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鯨肉 : ミニ英和和英辞書
鯨肉[げいにく]
【名詞】 1. whale meat 
===========================
: [くじら]
 【名詞】 1. whale 
鯨肉 : [げいにく]
 【名詞】 1. whale meat 
: [にく]
 【名詞】 1. meat 
鯨肉 : ウィキペディア日本語版
鯨肉[げいにく]

鯨肉(げいにく/くじらにく) とは、食品として扱われる鯨類や、その小型種の一部の総称であるイルカ類の可食部全般を指す。狭義にはイルカ類は除く。筋肉内臓・鯨類特有の脂皮(脂肪層)などを含む。
鯨類は世界各地で鯨油など多様な利用がされてきたが、鯨肉もその中の重要な用途の一つである。多様な鯨種部位にあわせて様々な嗜好や調理法も生まれ、国や地域によって様々な食文化を形成してきた。現在では商業捕鯨が大きく制限されているため、生産量が減少している。価格も商業捕鯨全盛期と比べると大きく値上がりしている。
鯨はしばしば最大の「魚」ととらえられ、魚肉のひとつという位置づけで古くから食用とされてきた。そのため、以下の記述では哺乳類の鯨を「魚」として表記する場合がある。
==食文化の流れ==

===欧米での食文化の流れ===

世界各地の沿岸部で古くから鯨肉を食していたことは、考古学的研究から判明している。中世ヨーロッパにおいては、例としてビスケー湾などでバスク人によって組織的な捕鯨が行われ、鯨の舌が珍重された他、肉は広く沿岸民の食糧となった。中世ヨーロッパにおいては、特にイルカが食用として好まれ、串焼きやプディングパイなどに用いられた。変わった料理法では、捕鯨船などでまれに供されたイルカの脳みそのフライが挙げられる。大型鯨が食品とはみなされなくなった後も、イルカについては比較的最近まで食用とされていた。15世紀イングランド家庭料理についての本にもイルカ料理が登場する。イングランドの宮廷では17世紀頃までイルカの鯨肉が供された。
カトリックにおける小斎のような信仰上の理由から肉食が禁じられているときに、禁忌に触れない「魚」として鯨肉を食べることも多かったようである。
しかし、沿岸鯨類資源の枯渇から沖合い・遠洋へと漁場が移動するにつれ、冷蔵冷凍技術がない当時においては持ち帰りが困難となり、徐々に食用とすることができなくなっていった。なお、鯨肉が利用されなくなったにもかかわらず捕鯨が継続された理由は、鯨油やクジラヒゲなどに工業原料としての価値があったためである。そして沿岸から離れる過程で、鯨を食用と見る発想そのものが失われていった。19世紀にアメリカの捕鯨船に救助された日本人船員も、アメリカ人船員は大型鯨肉は毒だからと食べないという証言を記録しているが、当時のアメリカ式捕鯨の対象種マッコウクジラは高級な機械油になる鯨油の元となったが、その油に蝋を含み、肉も加工せずに食べると下痢をする恐れがあり、あながち間違いともいえない〔マッコウクジラ#脳油(鯨蝋)の捕鯨も参照〕。こういった事情から新鮮な鯨肉が手に入り、なおかつ新鮮な食料を必要としていた捕鯨船上ですら、イルカ以外の大型の鯨については一部の船員を除けば食用とはしていなかった。ただし、19世紀に刊行されたハーマン・メルヴィルの「白鯨」にもイルカの美味はよく知られているという記述や、ある捕鯨船員の特殊な嗜好としてではあるが大型鯨のステーキを食べる描写もある。また、アメリカの捕鯨船上において、肉を食べる事はなかったが、小麦粉をまぶした鯨の脳を鯨油で揚げたフライや、鯨油自体を食用油に使っていた記録があり〔「クジラの世界」イヴ・コア著、宮崎信之監修 創元社 1991年 85頁 〕、前述のイルカも食用とされた。
なお、後に食用に適したヒゲクジラ(主にセミクジラ)の鯨油でマーガリン生産が可能となった時にも、鯨は食品とはみなされていなかったために、鯨製品であるということは秘されて販売されていた。ただしノルウェーアイスランドなど沿岸での捕鯨が継続された地域では、例外的に鯨肉食が残存している。第二次世界大戦時のイギリスなど一部では食糧難の際の代用食として推奨されたが、あまり定着しなかった。1950年頃にも鯨油価格低下への対応策として鯨肉の商品化が検討されたが、これも失敗に終わり、ペットフードなどに転用された。最近の鯨体の食用利用としては、前述の鯨油マーガリンを除けば、ノルウェーなどが生産した鯨肉エキスを牛肉エキスの代用としてコンソメ原料などに使用していた例がある程度である。

抄文引用元・出典: フリー百科事典『 ウィキペディア(Wikipedia)
ウィキペディアで「鯨肉」の詳細全文を読む




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