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ハンプティ・ダンプティ : ウィキペディア日本語版
ハンプティ・ダンプティ

ハンプティ・ダンプティ()は、英語の童謡マザー・グース)のひとつであり、またその童謡に登場するキャラクターの名前である。童謡のなかではっきり明示されているわけではないが、このキャラクターは一般に擬人化された卵の姿で親しまれており、英語圏では童謡自体とともに非常にポピュラーな存在である。この童謡のもっとも早い文献での登場は18世紀後半のイングランドで出版されたもので、メロディは1870年、がその著書『わが国の童謡と童歌』において記録したものが広く用いられている。童謡の起源については諸説あり、はっきりとはわかっていない。
もともとはなぞなぞ歌であったと考えられるこの童謡とキャラクターは、ルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』(1872年)をはじめとして、様々な文学作品や映画、演劇、音楽作品などにおいて引用や言及の対象とされてきた。アメリカ合衆国においては、俳優がパントマイム劇の題材に用いたことをきっかけに広く知られるようになった。現代においても児童向けの題材として頻繁に用いられるばかりでなく、「ハンプティ・ダンプティ」はしばしば危うい状況や、ずんぐりむっくりの人物を指す言葉としても用いられている。
== 詞とメロディ ==

現代においては一般に以下の形の詞が知られている。

AABBの脚韻のパターンをもつ一組の四行連の詩であり、韻律は童謡においてよくつかわれるトロキーである〔J.Smith, ''Poetry Writing'' (Teacher Created Resources, 2002), ISBN 0-7439-3273-0, p. 95.〕〔P. Hunt, ed., ''International Companion Encyclopedia of Children's Literature'' (London: Routledge, 2004), ISBN 0-203-16812-7, p. 174.〕。詞はもともとは「」をその答えとするなぞなぞ歌として作られたものと考えられるが、その答えが広く知れ渡っているため、現在ではなぞなぞとして用いられることはほとんどない〔鳥山淳子 『映画の中のマザーグース』 スクリーンプレイ、1996年、ISBN 4894071428、54頁。〕。メロディーは一般に、作曲家であり童謡収集家だったが、その著書『わが国の童謡と童歌』 (ロンドン、1870年)において記したものが使われている〔J. J. Fuld, ''The Book of World-Famous Music: Classical, Popular, and Folk'' (Courier Dover Publications, 5th edn., 2000), ISBN 0-486-41475-2, p. 502.〕。童謡とそのヴァリエーションを番号をつけて編纂しているにおいては13026番に記録されている〔"Searchable Intel database" , ''English Folk Song and Dance Society'', retrieved 18 June 2012.〕。
オックスフォード英語辞典』によれば、「ハンプティ・ダンプティ」(Humpty Dumpty)という言葉は、17世紀においてはブランデーエールと一緒に煮た飲み物の名称として用いられていた〔。さらに18世紀になると「ずんぐりむっくり」を意味するスラングとしての用法も現われている。ここから「ハンプティ・ダンプティ」の語は、おそらく上述のなぞなぞにおける一種のミスディレクションとしてこの童謡に採用されたものと考えられる。この想定の上に立てばこのなぞなぞは、「ハンプティ・ダンプティ」がもし「ずんぐりむっくりの人間」のことであるならば、塀から落ちたとしても大きな怪我を負うはずはないだろう、という想定を根拠として成り立っているということになる〔E. Partridge and P. Beale, ''Dictionary of Slang and Unconventional English'' (Routledge, 8th edn., 2002), ISBN 0-415-29189-5, p. 582.〕。
またhumpには「こぶ」という意味があるほかにこれだけで「ずんぐりむっくり」を表すことがあり、dumpには「どしんと落ちる」という意味もあるため、Humpty Dumptyという名前の中にすでに「ずんぐりしたものがどしんと落ちる」という出来事が暗示されていると考えることもできる(後述の『鏡の国のアリス』には、ハンプティ・ダンプティが「僕の名前は僕の形をそのまま表している」と述べる場面がある)〔藤野紀男・夏目康子 『マザーグース・コレクション100』 ミネルヴァ書房、2004年、ISBN 978-4623039203、2-3頁。〕。このほか、HumptyはHumphreyという名前に通じる一方、DumptyはHumphreyの愛称であるDumphyやDumpに似ているという指摘もある〔。
「ハンプティ・ダンプティ」と同様のなぞなぞ歌は、民俗学者によって英語以外の言語においても記録されている。フランス語の "Boule Boule"(ブール・ブール)、スウェーデン語・ノルウェー語の "Lille Trille"(リル・トリル)、ドイツ語圏の "Runtzelken-Puntzelken"(ルンツェルケン・プンツェルケン)または "Humpelken-Pumpelken"(フンペルケン・プンペルケン)といったものであるが、いずれも英語圏におけるハンプティ・ダンプティほどに広く知られているものではない〔。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
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