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過敏感反応 過敏感反応(かびんかんはんのう、hypersensitive response:HR)とは、植物が微生物病原体による感染の拡大を防ぐための機構である。HRは感染部位周囲の局所範囲における細胞死を特徴とする。HRは病原体の植物体の他部位への繁殖と拡散を制限するのに役立つ。HRは動物に見られる自然免疫に似ており、普通、より遅い全身性(植物全体)の反応(これは最終的に全身獲得抵抗性(SAR)に至る)へつながる。 ==メカニズム== HRは、植物が病原体を認識したときに引き金が引かれる。病原体の確認は典型的には、病原体が分泌する非病原性(:en:avirulence)遺伝子の産物が、植物の抵抗性(R)遺伝子の産物と結合するか、または間接的に相互作用するときに行われる(遺伝子対遺伝子モデル:en:gene for gene model)。R遺伝子(:en:R genes)は高度の多型を有しており、多くの植物はいくつかの異なるタイプのR遺伝子産物を産生し、これにより多種の異なる病原体の作る病原性産物を認識できるようにしている。 HRの第1相では、R遺伝子の活性化がイオンの出入りの引き金を引く。これには、水酸イオンとカリウムイオンの細胞外への流出と、カルシウムイオンと水素イオンの細胞内への流入がある。 第2相では、HRに関わる細胞が、活性酸素(ROS)、過酸化物アニオン、過酸化水素、ヒドロキシルラジカル、および一酸化窒素を産生することにより酸化バースト(:en:oxidative burst)を起こす。これらの化合物は細胞膜の機能に影響を与えるが、これは部分的には脂質の過酸化が誘導され脂質が損傷されることによる。〔 細胞内のイオン組成の変化と、ROS存在下での細胞成分の分解は、影響を受けた細胞の死と、局所的傷害の形成をもたらす。活性酸素はまたリグニンとカロースの沈着、さらにP33など、予め作られたヒドロキシプロリンに富む糖タンパク質のPPPPYモチーフ中のチロシンを介した細胞壁マトリックスへの結合を起こさせる。〔これらの化合物は感染部位を囲む細胞壁を強化し、障壁を形成して感染の拡大を妨げるのに役立つ。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「過敏感反応」の詳細全文を読む
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