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ソボレフ空間[そぼれふくうかん] 数学においてソボレフ空間(ソボレフくうかん、)は、函数からなるベクトル空間で、函数それ自身とその与えられた階数までの導函数の ''Lp''-ノルムを組み合わせて得られるノルムを備えたものである。ここでいう微分を適当な弱い意味での微分と解釈することにより、ソボレフ空間は完備距離空間、したがってバナッハ空間を成す。直観的には、ソボレフ空間は(偏微分方程式のような応用範囲に対して)十分多くの導函数を持つ函数からなるバナッハ空間あるいはヒルベルト空間であって、函数の大きさと滑らかさの両方を測るようなノルムを備えたものということである。 ソボレフ空間の名称はロシア人数学者のセルゲイ・ソボレフに因む。ソボレフ空間の重要性は、偏微分方程式の解というものは古典的な意味での導函数を備える連続函数からなる古典的な空間の中ではなく、むしろソボレフ空間の中にあるとして捉えたほうが自然であるという事実にある。 == 導入 ==
函数の滑らかさの基準にはいくつかの種類があり、最も基本的な基準はその連続性である。より強い判定基準は可微分性であり(実際、可微分函数は常に連続となる)、さらに導函数の連続性をも込めれば(そのような函数は ''C''1-級であるといわれる)より強い滑らかさの概念が与えられる。 可微分函数は多くの分野、特に微分方程式の理論において重要である。しかしながら20世紀に入ると、そのような ''C''1-級(あるいは同様な ''C''2, ... といった滑らかさのクラスに属する)函数の空間というものは、微分方程式の研究するための空間として本当に適切なものとは言えないということが理解されるようになる。 ソボレフ空間はそのような偏微分方程式の解を求めるための空間の現代的な代替物である。
抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)』 ■ウィキペディアで「ソボレフ空間」の詳細全文を読む
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