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ダイモーン : ミニ英和和英辞書
ダイモーン[ちょうおん]
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)

ダイモーン : ウィキペディア日本語版
ダイモーン[ちょうおん]
ダイモーン〔ダイモーンは古典時代のギリシア語の再建音に準じた表記。長母音を省いてダイモンとも。中世以降および現代ギリシャ語での読みを転写すればゼモンないしデモン(δは英語の th の有声音と同様の発音)。〕( - ; ラテン語:, daemon; , daimon )は、古代ギリシアおよびヘレニズムにおける神話・宗教・哲学に登場する、「人間と神々の中間に位置する、あるいは善性あるいは悪性の超自然的存在で、下位の神格や死んだ英雄の霊など」を指す(プラトン饗宴』を参照)。和訳例は「鬼神」〔田中美知太郎訳、プラトーン「ソークラテースの弁明」(『ソークラテースの弁明・クリトーン・パイドーン』新潮文庫)〕、「神霊」〔久保勉訳、プラトン『饗宴』岩波文庫〕、「精霊」〔松平千秋訳、ヘーシオドス『仕事と日』岩波文庫〕。
ダイモーンはユダヤキリスト教デーモン(人間を誘惑したり、苦しませたり、取り憑く悪霊)をも指し〔Walter Burkert, ''Greek religion'' 1985; E. Rexine, '' Daimon in classical Greek literature'' 1985, pp 179-81, 〕、デーモンに相当する西洋諸語(, , )は、これより派生したものである。主として古代ギリシアやヘレニズム哲学におけるダイモーンに対して「ダイモーン」という呼称を適用し、ユダヤ・キリスト教におけるダイモーン/デーモンには「デーモン」という呼称を適用して、両者を区別するのが通例である。
== 概説 ==
ヘーシオドス神統記』では、パエトーンはダイモーンに変じて目に見えない存在となるが〔Hesiod, ''Theogony'' 991.〕、パンドーラーが解き放った人類の災いはダイモーンではなくケールであるとされている。またヘーシオドスは、ゼウスの思し召しによって黄金時代の人々がダイモーンに変えられ、善意をもって死すべき人間たちに役立つべく守護神の役割を果たすようになった様を描いている〔Hesiod, ''Works and Days'' 122-26.〕。
同様に、敬慕されている英雄や創立者のダイモーンは神殿建立によってそこに留まり、立ち止まってそれに祈りを捧げる者に幸運と庇護を与えるとされた。ダイモーンは基本的に悪いものとは見なされていなかった。ダイモーンという言葉はまた、守護神としてはたらく黄金時代の人々の魂を指した〔Entry δαίμων at Liddell & Scott).〕。
目に見えない危険な(邪悪ですらある)下位の霊的存在としてのダイモーンという概念は、プラトンとその弟子クセノクラテスが生み出し〔Burkert 1985, section III.3.5 "Daimon".〕、他のネオプラトニズムの要素と共にキリスト教の教父の著書に取り込まれた。
旧約聖書では、士師記列王記などに悪霊が登場している。ギリシア語を使用するアレクサンドリアユダヤ人ヘレニスト)が訳したギリシア語訳旧約聖書である七十人訳聖書では、「マラク」が「アンゲロス」と翻訳される一方、神的ならざる精霊の意味は「ダイモーン」(または中性名詞「ダイモニオン」)という言葉によって担わされ、ヘブライ人の近隣の偶像神や異邦の神、ある種の敵対的な自然霊や自然の悪しきものを意味するヘブライ語の単語「シェディム」「セイリム」は、ダイモーンと翻訳された。新約聖書のギリシア語原典における「ダイモーン」の語の使われ方により、おそくとも紀元2世紀初期には聖書以外でもユダヤ・キリスト教の悪霊の概念に対してこのギリシア語を当てるようになった。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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