戦でも多用され、狭い場所で使用するトレンチナイフもしくはその補助として重用された。
近世ヨーロッパの剣術の中には利き手にレイピア等の軽量剣を、もう片方にダガーを持ちダガーで相手の剣を受け止めたり払ったりしながら利き手の剣を繰り出す物も存在する。この種の剣術はスペインとフランスで特に発展した。このような使用法を念頭に作られた防御用ダガーは特にマンゴーシュパリーイング・ダガーなどと呼ばれる。また相手の剣を挟み取ったり破壊することに特化したソードブレイカーも、こういった防具としてのダガーから発展したものである。
左手用のダガーの中には相手の剣を受け止めやすい三本刃のものや、鍔が剣を受け止めやすい形状になっているものも少なくない。
ルネッサンス期のイタリア都市国家などのヨーロッパ諸国では、護身・装飾・食事用具(当時は食べ物をナイフやダガーで切り分け、手づかみやナイフ・ダガーで刺して食べる方法が主流であった)としてダガーを腰やブーツに差すなど見せる形で携帯することが流行した。
ダガーは専ら対人武器として作成されたものを指し、対してナイフは一般に多目的切断具である。現代では対人戦闘を主目的としない場合には諸刃はあまり意味が無いので、日常的な用を足すための道具であるナイフの多くでは、刃は片側のみである。
ただし、諸刃状の刃物自体は旧石器時代から見られ、ダガー型のナイフは片側に別の付け(荒めに研いだり角度を変える等)を行うことで、鋭利な片側で繊細な作業を行い、荒い研ぎの側でロープをこすって切断するなど、1本で2種類の用途に使用できるという利点もあり、ダイバーズナイフにはダガー型のものも多く見られる。特にプロユース(専門家が使う道具)のものでは、あらかじめ片側が鋸刃になっているものもみられる〔『ナイフマガジン』1993年10月号特集『ダイバーズ・ナイフ』〕。また緊急時には刃の向きを確認せずに使用できる。
ダガーは左右対称(シンメトリー)であることに関連して、観賞用ないしコレクション用のナイフの題材としても選択される。これら観賞用ないしコレクション用のナイフでは、実用性よりも装飾性を重視しているが、そういったナイフもナイフとしての基本的な機能を持っているか、その機能を持たせることが可能な場合もある。各国の伝統的な刃物はダガー状であることが多い。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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