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クリクスス : ミニ英和和英辞書
クリクスス
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〔語彙分解〕的な部分一致の検索結果は以下の通りです。


クリクスス : ウィキペディア日本語版
クリクスス

クリクススラテン語:''Crixus''、生年不詳 - 紀元前72年)は共和政ローマ時代の剣闘士第三次奴隷戦争スパルタクスの反乱)の反乱軍指導者の一人。紀元前73年にスパルタクス、とともにカプアの養成所を脱走してローマに対する反乱を起こし、数度にわたって討伐軍を撃退した。紀元前72年に反乱軍が北上を開始するとスパルタクスと分離して別行動をとり、執政官の率いるローマ軍団と戦って敗死した。スパルタクスはクリクススの追悼のためにローマ人の捕虜に剣闘士試合をさせて犠牲に捧げた。クリクソスとも日本語表記される〔土井 1994,人名索引,p.6.〕。
== 生涯 ==

=== 蜂起 ===

クリクススはガリア人であり〔、何らかの理由でローマの奴隷となり、南イタリアのカンパニア地方のカプアにある興行師(ラニスタ)が所有する剣闘士養成所に属した。剣闘士は戦争捕虜か罪人、そして反抗的なために主人に売り飛ばされた奴隷が多かった〔本村 2011,pp.153-154.〕。強い剣闘士は富と名声を得ることができたが、その社会的地位は売春婦と同様とみられ、奴隷の中でも最下等の者たちと蔑まれた〔本村 2011,p.155;ウィズダム 2002,pp.18-19,22-23,25,80,82.〕。クリクススの蜂起以前の経歴や剣闘士としての戦歴について古典史料は何も言及していない。
バティアトゥス養成所にはガリア人とトラキア人が多く所属していたが、興行師は邪な考えをもって彼らをひとつところに押し込んでいた〔プルタルコス,p.18.〕。紀元前73年、バティアトゥス養成所の剣闘士約200人が脱走を計画したが、密告によって露見したため、剣闘士たちは台所道具(包丁や火串)を武器に脱走を強行し、およそ70人の剣闘士が養成所を逃げ出すことに成功した〔〔剣闘士たちは闘技場以外では鋭利な武器の使用を禁じられ、木剣で訓練を行っていた。本村 2011,p.171.〕。逃亡の途中で剣闘士用の武器を積んだ荷馬車数台と出くわした彼らはこれを襲って武器を手に入れ、ヴェスヴィウス山に立て籠もった〔〔Appian, ''Civil Wars'', 1:116 ; Florus, ''Epitome'', 2.8.〕。
剣闘士たちはガリア人のクリクススとそしてトラキア人のスパルタクスを指導者に選んだ〔古代の歴史家とによればクリクススとオエノマウスはガリア人である。Fields 2009,p.30.〕。古代の歴史家アッピアヌスはスパルタクスが指導者であり、他の二人はその部下であるとしているが、リウィウスやは三人は同等の指導者であったことを示唆している〔Fields 2009,p.30.〕。
剣闘士たちは周辺の農場を略奪し、彼らに合流する奴隷もいて逃亡奴隷の集団はその数を増やしていった。カプアからの討伐隊が差し向けられたが撃退されて武具を奪われ、逃亡奴隷たちは持っているだけで不名誉な剣闘士の武器を捨ててローマ軍の武具を装備した〔プルタルコス,p.19.〕。当初、元老院はこれを反乱ではなく、盗賊の類と考えており、その討伐に法務官グラベルを派遣した。グラベルの討伐軍は数で反乱軍に勝っていたが、正規のローマ軍団ではなく適当に駆り集められた寄せ集めに過ぎなかった〔Appian, ''Civil Wars'', 1:116 .〕。グラベルはヴェスヴィウス山を包囲して糧道を絶ち、逃亡奴隷たちが飢えて降伏するのを待ったが、スパルタクス、クリクススそしてオエノマウスの率いる反乱軍は奇襲をかけて、グラベルの討伐軍を殲滅した〔。
元老院は法務官率いる第二の討伐軍を派遣したが、これも撃退された。これらの勝利によって反乱軍は7万人にまで膨れ上がり、ノーラノチェーラ、そしてを襲撃し、南イタリアで冬営に入った〔Florus, ''Epitome'', 2.8.〕。指導者の一人のオエノマウスは初期の戦闘で戦死している〔Orosius, Histories 5.24.1 〕。


抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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