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サイエンス・ファンタジー : ミニ英和和英辞書
サイエンス・ファンタジー[ちょうおん]
=====================================
〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。

: [ちょうおん]
 (n) long vowel mark (usually only used in katakana)

サイエンス・ファンタジー ( リダイレクト:サイエンス・ファンタジー(英: science fantasy)とは、サイエンス・フィクションの要素とファンタジーの要素を混合した作品が属するジャンルである。なお、「サイエンス・ファンタジー」も「サイエンス・フィクション」も省略形がSFであるため、本項目ではあえて「SF」を使用しない。== サイエンス・ファンタジーとサイエンス・フィクション ==ロッド・サーリングは、「サイエンス・フィクションは信じがたい可能なことを描き、サイエンス・ファンタジーはもっともらしい不可能なことを描く」と定義している。すなわち、サイエンス・フィクションはあり得ないと思われるが実世界で特定条件下では起きうることを描き、サイエンス・ファンタジーは一見してリアルなことを描くが、それは実世界ではどういう状況でも起き得ないことである。別の解釈として、サイエンス・フィクションは超常現象的要素の存在を許容しないが、サイエンス・ファンタジーは許容するという見方もできる。しかし、サイエンス・フィクションとされている作品であってもテレパシーなどの超常現象的要素を使っている場合があるので、この定義はやや難がある。一般に「サイエンス・ファンタジー」は、サイエンス・フィクションと呼ぶにはファンタジー的に感じられる現実からの距離感がある作品や、ファンタジーと呼ぶにはサイエンス・フィクション的要素が強い作品を指す。出発点が異なるため理論上異なるジャンル(ファンタジック・サイエンス・フィクションとサイエンティフィック・ファンタジー)のように思われるが、最終的な作品は区別がつかないことがある。アーサー・C・クラークのクラークの三法則にある「充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない」という言葉はこれを示している。様々な魔法の登場するファンタジーを書くとき、高度に進んだ技術や未知の高度な先進科学を魔法の仕組みを説明するものとして利用し、サイエンス・フィクションに近づけることができる。また、技術が高度に進化した未来の世界を描き、その技術の効果を魔法のように描くこともできる。あるいは、魔法のある世界を描き、一部の人々(たとえばリーダーだけ)がそれがテクノロジーによるものだと知っているとすることもある。したがって、魔法のような現象が描かれたとしても、それをもってサイエンス・フィクションなのかファンタジーなのかを判断する本質的基準とはならない。魔法的現象を「ファンタジー的」とするか「サイエンス・フィクション的」とするかは、慣習の問題である。ハイパースペース、タイムマシン、科学者などはサイエンス・フィクションの慣習的概念であり、空飛ぶじゅうたん、魔法のアミュレット、魔法使いはファンタジーの用語である。これは、ジャンルの発達史上の偶然である。一部の概念(現象)は重なり合っており、物質転送ビームによる瞬間移動はサイエンス・フィクションだが、魔法による瞬間移動はファンタジーである。不可視性を与える持ち運び可能な偽装機械はサイエンス・フィクションだが、不可視性を与える力を持つ指輪はファンタジーである。精神と精神の通信は「精神力学(サイオニクス)」によるものかもしれないし、古代の妖精のような技能かもしれない。したがって問題は現象そのものではなく(科学的には一般に不可能とされていても、作者はそう信じているとは限らない)、そこで描こうとしている世界の全体像である。例えば宇宙旅行や陽子銃が出てきたら「サイエンス・フィクション」に分類され、それにふさわしい用語(偽装機械、物質転送)が使われ、城や帆船や剣が出てきたら「ファンタジー」に分類され、魔法の指輪や魔法を使った移動方法が語られることになる。まとめると、サイエンス・フィクションは不思議な現象を説明するのにテクノロジーを持ち出し、ファンタジーは魔法を持ち出す。多くの場合、サイエンス・フィクションは現象の説明に既知の物理法則を使うか、それらの妥当な拡張を使う。サイエンス・ファンタジーは一般に物理法則を無視する(つまり魔法を持ち出す)か、既知の物理法則とは無関係に独自の物理法則を考案して使う。また、サイエンス・フィクションは物理法則やその拡張を詳細に記述する傾向があるが、サイエンス・ファンタジーは独自の物理法則について大まかな説明しか加えない。サイエンス・フィクションとサイエンス・ファンタジーの境界線を引こうとしても、どちらも架空世界を描き、人類以外の知的生物が登場し(例えばC・L・ムーアの『シャンブロウ』)、ものすごいモンスターが登場することがあり、なかなか明確には線引きできない。C・S・ルイスの『ナルニア国ものがたり』がファンタジーであって別の惑星の話ではないというのは、作者の意思が大きく関わっている。懐古趣味はファンタジーの重大な印の1つだが、それさえも両者を完全に識別する特徴ではない。刃のある武器と銃眼付きの要塞がある古風な世界であっても、そのような文明段階に到達した別の惑星を描いていることもある。マリオン・ジマー・ブラッドリーの《ダーコーヴァ年代記》はそのような世界を描いており、魔法と区別のつかないテクノロジーの典型である。アン・マキャフリイの《パーンの竜騎士》シリーズは、最初の作品の冒頭部分でサイエンス・フィクション的設定が書かれているにもかかわらず、竜が出てくるというだけでファンタジーだと思い込む読者は多い。 ) : ウィキペディア日本語版
サイエンス・ファンタジー(英: science fantasy)とは、サイエンス・フィクションの要素とファンタジーの要素を混合した作品が属するジャンルである。なお、「サイエンス・ファンタジー」も「サイエンス・フィクション」も省略形がSFであるため、本項目ではあえて「SF」を使用しない。== サイエンス・ファンタジーとサイエンス・フィクション ==ロッド・サーリングは、「サイエンス・フィクションは信じがたい可能なことを描き、サイエンス・ファンタジーはもっともらしい不可能なことを描く」と定義している。すなわち、サイエンス・フィクションはあり得ないと思われるが実世界で特定条件下では起きうることを描き、サイエンス・ファンタジーは一見してリアルなことを描くが、それは実世界ではどういう状況でも起き得ないことである。別の解釈として、サイエンス・フィクションは超常現象的要素の存在を許容しないが、サイエンス・ファンタジーは許容するという見方もできる。しかし、サイエンス・フィクションとされている作品であってもテレパシーなどの超常現象的要素を使っている場合があるので、この定義はやや難がある。一般に「サイエンス・ファンタジー」は、サイエンス・フィクションと呼ぶにはファンタジー的に感じられる現実からの距離感がある作品や、ファンタジーと呼ぶにはサイエンス・フィクション的要素が強い作品を指す。出発点が異なるため理論上異なるジャンル(ファンタジック・サイエンス・フィクションとサイエンティフィック・ファンタジー)のように思われるが、最終的な作品は区別がつかないことがある。アーサー・C・クラークのクラークの三法則にある「充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない」という言葉はこれを示している。様々な魔法の登場するファンタジーを書くとき、高度に進んだ技術や未知の高度な先進科学を魔法の仕組みを説明するものとして利用し、サイエンス・フィクションに近づけることができる。また、技術が高度に進化した未来の世界を描き、その技術の効果を魔法のように描くこともできる。あるいは、魔法のある世界を描き、一部の人々(たとえばリーダーだけ)がそれがテクノロジーによるものだと知っているとすることもある。したがって、魔法のような現象が描かれたとしても、それをもってサイエンス・フィクションなのかファンタジーなのかを判断する本質的基準とはならない。魔法的現象を「ファンタジー的」とするか「サイエンス・フィクション的」とするかは、慣習の問題である。ハイパースペース、タイムマシン、科学者などはサイエンス・フィクションの慣習的概念であり、空飛ぶじゅうたん、魔法のアミュレット、魔法使いはファンタジーの用語である。これは、ジャンルの発達史上の偶然である。一部の概念(現象)は重なり合っており、物質転送ビームによる瞬間移動はサイエンス・フィクションだが、魔法による瞬間移動はファンタジーである。不可視性を与える持ち運び可能な偽装機械はサイエンス・フィクションだが、不可視性を与える力を持つ指輪はファンタジーである。精神と精神の通信は「精神力学(サイオニクス)」によるものかもしれないし、古代の妖精のような技能かもしれない。したがって問題は現象そのものではなく(科学的には一般に不可能とされていても、作者はそう信じているとは限らない)、そこで描こうとしている世界の全体像である。例えば宇宙旅行や陽子銃が出てきたら「サイエンス・フィクション」に分類され、それにふさわしい用語(偽装機械、物質転送)が使われ、城や帆船や剣が出てきたら「ファンタジー」に分類され、魔法の指輪や魔法を使った移動方法が語られることになる。まとめると、サイエンス・フィクションは不思議な現象を説明するのにテクノロジーを持ち出し、ファンタジーは魔法を持ち出す。多くの場合、サイエンス・フィクションは現象の説明に既知の物理法則を使うか、それらの妥当な拡張を使う。サイエンス・ファンタジーは一般に物理法則を無視する(つまり魔法を持ち出す)か、既知の物理法則とは無関係に独自の物理法則を考案して使う。また、サイエンス・フィクションは物理法則やその拡張を詳細に記述する傾向があるが、サイエンス・ファンタジーは独自の物理法則について大まかな説明しか加えない。サイエンス・フィクションとサイエンス・ファンタジーの境界線を引こうとしても、どちらも架空世界を描き、人類以外の知的生物が登場し(例えばC・L・ムーアの『シャンブロウ』)、ものすごいモンスターが登場することがあり、なかなか明確には線引きできない。C・S・ルイスの『ナルニア国ものがたり』がファンタジーであって別の惑星の話ではないというのは、作者の意思が大きく関わっている。懐古趣味はファンタジーの重大な印の1つだが、それさえも両者を完全に識別する特徴ではない。刃のある武器と銃眼付きの要塞がある古風な世界であっても、そのような文明段階に到達した別の惑星を描いていることもある。マリオン・ジマー・ブラッドリーの《ダーコーヴァ年代記》はそのような世界を描いており、魔法と区別のつかないテクノロジーの典型である。アン・マキャフリイの《パーンの竜騎士》シリーズは、最初の作品の冒頭部分でサイエンス・フィクション的設定が書かれているにもかかわらず、竜が出てくるというだけでファンタジーだと思い込む読者は多い。[ちょうおん]

サイエンス・ファンタジー: science fantasy)とは、サイエンス・フィクションの要素とファンタジーの要素を混合した作品が属するジャンルである。なお、「サイエンス・ファンタジー」も「サイエンス・フィクション」も省略形がSFであるため、本項目ではあえて「SF」を使用しない。
== サイエンス・ファンタジーとサイエンス・フィクション ==
ロッド・サーリングは、「サイエンス・フィクションは信じがたい可能なことを描き、サイエンス・ファンタジーはもっともらしい不可能なことを描く」と定義している。すなわち、サイエンス・フィクションはあり得ないと思われるが実世界で特定条件下では起きうることを描き、サイエンス・ファンタジーは一見してリアルなことを描くが、それは実世界ではどういう状況でも起き得ないことである。別の解釈として、サイエンス・フィクションは超常現象的要素の存在を許容しないが、サイエンス・ファンタジーは許容するという見方もできる。しかし、サイエンス・フィクションとされている作品であってもテレパシーなどの超常現象的要素を使っている場合があるので、この定義はやや難がある。
一般に「サイエンス・ファンタジー」は、サイエンス・フィクションと呼ぶにはファンタジー的に感じられる現実からの距離感がある作品や、ファンタジーと呼ぶにはサイエンス・フィクション的要素が強い作品を指す。出発点が異なるため理論上異なるジャンル(ファンタジック・サイエンス・フィクションとサイエンティフィック・ファンタジー)のように思われるが、最終的な作品は区別がつかないことがある。
アーサー・C・クラーククラークの三法則にある「充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない」という言葉はこれを示している。様々な魔法の登場するファンタジーを書くとき、高度に進んだ技術や未知の高度な先進科学を魔法の仕組みを説明するものとして利用し、サイエンス・フィクションに近づけることができる。また、技術が高度に進化した未来の世界を描き、その技術の効果を魔法のように描くこともできる。あるいは、魔法のある世界を描き、一部の人々(たとえばリーダーだけ)がそれがテクノロジーによるものだと知っているとすることもある。
したがって、魔法のような現象が描かれたとしても、それをもってサイエンス・フィクションなのかファンタジーなのかを判断する本質的基準とはならない。魔法的現象を「ファンタジー的」とするか「サイエンス・フィクション的」とするかは、慣習の問題である。ハイパースペース、タイムマシン、科学者などはサイエンス・フィクションの慣習的概念であり、空飛ぶじゅうたん、魔法のアミュレット、魔法使いはファンタジーの用語である。これは、ジャンルの発達史上の偶然である。一部の概念(現象)は重なり合っており、物質転送ビームによる瞬間移動はサイエンス・フィクションだが、魔法による瞬間移動はファンタジーである。不可視性を与える持ち運び可能な偽装機械はサイエンス・フィクションだが、不可視性を与える力を持つ指輪はファンタジーである。精神と精神の通信は「精神力学(サイオニクス)」によるものかもしれないし、古代の妖精のような技能かもしれない。したがって問題は現象そのものではなく(科学的には一般に不可能とされていても、作者はそう信じているとは限らない)、そこで描こうとしている世界の全体像である。例えば宇宙旅行や陽子銃が出てきたら「サイエンス・フィクション」に分類され、それにふさわしい用語(偽装機械、物質転送)が使われ、城や帆船や剣が出てきたら「ファンタジー」に分類され、魔法の指輪や魔法を使った移動方法が語られることになる。まとめると、サイエンス・フィクションは不思議な現象を説明するのにテクノロジーを持ち出し、ファンタジーは魔法を持ち出す。多くの場合、サイエンス・フィクションは現象の説明に既知の物理法則を使うか、それらの妥当な拡張を使う。サイエンス・ファンタジーは一般に物理法則を無視する(つまり魔法を持ち出す)か、既知の物理法則とは無関係に独自の物理法則を考案して使う。また、サイエンス・フィクションは物理法則やその拡張を詳細に記述する傾向があるが、サイエンス・ファンタジーは独自の物理法則について大まかな説明しか加えない。
サイエンス・フィクションとサイエンス・ファンタジーの境界線を引こうとしても、どちらも架空世界を描き、人類以外の知的生物が登場し(例えばC・L・ムーアの『シャンブロウ』)、ものすごいモンスターが登場することがあり、なかなか明確には線引きできない。C・S・ルイスの『ナルニア国ものがたり』がファンタジーであって別の惑星の話ではないというのは、作者の意思が大きく関わっている。
懐古趣味はファンタジーの重大な印の1つだが、それさえも両者を完全に識別する特徴ではない。刃のある武器と銃眼付きの要塞がある古風な世界であっても、そのような文明段階に到達した別の惑星を描いていることもある。マリオン・ジマー・ブラッドリーの《ダーコーヴァ年代記》はそのような世界を描いており、魔法と区別のつかないテクノロジーの典型である。アン・マキャフリイの《パーンの竜騎士》シリーズは、最初の作品の冒頭部分でサイエンス・フィクション的設定が書かれているにもかかわらず、竜が出てくるというだけでファンタジーだと思い込む読者は多い。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「サイエンス・ファンタジー(英: science fantasy)とは、サイエンス・フィクションの要素とファンタジーの要素を混合した作品が属するジャンルである。なお、「サイエンス・ファンタジー」も「サイエンス・フィクション」も省略形がSFであるため、本項目ではあえて「SF」を使用しない。== サイエンス・ファンタジーとサイエンス・フィクション ==ロッド・サーリングは、「サイエンス・フィクションは信じがたい可能なことを描き、サイエンス・ファンタジーはもっともらしい不可能なことを描く」と定義している。すなわち、サイエンス・フィクションはあり得ないと思われるが実世界で特定条件下では起きうることを描き、サイエンス・ファンタジーは一見してリアルなことを描くが、それは実世界ではどういう状況でも起き得ないことである。別の解釈として、サイエンス・フィクションは超常現象的要素の存在を許容しないが、サイエンス・ファンタジーは許容するという見方もできる。しかし、サイエンス・フィクションとされている作品であってもテレパシーなどの超常現象的要素を使っている場合があるので、この定義はやや難がある。一般に「サイエンス・ファンタジー」は、サイエンス・フィクションと呼ぶにはファンタジー的に感じられる現実からの距離感がある作品や、ファンタジーと呼ぶにはサイエンス・フィクション的要素が強い作品を指す。出発点が異なるため理論上異なるジャンル(ファンタジック・サイエンス・フィクションとサイエンティフィック・ファンタジー)のように思われるが、最終的な作品は区別がつかないことがある。アーサー・C・クラークのクラークの三法則にある「充分に発達した科学技術は、魔法と見分けが付かない」という言葉はこれを示している。様々な魔法の登場するファンタジーを書くとき、高度に進んだ技術や未知の高度な先進科学を魔法の仕組みを説明するものとして利用し、サイエンス・フィクションに近づけることができる。また、技術が高度に進化した未来の世界を描き、その技術の効果を魔法のように描くこともできる。あるいは、魔法のある世界を描き、一部の人々(たとえばリーダーだけ)がそれがテクノロジーによるものだと知っているとすることもある。したがって、魔法のような現象が描かれたとしても、それをもってサイエンス・フィクションなのかファンタジーなのかを判断する本質的基準とはならない。魔法的現象を「ファンタジー的」とするか「サイエンス・フィクション的」とするかは、慣習の問題である。ハイパースペース、タイムマシン、科学者などはサイエンス・フィクションの慣習的概念であり、空飛ぶじゅうたん、魔法のアミュレット、魔法使いはファンタジーの用語である。これは、ジャンルの発達史上の偶然である。一部の概念(現象)は重なり合っており、物質転送ビームによる瞬間移動はサイエンス・フィクションだが、魔法による瞬間移動はファンタジーである。不可視性を与える持ち運び可能な偽装機械はサイエンス・フィクションだが、不可視性を与える力を持つ指輪はファンタジーである。精神と精神の通信は「精神力学(サイオニクス)」によるものかもしれないし、古代の妖精のような技能かもしれない。したがって問題は現象そのものではなく(科学的には一般に不可能とされていても、作者はそう信じているとは限らない)、そこで描こうとしている世界の全体像である。例えば宇宙旅行や陽子銃が出てきたら「サイエンス・フィクション」に分類され、それにふさわしい用語(偽装機械、物質転送)が使われ、城や帆船や剣が出てきたら「ファンタジー」に分類され、魔法の指輪や魔法を使った移動方法が語られることになる。まとめると、サイエンス・フィクションは不思議な現象を説明するのにテクノロジーを持ち出し、ファンタジーは魔法を持ち出す。多くの場合、サイエンス・フィクションは現象の説明に既知の物理法則を使うか、それらの妥当な拡張を使う。サイエンス・ファンタジーは一般に物理法則を無視する(つまり魔法を持ち出す)か、既知の物理法則とは無関係に独自の物理法則を考案して使う。また、サイエンス・フィクションは物理法則やその拡張を詳細に記述する傾向があるが、サイエンス・ファンタジーは独自の物理法則について大まかな説明しか加えない。サイエンス・フィクションとサイエンス・ファンタジーの境界線を引こうとしても、どちらも架空世界を描き、人類以外の知的生物が登場し(例えばC・L・ムーアの『シャンブロウ』)、ものすごいモンスターが登場することがあり、なかなか明確には線引きできない。C・S・ルイスの『ナルニア国ものがたり』がファンタジーであって別の惑星の話ではないというのは、作者の意思が大きく関わっている。懐古趣味はファンタジーの重大な印の1つだが、それさえも両者を完全に識別する特徴ではない。刃のある武器と銃眼付きの要塞がある古風な世界であっても、そのような文明段階に到達した別の惑星を描いていることもある。マリオン・ジマー・ブラッドリーの《ダーコーヴァ年代記》はそのような世界を描いており、魔法と区別のつかないテクノロジーの典型である。アン・マキャフリイの《パーンの竜騎士》シリーズは、最初の作品の冒頭部分でサイエンス・フィクション的設定が書かれているにもかかわらず、竜が出てくるというだけでファンタジーだと思い込む読者は多い。」の詳細全文を読む




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