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エブラ : ウィキペディア日本語版
エブラ

エブラ(Ebla、アラビア語:إبلا) はシリア北部にある古代の都市国家の遺跡。アレッポの南西55kmに位置する。エブラは紀元前3千年紀後半、および紀元前2千年紀前半(紀元前1800年 - 紀元前1650年)の二つの時期の重要な都市国家だった。
遺跡のある場所は、現在テル・マルディーフ(Tell Mardikh)と呼ばれる遺丘(テル)で、紀元前2250年頃に遡る楔形文字の書かれた粘土板(Ebla tablets)が大量(15,000枚)に発見されたことで有名である。これらはシュメール語、およびここで初めて発見されたセム語派の言語・エブラ語で書かれている。
== 遺跡の概要 ==

1964年パウロ・マッティエPaolo Matthiae)率いるイタリアのローマ・ラ・サピエンツァ大学の考古学調査チームがテル・マルディーフの発掘を開始した。1968年、調査チームは、エブラの王イビット・リム(Ibbit-Lim)の名が書かれた女神イシュタルの像を発見した。この発見により、この遺跡が古代エジプトの碑文やアッカド語文書で名前だけは知られていたが所在は不明だった都市エブラであることが分かった。その後の10年で、調査チームは紀元前2500年から紀元前2000年ごろの宮殿を発見した。
宮殿廃墟からは楔形文字の書かれた保存状態のよい粘土板15,000枚が見つかった〔An up-to-date account for the layman, written by the head of the archaeological team that uncovered Ebla is Paolo Matthiae, ''The Royal Archives of Ebla'' (Skira) 2007.〕。80%はシュメール語だったが〔Naveh, Joseph ''Early History of the Alphabet: an Introduction to West Semitic Epigraphy and Palaeography'' (Magnes Press - Hebrew University, Jerusalem, 1982) pg. 28〕、残りはかつて見つかったことのないセム語派の言語で書かれており、「エブラ語」と呼ばれることになった〔Four volumes of essays on the Ebla archives and the reconstructed Eblaite language were published by the Center for Ebla Research at New York University, as ''Eblaitica''.〕。Pettinato と Dahood はこれを西セム語派の言語としているが、Gelb ほかはアッカド語に近い東セム語派と考えている〔Pettinato, Giovanni ''The Archives of Ebla''; Gelb, I. J. "Thoughts about Ibla: A Preliminary Evaluation" in ''Monographic Journals of the Near East, Syro-Mesopotamian Studies'' 1/1 (May 1977) pp.3-30〕。
楔形文字の発達した地である南メソポタミアとエブラとの深い関係は、シュメール文化と、シュメールの文書に登場する紀元前3000年頃より前に既に存在したであろうセム系文化との関係にもつながっている。エブラ語の語彙のリストが粘土板とともに見つかっており、これにより翻訳することも可能となった。
粘土板が発見された建物は、今では宮殿付属の図書館(ライブラリ)ではなく(これはまだ発掘されていない)、食糧備蓄・捧げもの・裁判・外交・交易契約など記録を残すための文書庫(アーカイブ)、および徒弟たちが文書の写しを作る写字室とみられている。大きな粘土板がもともと木の棚に並べられていたが、宮殿が破壊されたときに粘土板文書も床に落ち、火災で焼き固まり、結果的に良い状態で保存された。粘土板が見つかった場所は粘土板が床に落とされた場所であり、これを手掛かりにもともと棚のどの位置にどの文書がしまわれていたかを再構成することが可能になった。そこから、粘土板はかつて主題ごとに分類されて保管されていたことが明らかになった。
エブラの文書庫では文書を木製棚に並べて保管していた。発見された文書の中には、書記の学習のためと思われるシュメール語の語彙を列記したリストの語彙文書がある。エブラ語の語彙と対応するシュメール語の語彙を併記した文書である。その他に、天地創造讃歌を記した文書も見つかっている。


抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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